概要
ピッツバーグ(英語:Pittsburgh)は、アメリカ合衆国のペンシルベニア州に属する都市。同州の西部に位置し、アレゲニー川が流れている。かつては鉄鋼生産の中心地として栄え、それが市の愛称「スティールシティ(鋼鉄の街)」やNFLのチーム「スティーラーズ」の名前の由来にもなっている。
現在では商業と医療の町としても知られ、東のフィラデルフィアに次ぐ州内の拠点都市となっている。人口こそ30万人で減少傾向にあり、全盛期67万人の4割程度となっているが郊外化が進んでおり、都市圏人口は約235万人と全米でもかなり大規模、特にアレゲニー川とモノンガヒラ川に囲まれた三角州に作られたゴールデントライアングルといわれるダウンタウンは大都市に遜色ないレベルとなっており、超高層ビルが林立する。大企業本社も8社あり、全米最大の製鉄業USスチールやトマトケチャップで知られる食品メーカーのハインツの本社がある。また、ドイツの医薬品大手バイエルのアメリカ本社、イギリスの大手、GSKのコンシューマ向け本部も置かれている。
学術都市としても知られ、コンピュータ工学の名門カーネギーメロン大学、薬学部が強いデュケイン大学、さらに医学部が強いピッツバーグ大学などがある。メロン財閥が拠点を置いていた場所でもあるため、カーネギーメロン関係の美術館や博物館も多い。ピッツバーグ交響楽団というオーケストラでも知られる。
なお、地価が安定して治安も改善しているのにピッツバーグ市内の人口が減少を続けているのは丘が多いために起伏が激しく、生活がやや困難なところがあるためである。
歴史
1758年11月にジョン・フォーブズ将軍はフランス軍をデュケイン砦から撤退させ、それと合わせて砦を破壊させた。その後フォーブズはこの地にウィリアム・ピットに因み、ピット砦の建設を命じた。1768年11月にこの砦はペンシルベニア州に併合され、1797年8月に軍が正式に廃止した後に取り壊された。1794年4月に郡区となり、1816年3月に市に昇格した。
スポーツ
北米4大プロスポーツリーグとされているもののうち、NBAを除くMLB、NFL、NHLが本拠地を置いており、何れのチームもピッツバーグ市旗に由来する黒と黄色をチームカラーとしている。
- MLBのピッツバーグ・パイレーツは19世紀から活動しているチームで、1903年の第1回ワールドシリーズに進出、1909年のワールドシリーズ初優勝以来、通算5回の優勝をしている。しかし1979年の制覇を最後にワールドシリーズ進出が無いうえに1992年以降はリーグチャンピオンシップシリーズにも進出できていない。
- NFLのピッツバーグ・スティーラーズは1933年にパイレーツとして創設され、1940年から現在のチーム名となっている。1970年代に2度のスーパーボウル連覇を果たすなど、NFL最多タイとなる通算6度のスーパーボウル制覇をしている。
- NHLのピッツバーグ・ペンギンズは1967年に創設されたエクスパンションシックスの1つで、エクスパンションチームの中では最多タイとなる5度のスタンレーカップ優勝がある。