陸上自衛隊少年工科学校が制度改変によりできたもの。
神奈川県横須賀市に存在する。略称は高工校、HTS等。
学校教育法の高等学校とは厳密には異なるが、神奈川県立横浜修悠館高等学校の通信制と提携する形で高等学校の卒業資格を得る事が出来る。部活等の大会は修悠館高等学校名義で出場する。
一般の軍隊でいえば下士官にあたるクラスの自衛官となる人材を育成する学校であるため、当然訓練も行われ、学校名の通り工学系の授業もある。
入学(採用)は中卒の17歳未満男子のみで、学費は一切かからないが全寮制で規則正しく厳しい生活を送る。
生徒達は「教育隊」として編成され、一般の高校のクラスに相当する「区隊」、その下に複数の班が分けられ、現役の自衛官が区隊長(殆どは一尉)や班長(曹クラスの者)としてつき生活や自衛官としての基礎の指導を行う。
その他に高校生としての教科指導を担当する文官の担任が各クラスに付く。
2年生になると「対番生徒」としてマンツーマンで新入生の生活指導を行い、3年生の中で「模範生徒」として選抜された者が新入生の各班の居室にともに寝起きし指導を行う。
生徒は防衛省の職員として位置づけられ、手取り8万円の「生徒手当」という名の月給が支給される。
3年生で、「教養専修コース」、「理数専修コース」、「国際専修コース」に分かれる。
卒業後は陸上自衛官として陸士長に任官され、その後各方面隊にある陸曹教育隊に配属され1年間の教育を受け、3等陸曹から実質的な自衛官としてのキャリアをスタートさせる。
成績優秀な者の中には防衛大学校や航空学生として進学する者も少数いる(防衛医科大学校進学は制度上できるが流石に実例はほぼないようである)。
今時の少年にとっては体力、上下関係とも非常に厳しい生活であるため毎年幾人かはドロップアウトする者もおり、また卒業後に退職して自衛官を辞める者も少数いる。
かつては海上自衛隊・航空自衛隊にも似たような制度の中卒男子を対象とした養成課程「海上自衛隊生徒」「航空自衛隊生徒」があったが現在は廃止されている。