多国籍パットン
M48パットンは、冷戦初期の1952年に制式化された90mm砲搭載、最大装甲厚152mmのアメリカ製第一世代主力戦車。
その名は第二次世界大戦中のジョージ・パットン将軍に由来し、系列で3番目のためパットンIIIと呼称されることもある。
前任のM47を原型に新型砲塔の搭載や車体構造の設計変更といった改良が施され、後期型のM48A5やM48A5K、M48A2GA2では強力な105mm砲が搭載された。
パットン戦車として最多の約10,000輌が対外輸出され、冷戦期の西側諸国で広く普及したほか、第三世界で発生した数多くの紛争で実戦投入された。
現在も数カ国で運用が継続中となっている。
戦史
ベトナム戦争 (1963-1975)
アメリカ陸軍がM48を投入したが、ゲリラ戦を主体とするこの戦争で戦車が活躍する機会はあまり無く、主に拠点防衛に用いられた。
一応、
印パ戦争 (第二次:1965、第三次:1971)
パキスタン軍が装備するM48は第二次・第三次印パ戦争で主力として用いられ、同等の性能を有するインド軍のセンチュリオンMk.7などと大規模な戦車戦を繰り広げた。
第三次中東戦争 (1967)
イスラエルとヨルダンで運用されていたM48が投入され、イスラエル側のM48はエジプトのT-34やSU-100、T-54/T-55といったソ連戦車を破る活躍を見せた。
一方、ヨルダン側はイスラエルのスーパーシャーマンを相手に多数が撃破された。
登場作品
T型マズルブレーキを備える点から、日本の作品で61式戦車の代役として登場することも多い。
ドイツ戦車役などで登場。
陸上自衛隊第6師団の戦車として登場。作品の内容が内容だけに防衛庁の協力を得られず、米カリフォルニア州軍の協力を得て撮影した。
防衛隊の戦車として登場。自衛隊の61式戦車の模型が足りなかったために登場したらしい。
防衛隊の戦車として登場。
ビッグQを迎撃するために出動。
初代PS「コンバットチョロQ」のみ登場。作戦28「橋頭堡を死守せよ」で交戦する。
後半に登場する戦車ということで強力ではあるが、すぐ次のステージでM60パットンが登場してしまうこともあって扱いとしてはやや不遇。
運用国
現役
- ギリシャ
- イラン
- レバノン
- モロッコ
- 韓国 - M48A3KやM48A5Kなどの国産仕様を有するが、現在はK2戦車と入れ替わる形で退役が進められている。
- 台湾 - M60A3車体にM48A3砲塔+105mm砲と新型射撃管制装置を備えるCM-11勇虎や、CM-11と同等の性能を有するM48A3の独自仕様CM-12を保有する。(パットン戦車を参照)
- タイ
- トルコ
退役済み
- アメリカ合衆国
- 西ドイツ/ドイツ - M48A2CやM48A2GA2などの独自仕様を有し、後者はケイラー地雷処理車の原型となった。
- ベルギー
- イラク
- イスラエル - 後継のM60と併せてマガフという名で運用したほか、偽装ミサイルランチャーとしての大規模改造型たるペレフも保有した。
- ヨルダン
- ノルウェー
- パキスタン
- ポルトガル
- ベトナム - 当初は南ベトナムが保有していたが、北ベトナムが統一後に入手、短期間のみ運用した。
- スペイン - 上記のパットン大戦車軍団でスペイン軍のM48が登場した。
- チュニジア