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フルータ星人

ふるたてっこうしょのみなさん

『ウルトラマンガイア』第35話「怪獣の身代金」に登場する宇宙人(?)
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概要編集

ウルトラマンガイアでは、宇宙からの外敵は根源的破滅招来体がメインである為か、ウルトラシリーズでは珍しく、『◯◯星人』などの宇宙人の敵役が基本登場しないのが特徴であるが、このフルータ星人達は、そんなガイアでは唯一の『星人』の名を冠した宇宙人である。

言語は一見日本語のひらがなや漢字によく似ているが、まるで解読不能な悪筆に似た難解な文字であり、解読できるのは容易ではない。

また、テレビ局KCBが防衛組織G.U.A.R.D.XIGの上層部)をよく取材している事を知ってか、G.U.A.R.D.やXIGではなく、敢えてKCBに脅迫状を寄越すという変化球な犯行声明を用いている。


データ編集

身長:等身大

体重:等身大


人間体と星人体で容姿、能力などに変化はない


性質編集

ウルトラシリーズに登場する宇宙人の中でもかなり俗的な風習や目論見を企てる宇宙人達で、その狙いは地球の防衛組織からゆすりとった金銭で『会社を大きくすること』、『自宅を改築すること』、『無人島にレジャーランドを建設すること』、『家電を購入すること』といった具合で、破壊活動や侵略が目的というわけではない模様。








※以下、ネタバレ注意……する必要もないか?www








本当の概要編集

上述の概要の項目やデータを見ても分かる通り、フルータ星なんて星も、フルータ星人なんて宇宙人も実在せず、その正体は東京の下町の寂れた町工場「古田鉄工所」の無教養かつアナログで脳天気な社長と、いかにも頭の悪そうな不真面目な社員二人、そして彼らの近所で小さな医院を営む町医者の藪野という現実にいたら絶対に診察してほしくない名前の医者の4人から構成された地球人のバカ四人衆である


本当のデータ編集

古田鉄工所社長(演:河原さぶ

今回の企ての首謀者。バカ1号。「古田鉄工所」を営む白髪頭の高齢男性。

ダチョウが空を飛べない事を知らなかったり、かなり問題点の多い脅迫状(後述)を書き上げるなど、無知無教養丸出しのどうしようもないおっさん。

そんな人柄のせいか仕事の発注はあまり来ないようで、社長なのに真っ昼間から昼寝するなど、勤務態度もかなり怠慢。

今回の企てが成功した際の夢は「古田鉄工所を日本一の大鉄工所にする事」。金積んだ程度でできるなら誰も苦労しねーよ。


薮野又吉医師(演:綾田俊樹

バカ2号。鉄工所と顔なじみの病院「ヤブノ医院」を営む、名前からして胡散臭い雰囲気の町医者。

その仕事柄、四人の中では一応唯一の頭脳派だが、無謀極まる企てに躊躇無く加担する時点で頭がいいとはお世辞にも言えない。

なぜか我夢達が揃って不快感を示した卵の音波を聴診器を使って平然と聞く事ができる

今回の企てが成功した際の夢は「病院をリフォームする事」。その前に病院の名前をなんとかしろよ


(演:内藤正樹

バカ3号。古田鉄工所の工員その1。

(仕事がないので仕方ないが)勤務時間中にバスケでヒマを潰すなど、社長同様にズボラで、後述する夢の内容からやはり賢いとは言い難いチャラチャラした性格だが、社長の無知ぶりにツッコミを入れるなど、社長よりはまだ常識はあるっぽい。

今回の企てが成功した際の夢は「しょぼい鉄工所(言うまでもなく勤め先の事である)とおさらばして南海の無人島にこの世のパラダイスを作る事」。当然社長からは「しょぼいとはなんだ!」と怒られた。


幸男(演:山野拓也

バカ4号。古田鉄工所の工員その2。武の後輩。

どうしようもないアホ揃いの四人組の中で一番常識的な感覚をしており、勤務時間中にヒマを持て余している有様を不安がったり、社長達が今回の企てを発案した際には、その無謀な挑戦を「暴挙」呼ばわりして諌めようとしていた。

今回の企てが成功した際の夢は「電子レンジを手に入れる事」。社長達はそのスケールの小ささに若干呆れていたが、古田鉄工所の給与が電子レンジさえも手に入らないような薄給である事を暗示させているとも捉えられなくもない。


何故彼らがこんな事をしでかしたのか編集

事の発端は、南極で発見された古代怪獣アルゴナの卵が、輸送機で日本に搬送される途中、卵から分泌された溶解液によって機体に穴が空き、東京上空に差し掛かったところで落下してしまう。

乗組員達は脱出して無事だったものの、卵は行方不明となってしまい、早速G.U.A.R.D.の地上部隊が捜索を開始する。


…が、その卵が墜ちた先が、古田鉄工所の庭のバスケットゴールだった。

それを見つけた鉄工所の社長と社員2人は、すぐにヤブノ医院に運び込む。

院長の薮野は卵の大きさから最初はダチョウの卵と断定するものの、たまたま点けたTVのニュースで、一同はそれが怪獣の卵だと知る。


すると彼らはこれをいい事に一攫千金を画策する。自分らをフルータ星人と名乗ってG.U.A.R.D.から身代金をせしめようと企てたのだ。

肝心のG.U.A.R.D.本部がどこにあるか誰も知らず、仕方なく怪獣問題をニュースでよく取り上げているKCBのリポーターである吉井玲子に脅迫状を送る事にした。


ちなみに脅迫状は社長が手書きで書き上げたのだが、その文面がコレである。



地球人へ告ぐ

怪獣の玉子はわれわれフルータ星人が(貯❌)預かった。

われわれには、みのしろきんと引きかえに王子を返す用意がある。

すみやかにGURDにしらせない


※原文そのまんまです



見てわかる通り

  1. 「卵」の漢字が「玉子」になっている上に、2回目に至っては「王子」になってしまっている
  2. 「預かった」という漢字を間違えて、朱液で❌印を書いて修正する
  3. 「我々」「身代金」という簡単な漢字すらわからなかったのか、ひらがなで書く
  4. G.U.A.R.D.の綴りを間違える
  5. 「知らせなさい」の「さ」を脱字してしまっている

そして何よりも…


字が壊滅的にヘタクソ

あまりの悪筆ぶりにKCBのカメラマンのリンブンは「人間が書く字じゃない」と呆れ返っていた。


…ってな具合で、最早教養うんぬんの次元ではなく常識感覚を疑うレベルのお粗末極まりない脅迫状が完成し、それをKCBの田端班にマジで送りつけた(しかも同封されていた証拠写真に写っていた卵は座布団の上に雑に乗せられていた)。


しかし、まともに読めない程に汚い字とひどい誤字脱字、そして身代金として金の延べ棒を要求した事などが幸い(?)して、XIGから今回の事件の調査に派遣された高山我夢や、何故かそのパートナーに抜擢されたチームハーキュリーズの志摩、そしてアルゴナの生態に詳しい極地生物学者の京極博士と、KCBの田端班は、深読みに深読みを重ねて勝手な解釈を推し進めた末に、(主にハーキュリーズの志摩隊員が)本物の宇宙人だとあっさり信じてしまう事となる(ただし、KCBにかかってきたフルータ星人からの身代金要求の電話を聞いた玲子は「これ人間の声っぽくない?」と訝しんでいた。実際ただの人間なんだよなあ…)。


ちなみにフルータ星人が身代金として金の延べ棒を要求した理由は、「金貨を鋳造して売る」(金の含有率を落とせばかなりの量を作ることができる)という、比較的真っ当で俗的な理由からであったが、志摩隊員や京極博士はこれを「金は伝導率が高く、精密機器の作成に理想的だから、宇宙船の部品に使おうとしている」と解釈してしまった。


しょーもない悪巧みの末路編集

こうして奇跡同然のボタンの掛け違いや、相手の勝手な深読みのおかげで、なんやかんやありながらも企みは順調に進むかと思われたが、その矢先に卵が急に巨大化し始め、流石に危機感を覚えて逃げ出そうとする。

だがそこでヤブ医s…藪野医師が、近所のタバコ屋のお婆ちゃんが足を挫いている事を思い出し、今ここで卵が孵化してしまったらお婆ちゃんが逃げられないと判断し、やむなく卵を未開の山奥に捨ててくる事を考え、鉄工所のトラックで運び始める。責任感があるんだか無いんだか…


トラックで卵を運ぶ一行だが、その現場を田端班に目撃されてしまう。

さらにトラックに書かれていた「古田鉄工所」という名前を見た田端班は「フルータ星人」の正体に勘付き、大急ぎでトラックの後を追跡。

一行が山奥で卵を放棄したところを取り押さえ、事の真相を暴いたのだった。

当然、田端達からは呆れられるが、その間に卵は孵化し、アルゴナが誕生してしまった。


哀れ、フルータ星人もとい古田鉄工所&藪野医師のお騒がせ四バカと田端班、遅れて到着した京極博士や志摩隊員は、餌として追っかけられることに。


幸い、駆けつけたファイター部隊やガイアに救われ、最終的にアルゴナはガイアによって凍結され活動停止。京極博士の頼みで元いた南極へ帰される事になり、結果的に命拾いしたフルータ星人一行だったが、未だ真相を知らない志摩隊員からガトリング銃とバズーカの二挺構えで銃口を突きつけられてしまう。


志摩「ちょっと待てぇ!今更人間のフリしても駄目だ!フルータ星人!」


田端「ちょっと、志摩さん!」


田端と倫文が志摩隊員に耳打ちする。


志摩「古田鉄工所?古田?フルータ?」


「はい。」


フルータ星人一行は自分達が犯人であることを認めたが、当然そんな事で許されるはずも無く、真実を知った彼から凄まじい形相で怒鳴られるのだった。



「何を考えとんだお前らアアアアアアア!!!」



その後の描写は無いが、おそらく4人揃って志摩隊員からたっぷりお説教を食らったであろう事は想像に難くない。


また、アルゴナの特異性を知らなかったとは言え、下手をすれば甚大な被害が出ていたかもしれない点と実際にやらかした詐欺同然の犯罪も含め、軽いにせよ重いにせよ法の罰を受けることは免れないと思われる。


余談編集

そんなわけで、脚本家・太田愛が贈る第35話「怪獣の身代金シリーズ全体を見ても比較的シリアスな作風であるガイアの一番のギャグ回、カオス回として名高い回となっていた。

また、ギャグ回なだけにフルータ星人、もといお騒がせ四人衆を筆頭に、登場するレギュラーキャラ達(XIG、田端班)も普段よりズレた言動やマヌケな一面、そして顔芸まで披露している(※彼らの名誉の為に言っておきますが、XIGもKCBの面々も至って真面目に捜査に取り組んでいます)。

中でも代表的なギャグが、KCBに脅迫電話をかけてきたフルータ星人一行に応対した玲子である。


フルータ星人(鉄工所社長)「もしもし、フルータ星人だ」


玲子「いつもお世話になっております~♪ 」


これには後ろで様子を見守っていた我夢、志摩、京極博士、田端、リンブンも呆れてズッコケてしまっている。


尚、このバカ話の次話は藤宮博也が帰ってくる重要回『再会の空』である


関連タグ編集

ウルトラマンガイア アルゴナ 公式が病気 トラブルメーカー 愛すべき馬鹿


カルロス黒崎:同じくウルトラシリーズで、怪獣にまつわる代物を私利私欲から勝手に持ち出した結果、とんでもない怪獣騒ぎを引き起こしてしまったお騒がせな地球人。良くも悪くも俗物で憎めないバカな性格も共通している。


無敵星人:地球人が宇宙人を名乗っている点で共通する。こちらも憎めないバカである。


ダムノー星人:ウルトラマンガイア25周年記念となる2023年に放送された作品劇場版に登場した似たような存在。ただし、こっちはやってる事がシリアス寄り。

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