概要も、そうだそうだと言っています。
ゴジラシリーズに宇宙怪獣キングギドラが初登場した事で有名な『三大怪獣地球最大の決戦』にて、劇中に登場する怪獣の1体であるラドンがとある議題に対して意見を示したのを小美人が翻訳した台詞、とみなすのが正確。
なにやら強きにおもねって話を合わせるゴマすり発言のように聞こえる事から、Twitterや画像掲示板などでは何かの強い意見に対してこの画像を貼り付けてラドンが強者の意見にすり寄っているような腰巾着的なムーブとして引用されることが多い。
みんなで力をあわせて背景を解説しよう
このセリフが出てくるまでの経緯を説明すると、
- キングギドラ(の卵とか巣とでもいうべき隕石)が地球に落下
- モスラを擁するインファント島の人々とモスラが「地球にやべーやつが落ちてきた」ことを察知して行動を開始
- 同時に、かつてキングギドラに文明を滅ぼされた金星人も、その脅威を伝えるために人類への警鐘を鳴らし始める
…と、各勢力が水面下で危機に立ち向かうための努力をしている中で、隕石衝突の影響で復活したラドンとゴジラが殴り合いを始めてしまう。
人間は当然ながら、モスラでもまず勝ち目の無い地球外の侵略者に対抗するために、喧嘩真っ最中のラドンとゴジラを説得するためにやって来たモスラとのやり取りの中で交わされた一連の会話が上記「概要」のものであり、その中で出たラドンの意見が「そうだそうだ」である。
モスラが人間の味方であるせいでちょっと人類寄りな説得をしてしまった事、中途半端に人類も説得の現場近くにいたこと、何より本作以前から何度となく策を弄してゴジラをはじめとする怪獣たちに様々な攻撃を加えてきた人類への積年の恨みのせいで説得はこじれにこじれ決裂。
結局、モスラは単身でキングギドラに挑まざるを得なくなってしまう。
一度は共闘を拒絶したゴジラとラドンだったが、そんなモスラの奮闘ぶりを眺めているうちに……
人間はいつも我々を誤解しているではないか
概要に書いた通り、字面だけが独り歩きしている節のある台詞だが、実際は上述のとおり、「俺たちの知ったことか、勝手にしやがれ。我々が人間を助ける理由はなにもない。人間はいつも我々をいじめているではないか」というゴジラの主張への同意であり、「言いたいことは全部ゴジラが言ったから賛成するだけでいい」とモスラへの非協力に一票を投じているに過ぎない。
シリーズの顔であるゴジラにへつらってゴマを擦っているわけではなく、飽くまで対等な立場から同意を表明しているだけである。
後のシリーズでの「格下」的な扱いからも誤解されがちだが、『地球最大の決戦』公開当時のラドンは東宝三大怪獣の一角を張るスター怪獣であり、もちろんゴジラにゴマを擦らないといけないような子分枠だったわけではない。
『三大怪獣 地球最大の決戦』というタイトルも、公開当時は「ゴジラ、モスラ、ラドン」の東宝三大怪獣を指すものであった。
実際の『地球最大の決戦』本編中でも、ラドンはゴジラと優劣が決まらない拮抗した戦いを繰り広げており(ゴジラの熱線が白熱光と同等のものになってはいるが、ハンデと言えば精々そのくらいである)、決してゴジラ>ラドンという関係にはなっていない。
また「そうだそうだと言っています」とある通り、これはあくまでも小美人の意訳であり、実際のラドンは異なる言い回しをしていた可能性もあるが、真相はラドン本人と怪獣たち、そして小美人のみぞ知る。
とはいえ、このカットの妙に気の抜けたラドンの姿、富士山の麓で怪獣たちが顔を突き合わせて会議をしている光景の珍妙さ、危機がすぐ近くに迫った中でのシリアスなシーンなのだが小美人の翻訳が妙に柔らかいことなど、様々な要因もあってかなりほのぼのとしたゆるめの雰囲気があり、多少のコミカルさは否めない。
モンスターバースシリーズでも、そうだそうだと言っています。
モンスターバースシリーズ3作目こと「キング・オブ・モンスターズ」でもラドンが登場。
火山から現れる巨大な怪獣の威圧感、人間の火器を受け付けず一方的な殺戮を繰り広げるその格好良さが予告の段階から印象的に描かれたラドンに対して、上映前からこの画像がそれなりに使われていたが、上映された後は更にこのラドンの画像が広まることとなった。
詳しくはこの記事では語らないが、本来の用途が誤解されて使われてる現状からある程度の予測ができる……かもしれない。
関連イラストも、そうだそうだと言っています。
関連タグも、そうだそうだと言っています。
三大怪獣地球最大の決戦 モンスターバースシリーズ/キング・オブ・モンスターズ
イナリワン(ウマ娘):漫画で作者Twitterにてラドンのコスプレをして「そうだそうだ」発言をした
ゴルドバーン:映画『グリッドマンユニバース』応援上映の事前説明の際、飛鳥川ちせの口から「ゴルドバーンもそうだそうだと言っています。」という発言があった。
「ちきしょう…分からず屋は人間だけじゃねぇんだな…」