概要
犯罪を犯した未成年を収容し、自身の矯正や社会復帰を目的とした施設である。刑務所ではないので前科はつかない。当然ながら男女混合はあり得ない。
収容期間はその者がやってきた内容によって異なるが長くても2年である。また少年院から出ることを出院と呼ぶ。
「第三種少年院(旧:医療少年院)」というものもあり、精神疾患や発達障害でケアが不十分だった事などの影響により犯罪を犯した者の治療なども行われる。
ただし犯罪の内容によっては少年院ではなく、いきなり刑務所(少年刑務所)に送られるケースもある(この場合、前科がつく)。
早い話が、一見すると似ているが「更生や社会復帰に重点を置く」のが少年院で、「有罪判決を受けた未成年者への処罰を行なう」のが少年刑務所と言える。
ある意味で、後述するような比喩としての「少年院」やフィクションにおける「少年院」は、むしろ「少年刑務所」の方が近いと言える。
(もちろん、いやしくも民主的な法治国家であれば、少なからぬフィクションにおける「少年院」のような真似を少年院であれ少年刑務所であれやっていたなら、当該施設の責任者の首どころか、下手したらもっと上の誰かの首や、最悪は内閣・政権まで吹き飛んでもおかしくない大問題である)
転じた使い方
厳しい施設や学校をこう揶揄して呼ぶことがある。
例えば、自衛隊の高等工科学校の前身である少年工科学校は略称の「YTS」を捩り「横須賀 武山 少年院」と呼ばれていた。
また、進学校及びそれを目指そうと躍起になっている学校の中には校則が厳しく、びっしりと授業が朝から夕方まで詰め込まれた学校がいくつかあり「受験少年院」と揶揄されている(中学・高校が完全一貫体系、又は高校の進学コースが此の様な偏差値で一般的なコースが一般水準より低い場合を除き、近年見直しの動きも伸長状態となっている)。
※ちなみに東大・京大クラスの大学の合格者を年に何人も出しているような私立の進学校には「やたらと校則が厳しい男子校」「更に右翼・軍隊っぽい校風」「しかも全寮制」という所が少なくない為、出身者からは「少年院」を通り越して刑務所呼ばわりされている学校も少なくない。
フィクションにおける少年院
メイン画像は日本一有名な少年院の出てくる漫画「あしたのジョー」の二次創作だが、作中で矢吹丈の入れられた「特等少年院」は架空の施設であり、実際は「特別少年院」しかない。
またスケバン刑事に登場する「地獄城」のようにサディスティックな施設長や命が飛ぶような脱出防止装置など、スパルタを通り越した暴虐施設として誇張的な設定をされている作品も少なくない。
もちろんR-18ものだと職員や他の入所者にあんなことやこんなことをされてしまうという展開になったりする。
少年院に入ったことのあるフィクションのキャラクター
- 飛鳥天平/早見仁太(ブロッカー軍団IVマシーンブラスター)
- 麻宮サキ/海槌麗巳/綾倉五子/美汐千江(スケバン刑事)
- 川島清志郎/三原剛史(ろくでなしBLUES)
- 矢吹丈(あしたのジョー)
- 久保銀次(男一匹ガキ大将)
- 乾青宗/林田春樹/黒川イザナ/武藤泰宏(東京卍リベンジャーズ)
- 二階堂華里(特攻!アルテミス)
少年院に入った経験を公表している著名人
- 宇梶剛士(俳優)暴走族だったため。
- 木村一八(タレント、横山やすしの息子)暴力事件を起こしたため。
- 勅使河原弘晶(ボクサー)
- 戦慄かなの(アイドル、社会活動家)JKビジネスに関与して検挙された。
- YZERR(ラッパー、BADHOP)数々の事件を起こし一般の少年院に行ったがそこでも問題行動が多く医療少年院に行った。
- TijiJojo(ラッパー、BADHOP)高校生の時に少年院送致されている。
- BADSAIKUSH(ラッパー、舐達麻)金庫破りにより検挙。
- ZORN(ラッパー)オレオレ詐欺に関与して検挙。
- 中村すえこ(作家、社会活動家)暴走族でそれに関係した数々の不良行為で検挙。
- スーパークレイジー君(政治家、歌手)暴走族で5回の入院歴がある。
- 重岡謙作(お笑いタレント、ラフ・コントロールのボケ役)地元では重岡4兄弟と恐れられ、暴走族からヤクザを経て逮捕時に少年院で更生。
余談
- 法務少年支援センター(少年鑑別所)にて、こどもの非行問題や心理相談を受け付けている場合がある。
- 少年院では書取の授業・指導なども行なわれる為、少年院出身者には字を書くのが巧い人が多いという俗説が有る。
- 更に「大学院卒」の意味で「院を出てる」と言ったのに、相手が「少年院に入ってた事が有る」と勘違いして「その割には字を書くのがが下手だな」と返した、という冗談も有る。