注意![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
現在、この言葉への評価は賛否両論となっています。
賛否どちらかの立場に傾く事なく、公平な記述になるよう十分に注意してください。
概要![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
DEI(ディー・イー・アイ)とは、Diversity(ダイバーシティ)、Equity(エクイティ)、Inclusion(インクルージョン)の頭文字を取った言葉で、多様性、公平性、包括性を意味する。
多様性とアイデンティティを尊重し、かつ、公平な活躍機会を与えられている状態を意味する言葉である。
企業経営における人的資本活用の考え方として近年注目されており、経営戦略の一環として推進している企業もある。
アメリカでのDEIを巡る混乱と反発![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
アメリカでは、2020年に黒人男性が職務質問の際に警察官に押さえ付けられ死亡した事件を受けて、各地で黒人などを中心とした暴動が勃発。その事件をきっかけにDEIへの取り組みが拡大された。
しかしアメリカにおいてDEIの推進は社会に混乱をもたらした。
多様性目標のもと、大学・企業・行政機関などでは黒人やLGBTを一定割合で雇用する採用枠が設けられたが、これにより合格者を人種比率に合わせるために、高得点者が落とされ、得点の低い者が合格するという事態が頻発した。
ヒスパニックや黒人は点数が低くても合格できるのに対し、白人やアジア系は黒人よりもかなり高い点数を取らないと合格できなくなったことで、明らかな不平等を招いた。
(アジア系も米国ではマイノリティのはずなのだが、竹の天井問題に見られるように優先順位が低いと見られているのだろうか…。)
利権化した多様性目標(SDGs)に跳び付く企業も存在しており、何ら差別廃絶に結び付かないような研修をするだけで企業から金を巻き上げる多様性コンサルティング会社の存在も問題になっている。
ハワード・J・ロスが経営するクック・ロス社は政府機関へのDEI研修を担当していたが、肝心の研修は「全ての白人は人種差別に加担している」「白人職員は自らの無自覚な差別的傾向を自覚するよう『苦闘』しろ」という内容を教えるものだった。このような一方的に白人を悪者扱いするだけの中身の無い研修だけで、850万ドルもの悪銭を稼いでいたのである。
DEI研修を受けても差別を止める考え方は身に付かず、ただ「自分は差別主義者じゃない」というお墨付きを得たような気分になるだけであり、逆に差別的になってしまうことも多い。
2025年・トランプ大統領再選![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
2025年1月20日に、ドナルド・トランプ大統領の第二次政権が発足した。トランプ大統領は就任当日から、1日で26本の大統領令と、12本の大統領覚書に署名した。
その中でも世界的に驚きをもって受け止められているのが、性別に関する大統領令である。そこには「『性別』とは、男性または女性という個人の不変の生物学的分類を指します。『性別』は『性自認』の同義語ではなく、その概念も含みません」と書かれ、性別は男と女だけしかないと宣言した。
しかも数日後には、連邦政府職員などの雇用について、「連邦職員における『多様性、公平性、包摂性』(DEI)のプログラムを廃止する」と大統領令を出した。
ジョー・バイデン前政権が推し進めてきた、政府機関などで少数派や性的マイノリティなどを積極的に採用する方針を終わりにするよう命じたのである。
これには反発の声も大きく2月3日(日本時間)に行われた「第67回グラミー賞授賞式」では、歌手のアリシア・キーズやレディー・ガガらが、DEI運動を擁護して多様な価値観が必要だと訴えている。
参照記事・「多様性廃止」に向かうメタ、マクドナルドら大手企業。トランプ「性別は男と女だけ」がもたらす閉鎖性(All Aboutニュース・2025.02.06)
参照記事・米アマゾン、年次報告書から多様性の記述削除(Reuters・2025.02.10)