ゲゾラ・ガニメ・カメーバ決戦!南海の大怪獣
げそらがにめかめーばけっせんなんかいのだいかいじゅう
1970年8月1日に夏休み東宝チャンピオンまつりの1本として公開された東宝製作の特撮映画作品。
特技監督の円谷英二が死去してから公開された初めての東宝特撮で、特撮パートは円谷の愛弟子だった有川貞昌がメガホンを取った。
写真家の工藤太郎は、行方不明になった無人宇宙船ヘリオス7号が、太平洋に落下する様子を偶然目撃する。
落下点に近いセルジオ島では観光開発計画が進められていた。工藤はこの観光業者の一員としてセルジオ島を調査する事となったが、このセルジオ島では、原住民を襲う怪獣ゲゾラが現れて大騒ぎが起きていた。
島に現れた風俗研究家(実は産業スパイ)の小畑誠とも合流した一同は、コウモリの居る洞窟を拠点として、旧日本軍が島に残していた武器をかき集めて、怪獣と戦う準備を始める。
ちなみに、セルジオ島の原住民は旧日本軍と仲が良かったので、日本語が話せる。
火に弱いゲゾラを撃退したものの、更なる怪獣ガニメとカメーバが現れる。
怪獣の正体は、ヘリオス7号に付着していたアメーバ状の宇宙生物が、島の動物に寄生して怪獣化したものだった。やがて宇宙生物は小畑にも寄生して、怪獣対策の妨害をしてしまうが…
2000年代に製作されたミレニアムシリーズのうち、所謂“機龍二部作”は本作と同一の世界線上の物語として扱われている(これに加えて、『モスラ』および『サンダ対ガイラ』とも繫がりがある)。
作中では、ゴジラに襲撃された怪獣としてカメーバが屍骸として登場し、『決戦!南海の大怪獣』の出来事も僅かながら語られる。かつて出現したカメーバとの関連は不明だが、ヘリオス7号と共に地球にやってきた宇宙アメーバの生き残りが別のカメに寄生して誕生した個体だった可能性が考えられる。
『ケロロ軍曹』第57話は本作のパロディで、イカラ・カニメ・ガメーバという怪獣が登場、ケロロ小隊とその友人である地球人数名の晩御飯の材料にされる。
本作公開後の週刊少年マガジン1970年37号の表紙に本作のポスターがまるまる使用された。