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概要

物語の舞台「サンダイル」で時おり発掘される古代遺物「クヴェル」のひとつで、名前通り楕円形の卵のような形をしている。

(クヴェルが発掘される古代遺跡は「メガリス」と呼ばれる)

クヴェルは世界の万物が宿すエネルギー「アニマ」を無限に放つと言われており、手にした者はアニマを用いた「術」の力が大きく強化される。

しかしこのエッグには恐ろしい秘密が隠されており、手にした者の精神をエッグに宿る何者かの意思が支配してしまうのである。

そうして他の人間のアニマを喰らう(吸収する)怪物と化し、最後には自らのアニマも喰われてエッグの活動するためのエネルギーに成り果ててしまう。

物語のメイン主人公のひとり「ウィル・ナイツ」の一族によって発掘されてしまい、多くの人々の間を渡り歩きながら災厄を振りまいていくこととなる。

正体

その意思とは、世界に人類が生まれる400万年も前に栄え、今や滅びた先行種族「古代種(便宜上の名)」のもの。

彼らの姿形や文化は全くの不明だが、アニマの技術にかけては現代よりもはるかに高度で、世界各地に様々なメガリスやクヴェルを残した。

そんな彼らも種の寿命には逆らえず、やがて衰退してしまう。

しかし幾人かが、なんとしても滅亡を避けたいという一心で1つの強力なクヴェルを作り、それに自らの意思とアニマを残した。それがエッグである。

それをアニマを阻害する金属の棺に入れて力の流出を防ぎ、さらに自分たち先行種族が苦手としている砂漠地帯のメガリスに安置。いつかそこを乗り越えて自らを扱えるだけの知恵とアニマをもった生物が訪れるのを待ったのである。

だが、肉体を離れても現世に執着して留まり続けるそれはサンダイルで言う「迷いアニマ」であり、さらに悠久の刻を経て暗く澱んだそれは、死体に取り憑いて生者を襲うグールなどの怪物に等しい存在と成り果ててしまっている。

また精神を支配するといっても、取り憑いた者の思考や行動をエッグを中心としたものに変えるだけで人格そのものは残っており、時には不可解な行動に出ることも。

犠牲者たち

ヘンリー・ナイツ

ウィルの父親で、メガリスやクヴェルを発掘することを生業とする「ディガー」。

人間としては常人よりもはるかに優れたアニマを持ち、エッグの封じられている砂漠のメガリスを発見した。

異様な雰囲気を感じ取り調査を中止するも、同行するゼルゲン3兄弟が先走って発掘してしまったため、エッグの特性のひとつである「負の感情を増大させる」作用によって狂乱する彼らから取り上げて悪用されぬよう保管。

しかし3年後には彼も完全に精神を支配されて発狂してしまい、妻キャサリンによって致命傷にならない程度に刃物で刺されて手放す。

その直後、キャサリンがエッグを持って行ってもらうために呼び出したアレクセイに妻共々殺害されてしまう。


ゼルゲン3兄弟

長兄アレクセイ、次兄ピーター、末弟ニコラの3人。

ヘンリーと同じくディガーだが並程度のアニマしか持っておらず、ニコラに至ってはアニマがほとんど無い「術不能者」のため兄弟たちからも虐げられていた。

一攫千金を狙ってヘンリーの制止を振り切りエッグを発掘するも、戻ってきたのはアレクセイとエッグを手にしたニコラの二人でピーターはいなかった。

(アルティマニアのショートストーリーでは、最初にエッグを手にして凶暴化したニコラが殺害)

その後ニコラは狂乱して町中で暴れ回った末、元々少ないアニマを喰らい尽されて消滅。エッグはヘンリーに取り上げられてしまう。

残ったアレクセイは3年後にヘンリーの妻キャサリンに呼び出され、ヘンリーが手放したエッグを手にしたことで彼もまた凶暴化し、ヘンリーとキャサリンを殺害するという暴挙に及ぶ。

その後もディガーとして活動するが、正気を失った彼はやがてクヴェルを発掘するのではなく、他のディガーからの略奪を繰り返すようになっていく。

そして十数年後、両親の死の真相を探りにきたウィルと激しい戦いを繰り広げ、最後は迎え撃つために訪れた洞窟の奥で敗れ、奈落へ落ちていった。

ストーリーの進め方次第では、ウィルの妻となるはずだった者の命を奪ってしまうことも……


アニマ教徒

「虎の心臓を生で食す」などの猟奇的な風習がある、「アニマ教」の教徒の誰か。

アニマ至上主義に意を唱える「ギュスターヴ13世」の教徒狩りの最中にウィルが潜入するも、所有者は発見できないまま教徒は殲滅されてしまった。

しかし、章のボスと戦う直前の石棺が並んでいる部屋で、よく見ると一つだけ閉じた蓋が微妙に動いている石棺があり、この中に隠れていた人物がエッグの所有者であった可能性が高い。残念ながら石棺を調べてもイベントは起きないため、無視して先へ進むしかない。

攻略本「パーフェクトワークス」の設定では新興宗教の教徒として潜入したことになっており、ギュスターヴの弟フィリップの息子を暗殺して戦争を誘発させ、死にゆく大量の兵士のアニマ吸収を狙っていた。しかし犯人がアニマ教徒であることを見抜かれて失敗に終わる。


海賊船の船員

略奪行為を繰り返す海賊の船員……でありながら船酔いしやすく、仲間から馬鹿にされていたヘタレだったが、それゆえにエッグの力に取り付かれてしまう。

海賊船に単独潜入されたウィルにエッグを弾き飛ばされて海中に落とされ、自身もエッグを追って海に飛び込んで死亡。


ミスティ

メイン画像の女性。幼少の頃にエッグを拾い、以後精神を同化させたまま成長。その結果、同性をも魅了する怪しい魅力を秘めた女性となる。

子供ゆえの好奇心旺盛な心のまま、エッグに秘められた古代種の知識を生かしてクヴェルを自作し、村人からアニマを吸い取って化石に移植させるなどの危険な実験を行った。その最中、幼少の頃に出会ったリッチと再開し、死闘を繰り広げる。

再会した時の「お呼びじゃないのよカス野郎」はかなりのインパクト。

最後は北開拓村奥地の「虫のメガリス」でリッチに斬られるも、同時に彼をエッグに触れさせて新たな依り代とさせた

本来エッグを手にした者は死ぬまで手放さないため、このミスティの取った行為はかなりの例外。

より優れたアニマの持ち主を宿主とするためとも考えられるのだが、その際、「これでエッグはあなたのもの。そしてあなたのアニマは私の……」と口にしている。

もしかすると、ミスティ自身がリッチに惹かれていたのかもしれない……


リッチ・ナイツ

ウィルの息子の青年。

父が最高のディガー「タイクーン」として名をはせたが故に、偉人の息子という色眼鏡で見られるのを嫌って独立した。

エッグにも関わる意思はなかったが、幼少時のミスティと遭遇し「いつか父を殺してやる」と宣言され、その数年後に恋人ディアナの妊娠が分かった直後という最悪のタイミングで再会。ディアナを父の元へ逃がした後、否応なく対決することに。

最後は上記の通りエッグに触れてしまうも、その誇り高きアニマは「卵なんぞの指図は受けん! 俺はリッチ・ナイツだ!」と叫び、命を投げうって悪魔のクヴェルの支配をはね除けたのである。


偽ギュスターヴ

アニマを持たない術不能者が差別される世界を変えた、偉大なるギュスターヴ13世の息子――を名乗って戦を繰り返す偽物のひとり。

本名は「デーニッツ」と呼び、実際の血縁関係は不明だが外見(ドット絵)は似ている。

南大陸の国軍の少尉として近隣のメガリスを探索していた最中にエッグを手にした。

エッグにとって扱いやすい性格の人物だったらしく、さらにナイツ家の者ほどではないが高いアニマの素養を持ち、そこへ古代種のアニマと知識が加わった結果、自身の髪色を変えるほどの高度な術を使うまでに至った。

アニマを得るために様々な人間に取り憑いて現代の知識を得た結果、組織を運営することを学んだエッグは直属の部下として、大量のアニマを分け与えた6人の強化人間部隊「エーデルリッター」を編成。さらに13世と同じように鋼鉄の武具に身を包んだ兵団を率いて自由都市ハン・ノヴァを制圧。討伐隊を率いてやって来たヤーデ伯チャールズの軍を破り、世界の覇権を握ろうとした。

だが、チャールズの後を継いだ息子デーヴィドによって一丸となった諸侯の連合軍に「サウスマウンドトップの戦い」で敗北。この一戦で軍はあっさりと瓦解し、彼とエーデルリッターは戦場から姿を消す。

戦争を傍から見ていたウィルと孫娘のジニー。そしてグスタフをはじめとする仲間たちは彼らを追って、秘境の奥深くにある「星のメガリス」に向かう。

そして……

最後の戦い

様々な目論見が失敗に終わったエッグは依り代の人間を捨て、自らの肉体を作り出して直接人類に戦いを挑むべく、星のメガリスでアニマを集め始める。

付き従っていたサルゴンたちエーデルリッターも、エッグにアニマを供給しつつナイツたちを迎え撃つため、それぞれのアニマの属性を最大限に引き出す「将魔形態」に変貌し、道中で襲いかかってくる。

それらを倒し、あるいは避けて進み、たどり着いた最深部の宇宙を思わせる空間の中でサガ・フロンティア2最後の戦いが幕を開ける。


▼バトル形態の姿。

完熟エッグ

その姿は生物とも鉱物とも付かぬ巨体の怪物で、これを通常形態としてアニマの属性数(火、水、音、石、木、獣)と同じ6つの別形態を持ち(しかも通常形態はさらに3パターンあり)、それぞれが属性の特徴に応じた強力な攻撃を用いる。

その強さはネット上で議論される「全RPG中最強のラスボス」の候補にも挙げられるほどで、育成不足のまま戦闘直前でセーブしてしまい、詰んでしまって泣く泣くやり直した人も少なくないのではなかろうか。


最も厄介なのは全形態通じて使用する、キャラのLPを確実に1減らす「スタークエイク」で、LPの低いジニーなどはこれの対策をしておかないとすぐに力尽きてしまう。

(LP:ライフポイント。全キャラにHPとは別に15P前後割り振られており、これが尽きると完全に戦線離脱)

他にも、パーティー全員に軽く500前後のダメージを与える「世界の合言葉は森」、攻撃対象をパーティーのひとりに強制変更させる「サイケデリックウィスパー」、全員を最大80%の確率で石化させる「エインシェントカース」などの危険な技が盛り沢山。

HPは各形態ごとに1万~3万ほどあり、その合計は優に18万以上。しかも各形態は倒せなくても5ターンごとに別形態へ移行し、その間に与えたダメージは回復してしまうため、生半可な攻撃ではいつまで経っても倒せずジリ貧となってしまうだろう。


これらの難関を超えて全形態のHPを0にすることで、ようやく撃破……


星と卵。

とはならず、アニマで作られた外殻を脱ぎ捨て、名前通り巨大な卵のようなエッグ本体との戦いになる。

この形態になるとスタークエイクや各種状態異常をもたらす攻撃は使わないが、代わりに毎ターン卵の黄身……ではなく巨大な隕石を降らせる「ゼノサイド」を使う。

この攻撃はパーティー全員に最大HPの半分以上のダメージを与えるため、LP消費回復を使わない限りとてもではないが耐えられない。

勝利には最終形態までにどれだけLP消費を抑えられるかがカギとなるだろう。

そうして最後に約36000のHPを削ると、エッグは活動を止めて大量のアニマを吐き出し……同時に星のメガリスが崩れ出す。

悪夢の終わり

崩れゆくメガリスから脱出したナイツたち一行の前にあったのは、メガリスで集めたアニマによって人間と同サイズにまで巨大化したエッグだった。

もはや触れるどころか近づいただけでアニマを奪われかねず、ウィルさえどうすれば良いのか分からぬまま途方にくれる一行。

そんな中グスタフがエッグに近づいてゆき、ギュスターヴ13世から受け継がれた鋼鉄の剣――「ギュスターヴの剣」を振り下ろした。

しかし、刃をエッグに叩きつけた瞬間、その剣さえも真っ二つに折れてしまう。

人類世界最強の剣をもってしてもクヴェルは破壊できないのか? 誰もが諦めかけた次の瞬間——エッグの表面に亀裂が走り、直後、音もなく砕け散った。

エッグに宿っていた超古代の亡霊も消滅し、同時に取り込まれた人々のアニマは解放され、空へ、大地へと帰っていく。

こうして、人の世を影から支配しようとした呪いのクヴェルは消滅したのだった。

インペリアルサガにて

エッグルート

2015/12/24夕方より、ストーリー展開の1つとして「エッグルート」なるものが登場する。本作の基本ストーリーは、邪神ヴァダガラと戦う為に、皇帝が代々自分の魂を次の皇帝へ引き継がせ、やがて光と闇のどちらの道を歩むかでその決着の付き方が変化するというものだが、これは光でも闇でもないルートである。


1章ラスト、半神アデルデスとの決戦に挑む直前。デスは、仲間の命を差し出せばお前だけは助けてやるとアデルを挑発する。これにアデルは、逆に自分の命をくれてやる、ただしお前を道連れにすると宣言したことで、「人1人の命と神1柱の命を対価に扱うなど言語道断」と、デスの逆鱗に触れる。結果、言葉通りにアデルはデスと相討ちになったが、それでも収まらぬデスの怒りの残滓はザム砂漠の大部分を吹き上がらせた。


吹き上げられた砂の下に埋もれていた建物に、エッグは眠っていたのだった。


これを知った神王教団のティベリウスは、神王からのメッセージに従い、エッグを教徒達に発掘させる(この時の選択でエッグルートの可否が決まる)。エッグ本体はすぐに弱い教徒を使い捨て、辺境の村に転がり込み、ミスティ・レブソンの手に収まる。エッグの意識はこの世界が多数の次元からの集合体であることを理解しており、本来未知のはずの存在「神」なども全て支配しようと目論み、行動を開始。


その行動内容は、主に各地でデステニィストーンを集めることだった。本来、ロマンシングサガの世界にてサルーインを封印するために使われた、運命を変える力を持った石。サルーイン自身が取り戻せば、封印されていた力が戻ってくるため、サルーインとしては喉から手が出るほど欲しいものだった。そしてエッグは、そこに付け込んだ。


10個のうち5個も集めればサルーインの気を引くことができると考えたようだが、4つ目の石を入手した際、当時病み上がりだったナルセスと対峙した時に油断し、彼の術をまともに受け、ミスティの体は深手を負ってしまう。そして、5つ目の石エメラルドを手に入れたとき、エッグを破壊する存在「フィニス」からの一撃を受け、ミスティは肉体を滅ぼすことになる。しかしエッグ本体は運命石を持ちながら逃亡に成功し、計画を大詰めの段階へうつす。


まず、アルタメノス帝国へ急襲し、皇帝に不意打ちして、伝承していたアデルの魂を奪い去る。さらに、ミニオン・ヘイトにエッグを掴ませた。


こうして、エッグを掴まされたヘイトは、サルーインの忠実なしもべとしてのミニオンのフリをしながら、巧みにサルーインに接近。デステニィストーン5個を献上し、サルーインが最も気を抜いた瞬間に、唐突にエッグとしての本性を見せ、サルーインを吸収しにかかる。この時、神であるサルーインを吸収したエッグの力は凄まじいもので、五感を直接攻撃するものだった。つまり、エッグを見たり、エッグの発する音を聴くだけで、その外見や音が本来無害なものでも、苦痛に苛まれる。それを打開したのは、帝国側にギュスターヴ13世が同行していたこと。彼はアニマを一切持たない特殊な体質だったので、アニマを操るエッグの五感攻撃も通用せず、五感遮断の方法を周囲に伝え、エッグを撃破。再びフィニスが訪れ、完全に破壊した・・・かに見えたが、核の部分は逃亡。


そして、エッグの作戦は本当の最終段階をむかえる。ティベリウスが神王からのメッセージを受け取って発掘したことで始まったこの戦い、実はメッセージを送ったのは神王に偽装した魔王(ロマサガ3)であった。つまりエッグを欲していたのは魔王であり、彼は破壊を楽しむ為にエッグを利用しようと最初から考えていた。「つねに一歩先の時間に存在し続ける」というチート能力を持つ魔王は、自身の精神力の強靭さもあり、エッグを手にしても意識を乗っ取られることはない。


やがて、この世界の支配者となっていたヴァダガラに、取引をもちかける。ヴァダガラは、ネメアーの魂を打ち砕いて、自分達の魔力暴走で作られたこの「ごった煮世界・ディスノミア」から脱出したかった。その方法は、ネメアーの魂を引き継ぐアデルの魂を砕くことなのだが、その魂はエッグが所持していた為、それを引き渡せばお礼にエッグは無事にもとの世界へ帰してやろうと話す。


ヴァダガラも、油断していた。今やエッグは、誰かを人形にして目的を果たす存在ではなく、逆に魔王の道具同然にされていたことを知らなかった。魔王の狙いはエッグを使った神の吸収。サルーイン吸収は完全にはいかなかったが、吸収方法はエッグの学習能力で学んでおり、今度こそ確実に神を吸い上げようと、三相一体の力を持ったヴァダガラを飲み込み、それらの力を全て吸収。自身が飽きるまで、世界と言う世界、次元と言う次元から、万物を集めて、「死」を楽しむ為に壊そうと考える。


そこへやってきたのが、今やアルタメノス帝国の皇帝となった、フィニスだった。魔王、エッグ、ヴァダガラの力・・・全てがひとところにあるこの状態は、敵の根源をまとめて一掃するにはむしろ都合が良かった。結果、フィニスの頭部についたクヴェル「アリコーン」によってエッグは核から破壊され、魔王もまた同じ宿命の子であるサラ・カーソンと少年による攻撃だけは受け流せず、この世界での実体を打ち倒された。

月光ルート

2017年7月より登場した新ルート。謎めいた月の光によって半神アデルが消去され、絶体絶命のピンチに陥った帝国の物語にも登場する。


本作では基本的に神々の関わる重大な事件や関連する流れについては、ロマサガ1のフラーマが事前に星詠みで事態を大まかに予測して対処してきた部分がある。しかし、星詠みになんの兆候もないまま、それどころか本拠地のヴァルク宮殿にて一行が最初の作戦を立てようかという時に、いきなりサルーインが襲ってくるという異常事態に見舞われる。


消えたアデルに代わって即位した皇帝ミルリクは、急な即位によって周囲の信用が得られていないため、まずは何らかの働きを見せて周囲の信頼を勝ち取る必要があった。サルーインはまさにそのタイミングで現れ、ミルリクはここで先頭に立って戦うことで信頼を得るきっかけとして利用されることになる。


しかし、サルーインを倒したはずなのにミニオンがまだ活動している。何らかの理由がない限り、ミニオンが独断で動き続けることはありえない。調査に向かったところ、フレイムタイラントを操りブレイズスレイブとし、襲撃を目論んでいた模様。


だが、ミニオンが独自で動く動機にしては稚拙すぎる。ブレイズスレイブを撃退したのちに残された武器「コスモエッグ」、これを拾おうとしたシフがミルリクに制止される。


それはコスモエッグなどではなく、エッグだったのである。


さて、ミルリクの目的は、無数のパラレルワールドになっているディスノミア「同士」が衝突して消滅してしまうのを避けること。そのために、衝突を目論むザルガ双神を打ち倒すこと。しかしこの双神は、ディスノミアにはいない。アデルもその血を引いていたという、かつて戦いに敗れた始祖神ネメアー。その「欠片」を集めれば、ネメアーは復活し、彼の力でディスノミアを脱出することができる。


エッグはこの欠片の一つを盗んで逃亡していたため、ミルリク達に追われる身となった。しかし、欠片から力を得ていたため大幅に強化されていた。もはや傀儡など必要とせず、単独の活動だけで、逃亡先にある人間の統治区域一つを廃墟にしかねない勢いへと成長を遂げていた。アニマを持たないゆえエッグに対抗しうるギュスターヴ13世と、エッグを仇敵としアニマ感知能力が人並みはずれたウィリアム・ナイツがタッグを組んで正規軍を率いる、原作以上の万全の体制を整えて迎え撃つも、数日で壊滅寸前へと追い込まれていた。それはまさに、原作のラストバトル後の巨大化したものに等しいと言えよう。


だが、ミルリクを前にしては話が違った。激しい戦いを挑み、優勢に立つと、そのままエッグを拳で粉砕。エッグの危険性は上記の通りであり、普通は触れればアニマを乗っ取られる。それをなんのリスクもなく素手で叩き壊したことは、この事件単体の解決には役に立ったが、同時にミルリクの特異性をプレイヤーへ示し始めるきっかけとなった。


ちなみに

  • フレイムタイラントがミニオンに乗っ取られ、ブレイズスレイブに変貌
  • ブレイズスレイブを倒すと、最高性能の片手斧『コスモエッグ』を入手できる

この展開はPS2版のミンストレルソングに基づく。もちろん『コスモエッグ』の元ネタはサガフロ2のエッグである。

真アデルルート

アデルと敵対する神であるヴァダガラの兄神ネブルザグに目をつけられる。彼ら「三凶神」は、ロマサガ1の「三柱神」とは異なり、互いの仲が決定的に悪いらしく、合体して1体の神に強化することはできるのだが、それは相手の意思を無視する強制吸収である。今回はその主導権をヴァダガラに取られてしまったため、ネブルザグは対抗策を考え、その手段としてエッグが発掘された。


このままでは自我ごとヴァダガラへ力を吸収されるうえ、自分の反逆計画をヴァダガラに気づかれればおしまいであった為、まずは力の大半を一旦切り離したうえで、自我を大して力の無い人間体へと移す。そのうえで、無数の弱小アンデッドを作り上げ、これらをわざと人里に放ち、退治されるたびに力を少しずつ再吸収する構造を作り上げた。ただ、計画の理論は万全だったが、実現する力はなかったので、それを叶える手段として、エッグの魔力に着眼した。


しかし、エッグを手にしたはずのネブルザグはまるで支配を受けていなかった。


これまでエッグは、原作サガフロ2でも従来のルートでも、エッグの意識である先行種族よりスペックの低い知的生物によって発掘されたため、そのほぼ全てが傀儡とされてきた。しかし、神がその知恵を活用して直接発掘すれば、話は全く違うものになりうる。


特にこのネブルザグの能力は空間支配であり、エッグを別空間に閉じ込めて持ち運ぶという着想によって、支配されるリスクを完全に回避。直接触っていないので支配されるはずもなく、それでいて手元に持ち運んでいるため、力だけを利用することができる。


そして、十分な力を取り戻したことを確信したネブルザグによって、あっさりと用済みにされ、いとも簡単に切り裂かれてしまった。エッグの座標を空間的に分断する手段の前には、あらゆる物質は硬度という概念が全く意味を成さず、クヴェルだろうとお構いなしに破壊されたのであった。


世界を再支配するつもりで潜伏していたエッグが、ここまで一切の抵抗もできず一方的に使い捨てられたのは前例がない。


続編『エクリプス

舞台となる新たな世界ディミルヘイムにおいても、(ストーリー5章現在の段階では原因は不明だが)エッグは不完全ながら復活を遂げていた。そして、魔物を使ってグスタフの持つファイアブランドを盗み出し、最後のメガリスへ運ばせ、この剣の力で(原作と違ってサルゴンを依り代としない)炎の将魔を作り出す。


復活を完全なものにするため炎の将魔を吸収して力を蓄えるつもりだったが、ファイアブランドを盗まれたグスタフやかつて傀儡となっていたサルゴンたちがエッグ復活阻止に動き出したため、炎の将魔を吸収することはできなかった。


問題は、ファイアブランドを魔物に盗ませるという回りくどい作戦をとったこと。詳しくはファイアブランドの項に譲るが、この方法では運んだ魔物がことごとく犠牲になるため、運搬の効率は非常に悪い。それ以前に、炎の将魔を生み出すために傀儡を使わずこのような方法を取ること自体が奇異であった。


エッグは、「人間にエッグを発掘させて所持者を依り代にする」という従来の活動原理そのものを「失敗した作戦」と看做し、根本的に別の方法を模索していたのである。


そして、作り出した将魔に自らの複製体を潜伏させることで「エッグの意識を持った将魔」となり、まずは騒ぎを起こしておき、討伐しにやって来た人々を見定め、隙あらば憑依することでその対象人物を強制的にエーデルリッターへ変容させる作戦を取り始めていた。また、複製体を用いる理由はフィニス対策でもある。

これまでの(原作&旧作の)エーデルリッターが少なくとも本人の意思を必要とするものであることを考えると、かなり悪質なやり方に舵を切った事がわかる。


のちに、ウィルに追われていることを知ると、最後のメガリスを新たにもう1棟建造し、先に訪れていたウィルたちの仲間に対して、手元に残っている将魔を憑依させて操り人形とした(簡易的な処置だったためアニマを喰われてはいない)。仲間を見捨てる事ができないウィルの弱点を熟知した作戦であり、しかも作戦の本命は仲間に手を出せないウィルを直接標的にしてエッグの傀儡にしてしまうことだった。


しかしエッグの想像以上に、この時に乗り込んできた布陣は厚く、ウィルを狙うことに気をとられていた隙を突いてリッチから不意打ちを受け、ナルセスの術で憑依を剝がされる。これらはいずれも旧作でエッグと因縁のあったメンバーで、人質を解放されたことで対等な戦いになってからは経験豊富なウィル一行相手にしたエッグにもはや勝てる出目はなかった。


追い詰められたエッグは空間跳躍能力で逃亡を図るも、この「ピンチになってから逃亡」という思考様式をフィニスにあらかじめマークされていた(この思考様式が「改善すべき弱点」だと理解できていなかった)ことが命取りになり、ディミルヘイムにおいてもついに破壊された。

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