第58回スーパーボウル優勝チーム…
カンザスシティ・チーフス(2年連続4回目)
概要
アメリカ合衆国のアメリカンフットボールリーグNFLの優勝決定戦、1967年に当時の2リーグであるAFLとNFLによって行われ、1970年の再編でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)とNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)によって行われる。現在は毎年2月の第2日曜日に開催される。
NFLは北米4大プロスポーツ(NFL=アメリカンフットボール、MLB=野球、NBA=バスケットボール、NHL=アイスホッケー)の一つで最も人気のあるプロリーグであるが、その中でスーパーボウルは他のスポーツの優勝決定戦は勿論、他の番組よりも圧倒的な視聴率を稼ぐなどアメリカ最大の高視聴率を誇る。オリンピックやFIFAワールドカップさえ上回ると言える一大イヴェントとして知られている。また、スーパーボウルの開催スタジアムのチケットの競争率は勿論、本場アメリカの食糧消費量が感謝祭に次ぐ2番目に多い。その為、スーパーボウルが開催される日曜日はスーパーサンデー(またはスーパーボウルサンデー)と呼ばれる程アメリカの事実上の祝日として定着している。
また、中継スポンサーもこの日限定の超豪華SPCMを制作し、放送するのが慣例になっている。
試合は一試合のみの一発勝負であり、勝利チームにはスーパーボウル王者(=NFL王者)としてヴィンス・ロンバルディ・トロフィーが与えられる。更に優勝チームの全選手にはスーパーボウル・リングと呼ばれるチャンピオンリングが与えられる。
また、超豪華アーティストのライヴが行なわれるハーフタイムショーも見ものである。
スーパーボウル出場への道のり
レギュラーシーズン
毎年9月上旬から開幕し、NFLに所属する全32チームはAFCとNFCの二つのカンファレンスのどちらかに所属し、レギュラーシーズン最終戦までの全18週のうち、17試合を戦う。このうち6試合は同カンファレンス同地区チーム同士の試合(各チームホームアンドアウエーの2試合)であり、それ以外は異なる地区チーム同士の6試合や異なるカンファレンスチーム同士の5試合が組まれる。なお各チームとも18週のうち1週だけ、バイウィーク(Bye Week)と云う試合の無い休みの週がある。
ポストシーズン(プレイオフ)へ進出できるのは各カンファレンス上位7チーム。各地区4チームの順位や各カンファレンス16チームの順位によって決められており、全試合の勝率や同地区チームとの対戦成績、および勝敗数が同じチームとの直接対決の結果などで決められる。
このうちレギュラーシーズン終了時点で各地区1位のチームは地区優勝となり、各カンファレンスの地区優勝4チームにはシード上位4チームのポストシーズンの出場権が与えられる。この時地区優勝4チームの中で最上位のチームにはシード1位が与えられ、以降2位、3位、4位が決定する。シード1位のチームのみ、ディヴィジョナルゲームのシード権が与えられ、残りの3チームはワイルドカードゲームから出場する。
地区優勝を逃した残りのカンファレンスのチームは各カンファレンスの順位に基づき、地区優勝以外のチームで上位3チームのチームにポストシーズンのワイルドカードゲームの出場権が与えられ、勝率などが高い順に、5位、6位、7位のシード順位が決定する。地区優勝チームはワイルドカード獲得チームより勝敗で劣る成績であっても第4シード以上が確保され、ワイルドカードプレイオフでのホームフィールドアドヴァンテージを得ることが出来る。
ポストシーズン
1回戦のワイルドカードプレイオフは、各カンファレンスの第2シードと第7シード、第3シードと第6シード、第4シードと第5シードが対戦する。両カンファレンス合わせて6試合が行なわれるポストシーズンの1週目はスーパーワイルドカードウィークエンドとも呼ばれる。
ワイルドカードプレイオフの勝者は、次の週末に2回戦のディヴィジョナルプレイオフを戦う。第1シードのチームは、スーパーワイルドカードウィークエンドを勝ち上がったうちシード順位が最も低いチームと対戦。そして残る他の2チームが対戦する。
ディヴィジョナルプレイオフに勝利したチームは、さらに次の週末にカンファレンスチャンピオンシップにて激突し、この試合に勝った両カンファレンスの優勝チームがスーパーボウルへと進出、年間王者の座とヴィンス・ロンバルディ・トロフィーを懸けた一戦に臨むことになる。
主な成績
出場回数最多のチームはニューイングランド・ペイトリオッツで11回。2023年時点で出場回数が2桁のチームはペイトリオッツだけである。
優勝回数はペイトリオッツとピッツバーグ・スティーラーズの6回が最も多く、優勝5回のダラス・カウボーイズとサンフランシスコ・49ersが続く。
最長連覇回数は「2」で、ペイトリオッツ、スティーラーズ、カウボーイズ、49ersの他にグリーンベイ・パッカーズ、マイアミ・ドルフィンズ、デンバー・ブロンコス、カンザスシティ・チーフスの8チームが達成。このうちスティーラーズは2度の2連覇がある。出場年に間隔を挟みながらの最長連勝は49ersの「5」である。
選手個人での最多優勝経験者はトム・ブレイディの7回(ペイトリオッツで6回、タンパベイ・バッカニアーズで1回)。
最多敗戦はペイトリオッツとブロンコスが記録した5敗。最長連敗はブロンコスの他にミネソタ・ヴァイキングスとバッファロー・ビルズが記録した4連敗。このうちヴァイキングスとビルズの連敗は継続中である。またビルズは4年連続出場の最長記録を持つが、これを全敗しての4連敗となっている。
デトロイト・ライオンズ、クリーヴランド・ブラウンズ、ジャクソンヴィル・ジャガーズ、ヒューストン・テキサンズの4チームはスーパーボウルへの出場が無く、テキサンズはその1つ前のラウンドとなるカンファレンスチャンピオンシップゲームに進出したことも無い。
ハーフタイムショー
文字通りスーパーボウルのハーフタイム(第2クォーター終了後から第3クォーター開始前まで)に行なわれる、アーティストによるパフォーマンスショーである。
登場アーティストはエアロスミスやマドンナといったアメリカだけに留まらない世界的なスーパースターが名を連ねる。
かつてはここだけ視聴率が激減してしまうトイレタイムのような扱いだったが、その問題を解消するための策として1993年マイケル・ジャクソンにパフォーマンスを依頼すると、これが試合中よりも視聴率を稼いでしまうという予想外の成果を上げ、今に至る。
毎年、この日だけのパフォーマンスが披露される一大イベントとなり、アメフトの試合にはまるで興味無いがアーティスト目当てにハーフタイムショーだけ視聴や観戦しようとする者もいる様子。そのせいか、今度はハーフタイムショーの前後になるとトイレに駆け込む視聴者が増加し、水道管の破裂事故が全米中で多発するという都市伝説まで定着。ある自治体ではスーパーボウルの試合中は水分を極力控え、ハーフタイムショーの前後は不要不急のトイレは控えるようにと住人に釘を刺しているといううわさがあるらしい。
ちなみに招待されるアーティストはマイケル・ジャクソンがノーギャラで引き受けたことの慣例に伴い、このショーそのものにギャラは発生しないことになっている。しかし、出演アーティストにはアメリカ最大級の名誉という大きな価値が付き、その後の活動に大きな恩恵をもたらすという。
2004年のジャネット・ジャクソンの胸部露出や、2012年のMIAの中指を立てる不謹慎ジェスチャーと云った放送事故を意図的に狙う不届きな行動をとる者が相次いだこともあり、ハーフタイムショーの時間は放送局の検閲が入るようになったらしく、中継では数秒程度だがタイムラグが生じる。