概要
ロードレスランド西のユニ村に住む青年。
10代の頃は各地を放浪し、エレノアやリッチ等と共に冒険したこともある、いわゆる普通のヴィジランツだった。
ある日、地元の村付近のモンスター討伐に向かったとき、偽ギュスターヴと出会う。
そして、モンスター発生源のメガリスに到着したはいいが、そのメガリスの力に冒険仲間たちが飲み込まれ、その仲間たちの力を強制的に注ぎ込まれたことで、常人ならざる力を手にする。
そこに居合わせた偽ギュスターヴの誘いに乗り、人が変わったかのごとく偽ギュスターヴに付き従うようになり、偽ギュスの直属部隊「エーデルリッター」のリーダー・同時に偽ギュス第一の腹心となる。
以後、偽ギュスターヴのためにその並外れた力を振るうようになる。
エーデルリッターとして
周囲の間で特に有名になったと思われるのが、周辺貴族の誰もが偽ギュスターヴの完敗を予想していたハン・ノヴァの戦いにて参加していたことだろう。
寄せ集めで規模も小さかったはずの偽ギュス軍が、当時最も勢力の強かった貴族チャールズを撃破・死亡させたことは、世間を大いに震撼させた。
彼がメガリスで体験したのと同じように、エーデルリッターはみな「数人分の力を一身に集める強化人間」であり、なおかつ「故意にアニマ暴走形態へ相互変身できる」という能力により、人外の形態に自由変化することもできる。
この変身形態は「将魔」と呼ばれ、中でもリーダーの彼が変身する「炎の将魔」は非常に強力。
▼これが「炎の将魔」に変身した姿。発達した前脚を持つが後脚がない刺々しい外殻を持つドラゴンのような姿をしており、人間サルゴンとしての姿の面影はどこにもない。
しかし、偽ギュスターヴ=エッグに従うことになった彼は、その心の中では複雑な思いを抱えており、エッグが人の世にあってはならない物であることを理解し、なおかつその力から逃れられない状態にある自分もまた存在してはならない者であると自覚していたようで、ジニー率いるパーティと対峙した時は、エッグに飲み込まれ同化される前に、つまり炎の将魔であるうちに倒されることを望む。
インペリアル・サガ
エッグルートを機軸とした物語に登場。当初は原作同様にリッチやエレノアとパーティを組み、エッグを調査するという目的こそ原作と異なる動機だったが、ともに冒険仲間として良好な関係を築き、リッチをはじめとするナイツ家やエレノアらの才能に感心しつつも、彼らを支える力になっていた。
エッグのたくらみを防ぐため、エッグが回収しようとしているディステニィストーンを先回りして集めようという帝国の作戦にも、彼はこれらの仲間とともに快諾して前線へ向かっていた。しかし密かに彼が抱いていたナイツ家やエレノアらへの憧れ・・・という名の劣等感があったことをエッグに見抜かれており、悪魔のささやきへと嵌ってしまう。
この時にエッグは依り代としていたミスティが帝国との戦いでボロボロになっており、傀儡としての役割も限界に近づいていたことから、サルゴンは次の依り代として目をつけられたのである。1人でミスティが指定したメガリスへ向かえば、強大な力が手に入るという誘惑にかかり、エッグの傀儡となってしまう。
その後は素性がばれないよう「シャルキン」と名乗ってラベールの前に現れ「炎の将魔」の試練を破り、新たな炎の将魔となった後、姿を消す。しかし、それ以後幾度となく弔いの鐘の音と共に自身の最期を見せつけられる悪夢に苛まれ続ける。エッグの傀儡となってしまえば、その末路は破滅しか残されていないからである。
ある時、夢の中に現れたイスカンダールより「後悔の念があるならば、変える手がある」との言葉を受け、自身の破滅を変えるための唯一の方法を辿ることになる。
それは、メガリスの装置によって自らのエッグに蝕まれた炎のアニマ(原作で炎の将魔を吸収したエッグの姿をとっている)を分離し、それを打ち滅ぼすことによって、残った人としてのアニマを自らに戻すことで人に戻る、というもの。
しかし、その為にはファイアブランドと、その儀式を通過したグスタフの力が必要だった。ゆえにイスカンダールは、グスタフと当時ファイアブランドを持っていたギュスターヴ13世の運命を操作し、実行される塔へと誘導する。
サルゴンとは立場上敵であるグスタフは彼の話を罠だと断ずるが、「残った人たちに消せぬ悲しみを残したくない」という言葉と炎のアニマに立ち向かう姿にギュスターヴが共感。炎のアニマはファイアブランドを操るグスタフによって消し去られた。
やり遂げたサルゴンは、自ら炎の将魔を倒して仲間と共にエッグに立ち向かう、今まで存在し得なかった未来を見るのだった。
エクリプス
「サルゴン生存の可能性を作る」というエピソードにおいて、上記に加えてさらにリベルの助力も加えないと達成できなかったことが明かされている。この時のリベルは観測の為にすべての平行世界を旅していた。
つまり、平行世界へ渡れる存在を一度に2名用意したうえで、照準を定めた時間軸においてギュスターヴとグスタフを同時に引き合わせ、その上で両者をメガリス装置へ的確に誘導するという「3重の奇跡」が成立しなければなしえなかったことになる。
無事に生存が確定した彼は他の人物同様にディミルヘイムへと到着し、贖罪のためにエッグ討伐の力となる。