概要
グラマーなスタイルを持つ女性術士。
数ある系統の術の中でも火術に特化しており、また術士の中でも学者タイプに属するだけあって、歩く百科事典とも言うべき豊富な知識を持つ。
しかし、研究をしているから学者系に属するのであって、その性格はむしろ破天荒で、なおかつ人付き合いがとても上手い。自分のアニマを操って人当たりが良いように振舞っていた事と、もちろんそれ抜きでも交渉が得意な点・多少無茶な要求でも通してしまうリーダーシップがある点が、他の多くの術士が孤高であるのとは対照的に「付き合いの広い術士」としてのスタイルを確立する。
もっとも、好奇心の赴くままに仕事を引き受けたり研究する姿に関しては、知識を追い求める姿勢はまさに学者系と言える。その知識は、ギュスターヴ編の登場人物である貴族たちにまで知られており、ケルヴィンが彼女に助力を頼んだこともある(これはヴァンアーブルが変わり者の術士として注目していたことでケルヴィンに進言したからなのだが)。
ウィル・ナイツ編中盤の幕開けとなるキャラクターであり、リッチを差し置いてシナリオの主人公になる場面もあった。パトリックとレイモンが当時、タイクーン・ウィルのヴィジランツという事で、その業界ではたいへんな人気を誇っていたが、同行していたリッチがタイクーンの息子だという噂を聞きつけて興味を持ったのが始まりである。
人付き合いが上手なだけでなく、人を見る目にも優れている。リッチのことをタイクーン・ウィルの息子だということを本人から聞かずして噂話と冒険だけで確信してしまったり、たまたま目をつけた冒険者が後のエーデルリッターだったり、まあそんな風に他人を見る目も確かなのだが、自分自身のこともよく判っている。
自らの得意分野が火術であることを的確に自覚して火術を鍛えるなど、努力の方向性も正確で見事なものである。変わり者ではあるが周囲を納得させるというのは、術士仲間から見ても同様であり、孤高を気取りやすい術士たちからは煙たがられていても評価されざるを得ない。
また自発的にパーティを組む相手は全て男性である点は恋多き女性という一面も見せる(実際彼女と共に組んだ女性メンバーは、リッチが連れていたディアナとユリアだけ)。もっとも、その根底に流れるものは、才能豊かな若者と共に冒険して彼らが成長する様子を見るのが好きという、世話好きな一面。