ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

目次 [非表示]

脱T-34系譜編集

T-14はそれまでのソ連・ロシア戦車からの脱却のためにまったく異なった設計がされてる。

特に問題だったのが居住性である。ソ連戦車は伝統的に車高を低めに抑える傾向があった。コレは戦闘時に被弾率を下げる目的があったのだが、そのせいで居住性は最悪といっていい(ロシア人には体格が大きい人が多いのも付け加えておく)。

またエンジンは第二次世界大戦時に開発されたT-34から4ストロークV型12気筒ディーゼル・エンジンを採用しており、その発展も21世紀に入り限界に来ていたのである。


第4世代のひとつの道しるべ編集

俗に戦後第4世代主力戦車と呼ばれるものはT-14登場以前は日本の10式戦車のみといわれており、第4世代は小型化になるとの意見も軍事業界ではあった。


戦後第3世代主力戦車が1980年代に西側諸国で登場して以降、当時のソ連も対抗するためT-80T-64ベースで開発したものの、当時の経済不況と国の財政難によってより安価なものが求められたそのため、T-72の改良型としてT-90が登場したが、1991年12月にソ連が崩壊し、量産車の登場が翌年になる。

しかし、どちらも当初は対抗馬とはなりにくいと考えられていた。実はソ連戦車は複合装甲や125mm滑腔砲を採用しているものの電子機器に関しては西側の2.5世代並みと言われており、西側からはソ連戦車を2.5世代主力戦車と捉えられていた。


ソ連崩壊後のロシアでも財政的な面から現代化はあまり進まず、新型戦車の開発などやっている余裕は乏しかった。それでも細々と開発は行われ20世紀の終わりごろには正真正銘の第3世代オブイェークト195(T-95)が開発され、2009年以降の量産化に向けた開発が進められていたが、2010年4月主に予算面の問題から開発計画を断念すると発表した。


既存車の改良もソ連崩壊でT-64/80シリーズを製造していた工場はウクライナのものとなり、ロシアはT-72の発展型であるT-90をメインに改良していくしか選択肢はなかった。地道な改良を続け、2007年にはそれまでの装甲、エンジン、火力を向上させたT-90Aが登場したものの相変わらずT-72の改良型でしかなかった。


新型戦車開発「アルマータ計画」はそんな中行われていたが、詳しい内容はわからなかった。たまにモックアップの模型が出るぐらいで実車はおろか試作車すら公開はされなかった。しかし2014年の終わり突然、それは発表された。

T-14のイメージPV


それは紛れも無いロシア製第4世代主力戦車の形であった。公開された情報は乏しく、当初はその外観からT-95の発展型との意見もあったものの、翌年のモスクワ戦勝日パレードで一般に公開されることだけが発表された。


T-14は次世代ロシア陸軍の装甲戦力の一翼を担う存在として強く期待されている。


しかしT-14の製造価格はT-90Mの二倍以上であり(西側評価ではT-90Mの2.2~2.5台分、日本の10式戦車と同価格帯では無いかと言われる)、また、2014年のクリミア併合による経済制裁で、最新装備の生産に悪影響が出ており、さらに2022年にロシアが行ったウクライナ侵攻により、生産にも大きな影響が出たため、2023年現在では生産は月産2両と低迷している(2023年の英国報道では同じロシア戦車であるT-90Mは月産25~30両、T-72B3も月産20両以上とされており大きな生産数差がある)。ウクライナの戦場に送り込まれたという情報もあるが、あくまでも実戦テストにすぎなかったようで、まだ本格的な実戦配備はされていないらしい。


特徴編集

アルマータ共通戦闘プラットフォーム編集

装軌式重型プラットフォーム「アルマータ」と呼ばれる共通の車体を用い戦車・重歩兵戦闘車・ロケット砲・自走榴弾砲・装甲回収車といった装甲車両のファミリー化を行っている。それにより、予算の削減や現場での運用負担の軽減が期待されている。

このため、「T-14アルマータ」と呼ばれる事も多いが、アルマータという名前自体は使用するプラットフォームの名前なので、T-14自体を指すものではない点には注意。


ちなみに、車体はT-90より大型になり、車高も3m級になった。これにより居住性の悪さは改善されている。その分重量も重くなったが、それでも55tに留まっており、60t越えが当たり前になりつつある現在のほとんどの西側戦車よりは軽い。もちろんエンジンも相応にパワーアップしており、馬力は1500~2000馬力を出すといわれている(T-90のV-84-MSではエンジン出力840~1000馬力)。


無人砲塔編集

戦車としての一番の特徴は、砲塔そのものを無人化した事である(戦車用の無人砲塔はアメリカでも研究されていたが、実用化はされなかった)。

搭乗員は車体前部の装甲カプセルの中にまとまって搭乗し、生存性を確保している。このため、発射ガスの砲塔内への逆流を考慮する必要がないので、主砲には排煙器がない。

砲塔自体は従来と異なり角ばったデザインになっているが、これはステルス性向上を狙ったもの。


車体前部から顔を出したところで見える範囲はたかが知れているので、搭乗員はさまざまなセンサーを使って索敵する事になるが、果たして戦車長が「五感」無しに周囲の状況を把握しきれるのかなど、実戦に投入しなければわからない部分もある。

また、床下のターンテーブルから砲弾を自動装填する配置は従来のものと何ら変わっておらず、(中に人がいなくなっただけマシになった程度で)根本的な解決がなされたとは言えない。

更に言及するならば、車高や全幅が大きいということはそれだけ狙われやすくなることを示す。無人砲塔を加味しても、あまりに高い為トップアタックを行える対戦車ミサイルからしてみれば丸見えで良い的になり、保護カプセルも正面装甲を考慮したとしても側面から撃たれれば乗員全員死亡すらあり得る(これを考慮してT-90やM1エイブラムスと言った戦車は分散配置している)。車高を低くして被弾を避けるのが現在のMBTの考え方からすると、逆になっている。

これらから、戦車と戦うMBTというよりは初期のメルカバのような乗員の人命保護を優先した人と戦う戦車と言えるのかもしれない。


戦車に対する各国の考え編集

第4世代は現在もその方向性は定まっていないが、T-14を基準とするなら、無人砲塔と乗員の削減にし、人命防御と戦力維持を目的とする推測される。

しかしアメリカ・イギリス・フランス・ドイツの戦車に対する考えが同様とは言えない。無人砲塔についてはアメリカの次世代戦車コンセプトモデル「エイブラムスX」にて軽量化目的で採用されているものの、これがこのまま実用化されるかどうかは未知数である。

このような事情もあってか、T-14は第4世代よりさらに先の第5世代と呼ばれる事もある。


関連タグ編集

アルマータ 主力戦車

関連記事

親記事

第四世代MBT だいよんせだいしゅりょくせんしゃ

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 382149

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました