概要
リチャード・ナイツ(リッチ)が冒険中に出会った、不思議な雰囲気を持った少女。
初対面のはずなのにリッチのことをよく知っており、あきらかに常人とは異なる様子。
それもそのはず、幼年にして既にエッグを拾っていた。
好奇心旺盛な年頃の心に付け込まれてこれを拾った形だが、エッグの蓄えた知識によってリッチのアニマ(≒ここでは気配)を感じ取り、そのアニマの質から「長年自分(エッグ)を破壊しようとしたウィルの家系」だと理解していた。
その時は「ウィリアム・ナイツは知りすぎた。いつか殺してやる」とリッチに宣言するだけで、リッチも「エッグの性質こそ理解していたが、人間社会に及ぼす具体的な悪影響までは知らなかった」事・所持者が幼女という事を理由に、「ミスティを殺せ」という父ウィルの提案には納得できず、両者とも行動は起こしていない。
だが、大人になると妖艶な美女へと成長し、エッグの魔力を使って性別問わず魅了する手段をとるようになり···
そして事件は起きた。
村中の人間がアニマ(≒ここでは魂)をそれぞれ少しずつ吸われ、軽い意識障害が発生する。
術1つ発動させるだけで村を機能不全に陥らせる力を見たリッチは、流石にエッグのヤバさに気が付きミスティを追う。しかし、女たらしの面があるリッチは、村に堂々といたミスティを殺せず、「お呼びじゃないのよカス野郎」と門前払いされる。
彼女は、エッグとしての具体的な活動として「実験の為に洞窟で化石を蘇らせよう」とした。村人からアニマを奪った理由はここにあり、「アニマを別の生物のボディに移し変えることはできないか?」という発想からだった(この実験は後にエーデルリッターの精製技術に使われることになる)。
そして、実験を邪魔したリッチの実力を認め、次の作戦に打って出た。
廃墟のメガリスにリッチを突然呼び、リッチから見ても罠とわかるものだったが、エッグの危険性を理解したゆえにリッチは引き下がらなかった。
しかしそれこそが彼女の狙いであり、目的はリッチにエッグを継承させるという逆転の発想。敵であるリッチと戦わず、敵を味方にしようと考えた。これなら確かに、ウィルを油断させて暗殺することもできると思ったのだろう。
甘かった。
リッチは人一倍自由を求める性格であり、「ディガーとしての最高の称号タイクーンを得たウィルの息子」という武器である「親の七光り」を拒否し、自分1人で大成しようとした男。エッグを手渡したまでは計画通りだったが、リッチは精神が乗っ取られる前に自らの身を投げ命を絶ち、この計画は水の泡になる。
作戦は巧みなものだったが、ではこれらが純粋にエッグの意識だけで成り立った計画かというと、そうではない。なぜなら、好奇心の強さやリッチへの感情は、エッグとは無関係であり、ミスティ本来のもの。それがエッグの精神支配と結びついて、行動の矛先がアニマ収集へと舵取りされた結果、奇妙な事件ばかり付いて回ることになったのである。