概要
本名デーニッツ。
南大陸の将校で、虫のメガリスを探索していたときにエッグに触れてしまったことが原因で、エッグの傀儡となる。これまで何度もエッグは、自身の目的(先行種族の復活)のために暗躍しており、ことごとく失敗に終わるもその度に人間の習性を学習してきた。そして、理想的な傀儡を手に入れるべく、メガリスで待ち構えていた形で拾われたとも言える。
傀儡として
エッグはこれまでの経験で、「人間の強さとは優秀な個人の強さだけではない」ことを知ったことで、軍団を組織しようと画策。おりしも世は、ギュスターヴ13世の死後、強力なリーダー無き時代が続いており、各地でギュスターヴの後継者を名乗る者が現れて戦乱に明け暮れていた。
その一場面を偶然見たことで、「ギュスターヴの名を借りた軍を組織する」という発想にいたる。酒場で聞いた何気ない情報を元に、元々銀髪だった自身の姿を、術によってギュスターヴの血を引く者としておかしくないであろう金髪に変え、活動の方針を固める。髪の色を変えることが出来たのは、デーニッツ本人が元々優れた力を持っていたためである(他の者もエッグを持つとその能力は強化されるが、程度は本来の力に依存する)。
酒場の情報どおり有能な部下を集めるため、才覚のありそうな者に目をつけては、同行者のアニマを取り込ませて強化することにより、「エーデルリッター」という精鋭部隊を作り上げる。そして、こうした磐石の体制をバックに不満分子たちを纏め上げ、かつてギュスターヴ13世の都だった「ハン・ノヴァ」すら手に入れる。
一方、ギュスターヴとゆかりのあるヤーデ伯家のチャールズも、ギュスターヴの後継者となるべく覇権を握ろうとしており、この偽ギュスターヴの台頭を知ると「偽者討伐」を名目に地盤を固めようとする。こうして起こった「ハン・ノヴァの戦い」だったが、結果は強化人間エーデルリッターを従えた偽ギュスターヴによる圧倒的な蹂躙の末、チャールズを敗死させるに至る。これによりさらに勢力を大きくしたが、チャールズの息子デーヴィドの手腕によって、周囲の各貴族たちによる連合軍が組まれ、「サウスマウンドトップの戦い」にて挟み撃ちにする形で撃破される。
その後は、なりふり構わずエッグへアニマを集める為に「最後のメガリス」を目指して北大陸へと向かったが、ジニーたちが訪れた時には既にどこにも姿はなかったため、エッグに吸収されていたと思われる。
ファミ通文庫の小説版では最期に正気に返り、エッグを道連れにしようとしたが殺されて吸収されている。