新時代の標準戦車
愛称は「黒豹」(흑표:フックピョ)だが、対外的には英訳の「ブラックパンサー」(Black Panther)。
55口径120mm滑腔砲と自動装填装置、モジュラー複合装甲、リアクティブアーマー、アクティブ防御システムに加え、従来の第3世代主力戦車と比べて高度な火器管制装置・ネットワークによる協働能力を有することから、最も近代的な第4世代主力戦車に区分されることもある。
韓国と韓国陸軍にとってK1に続く史上2番目の国産戦車で、その設計開発は多難を経たが、2020年代に入って対外輸出が本格化。
21世紀の新型戦車として最初のベストセラーとなりつつある。
開発
開発開始は1995年。
軍事的にはM48パットンの更新と北朝鮮の天馬号・暴風号戦車への対抗を、国家的には国内軍需産業の育成や輸出商品化などを目的とする。
特に後者は重要で、前任のK1が事実上アメリカで設計され輸出に大幅な制限がかかったこともあり、K2はヒュンダイなどの韓国企業を中心としてほぼ韓国の独力で開発された。
ただし、イスラエルや日本など戦車開発の先端を行く他国技術者の提言、ロシアから輸入したT-80を参考とした反応装甲・核戦争時用の放射線遮蔽装備なども積極的に取り入れられている。
ちなみに、「エンジンやトランスミッションを統合したパワーパック関連の技術力不足のため、優秀なドイツ製を導入した」という話は、2020年代に入ってから判明した開発時の文書などから判断してほぼデマとみられる。
実際にはドイツ製パワーパックの導入を強行する国内勢力の存在が大きく影響していたらしく、韓国製パワーパックは初期不良の可能性などを差し置かずともドイツ製と同等か、それ以上の高性能と優秀な信頼性を有していた。
2024年、第4次量産車から国産パワーパックの全面導入が決定した。
輸出
トルコでは2000年代から韓国の全面的な協力の下、K2の基本設計を元に独自技術を付与した国産戦車「アルタイ」が開発され、2025年の実用化が予定されている。
また、ポーランドは2022年にK2の導入を決定。
このうち初期に導入する2割は輸入によって確保し、残りの8割はポーランド国内に建設した新工場で生産するという計画となっている。
さらに、アルメニアやエジプト、ルーマニア、スロバキアなどでも採用に関する言及があり、今後も安価さや購入後の整備支援など充実したバックアップを背景にK2の販路が拡大していく可能性は高い。
なお、ノルウェーで2023年に実施されたドイツ製レオパルト2A8との採用競争でK2は敗れているが、これには政治的な要素が大きく関連したらしく、ノルウェー軍によるK2の戦車としての評価自体はレオパルト2に劣るものでは無かった。