別名・武装おしおき。
そのため大原大次郎が絡まない、別作品の内容を用いた同様式の作品に対しては「武装おしおき」のタグが使われる事がある。
また「大原部長オチ」とすると、確かに主にはオチの中でもっとも有名な「武装おしおき」と人々に認識されてイコール(大原部長オチ=武装おしおき)になる場合も多いのだが、実は長い『こち亀』の歴史の中で、それを正確に分類した場合「大原部長オチ」と「武装おしおき」の関係性は単なる近似値(大原部長オチ≒武装おしおき)あるいは含みイコール(大原部長オチ≧武装おしおき)に過ぎない。
つまり正確には、武装おしおきは大原部長オチの一部分だったりする。実は大原部長オチの範囲はより広く種々のパターンがある(後述)
概要
日本を代表するギャグ漫画こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)の様式美(お約束)。
「両津が何らかの原因で大原大次郎の怒りを買い、武装して派出所に乗り込むも既に逃走していた」というオチが多い。
このオチの原型となっているのが、24巻の「サムライ!の巻」。
この時両津自身は特に何もしていなかったが、一緒に秋葉原へ買い物に来ていたアメリカ軍兵士達がジープの窃盗犯を狙撃したため新聞に載ってしまい、自分がやったわけではないが新聞沙汰になったことに両津が負い目を感じていたところ、大原が「両津はいるか!ちょっと話したいことがある」と頭に鉢巻とろうそくをつけトミーガンを持った姿で現れ、それを見た両津は「ぎゃあーっ!それは話し合うスタイルじゃない!」と言って逃げ出そうとしていた。
おしおき装備における各種武装
銃や剣、薙刀などで武装していたり、日本陸軍の軍服姿や西部劇のガンマン姿、戦国武将が身に着ける甲冑姿で馬に乗っていたり、ガトリング砲を携えたり、しまいには戦車まで持ち出してきたりするなど、時代を追うごとにだんだん過激になりつつある。ちなみに、実際の戦車名が出たのは104巻「プリクラ大作戦2」で「一口戦車講座 世界最大の重戦車エレファント(68トン)」と記載されていた。
車体にはご丁寧にも「707 BUCHO」とペイントされていたので、こんな重駆逐戦車まで持ち出すとは部長の怒りは相当桁違いだった様である。
※ちなみにエレファントは駆逐戦車の中で最大クラスであって、重戦車の中で最大なのはエレファントと同郷(後述)のマウスである(188トン)
それ以外の回に登場した戦車としては、アメリカ軍の自走榴弾砲M7プリーストとM109自走砲の他、旧日本陸軍の軽戦車である九五式軽戦車も登場していた。しかもこの回では派出所に突っ込んで実弾を発砲するだけでは飽き足らず、周囲を破壊しながら更に突き進む暴挙に及んでいる。巻き添えを喰った寺井や麗子にとってはいい迷惑だった事だろう。こういった大袈裟な怒りの表現により、派出所を完全に破壊することも多い。警察官の自覚はどうした。
また、最近では屯田署長もバズーカを持って大原と一緒にこのオチを行ったり、両津が逃げ出す前に武装して待ち伏せていたりする。
そもそも、その装備や戦車はどこから調達してきたのかは不明。
155巻の「復活を希望するキャラクター大大発表会!!の巻」で両津にそのことをツッコまれた大原部長は「あれはあれで大変なんだ・・・」と語っているが、明確な入手経路は明かしていない。特にエレファントは第二次世界大戦のドイツ軍の戦車、M7プリーストはアメリカ軍の自走榴弾砲なので、そう簡単には調達出来ない代物のはずだが…
なお今回の様に、大原部長が『両津のバカはどこだ!』と言いながら派出所に突撃するオチに関してはこちらのサイトに詳しく掲載されているので、ご覧いただければ幸いである。
他のパターン
大原によるオチとしては他にも
- 実際に両津におしおきを実行する。その際に「そんなに○○したかったら存分にしていろ」と言うこともある。
- 話のテーマに沿った物が多くバリエーションも様々だが、両津を殺害あるいは重傷を負わせようとしているとしか思えない程の過激なおしおきが実行される事もある。
- 翌日両津が派出所におらず、大原が後ろ姿で新聞を読むか、お茶を飲みながらその理由(左遷、遠い国へ送るなど)を語る。多くの場合両津でなければ(もっと言えばギャグ漫画でなければ)死んでいるような仕打ちが多い。(日本初の有人宇宙飛行と称し生身でロケットに括り付けられる、国外で逮捕され強制収容所に収監されるなど)
- 他にも両津やその仲間が逮捕されるか、大騒動を巻き起こし、その顛末が新聞やテレビで報道され、大原が締めの一言を言うパターンもある。
- 逆に両津が大原がはっちゃけすぎた事をやったせいでこのパターンのオチを担った事がある。
- 両津その他の責任者が左遷される(記念すべき第1話がこのオチ。このときは両津と中川が納沙布岬署に左遷させられた)。
- 大原が白装束(純白の紋付袴姿)で両津を待ちかまえ切腹(心中)を迫る。
- 大原がキャラ崩壊を起こして両津以上にはっちゃける。
- 大原が問題のすべてを両津に押し付けてトンズラし、すっとぼける。
- (両津もしくは大原、あるいはその両方が)別のマンガの世界に飛ばされる。
- 想像を超えて大事になった事態に両津と大原が共闘して大原の怒りがうやむやになる。
というパターンがある。実のところ本編ではこれらのオチになった話の合計は武装おしおきがオチの話よりも多い。中でも最初の3つは初期から見られるもので、大原によるオチの大半を占めている。これらも広義においては「大原部長オチ」と呼ばれる事がある。
逆に、その週の話が始まる前に両津が何かやらかしているか、両津のだらしない勤務・生活態度に大原がキレて「ばかもん!」と一喝し、その怒声で派出所の屋根が吹っ飛んだり、派出所が爆発したりするコマからスタートする出オチパターンもある。
また、逆パターンとして両津による仕返しオチも稀ながら存在している。
両津の貯金を勝手に横領して買った物を没収したり、大原に言われたことをリベンジしつつそっくりそのまま返したりと、大原のお仕置きよりは軽いもなかなか見どころのあるオチとなっている。その場合、大抵大原の自業自得による部分も多い。
余談
アニメ版で武装お仕置きが再現されたのは第65話「留守録シンドローム」の1回のみ。
第259話「FAXします私のすべて」では大原が葛飾署内で激怒するシーンで幕引きとなっている。
アニメ版では大原部長オチの替わりとして
両津のせいで被害を被ったり恥をかかされ激怒した大原が「両津っ! 今度という今度は許さんぞ!」のような台詞と共に両津を追いかけ、それに両津が「うわーん! もう〇〇なんてこりごり(or大っ嫌い)だ~!!」と叫ぶトホホENDがお決まりのパターンとなった。
他作品での扱い
- 本オチの代表例である武装おしおきに関しては、そのインパクトからか「王様の仕立て屋」や「いぬまるだしっ」「暗殺教室」「殺せんせーQ!」など多くの漫画で、こち亀に対するオマージュとして使われており、いわゆるこち亀パロディの定型例として代表的なものとなっている。
- お笑い芸人のハム諸見里(滑舌が悪い方)が、お笑い番組「ウンナン極限ネタバトル! ザ・イロモネア 笑わせたら100万円」にて、おもちゃの刀を持って「こち亀のラストシーンにありがちなこと」とこれをまねて「両津どこに行ったぁ~~!!」と発言し、観客を大笑いさせたこともある。
- 『JUMP SUPER STARS』や『JUMP ULTIMATE STARS』では大原のサポートコマの技(3コマ)として「怒りの大原部長」名義で登場。甲冑姿の大原が刀を振り回して前進してくるというもの。
- 『J-STARS VICTORY VS』では両津の超必殺技として同上名義で登場。制服姿ですっぽかしている両津を叱り、怒鳴り声の岩で相手チームを巻き込むというもの。
- 『ガールズ&パンツァー』とコラボした『両津&パンツァー』でも物語終盤にT-14で大洗に乗り付け、仕事をサボって戦車道を満喫してきた両津を(付き合わされていた本田とボルボを巻き添えにする形で)追い回し、更には車載機関銃を乱射してあんこうチームの面々を驚かせた。
- 日本テレビ放送『スクール革命!』のクイズ虫食いランキングで「ジャンプ史上最もかっこいい必殺技ランキングの2位を当てる」という問題で、オードリーの春日が「両津のバカはどこだー!!」と答えていた(なお本当の答えは「北斗の拳」の北斗百裂拳)。
関連タグ
ドクロベエ…過激すぎるお仕置き繋がり。