概要
北海道小樽市出身。長女は女優の井出みな子、次女は女優の中村まり子である。
生家は岐阜県の士族で、小寺芳次郎の七男として生まれる。
青年期に画家を志すが、断念して舞台俳優となる。1937年、岸田国士、杉村春子らと共に劇団文学座を創立して中核的存在として活躍した。
1963年に戯曲『喜びの琴』の上演中止を巡り、三島由紀夫、らと共に文学座を脱退する。
1964年に劇団NLT創立に参加、1968年に三島らとNLTを脱退して劇団浪曼劇場を結成するが、三島の自決により劇団は解散する。
その後、劇団雲へ入団するも内部分裂により退団。演劇集団円を結成した。
小津安二郎監督作品の常連で、ほかに黒澤明監督作品にも多く出演した。1978年のテレビドラマ『白い巨塔』の東教授は当たり役で、『タンポポ』(1985年、監督:伊丹十三)ではそのイメージを逆手にとった「老紳士」役を軽妙に演じた。
1991年7月5日に心不全のため死去した。享年82歳。