パットン戦車の2番手
M47パットンは、冷戦初期の1951年に制式化された、90mm砲搭載・最大装甲厚121mmのアメリカ製第一世代主力戦車、もしくは中戦車。
その名は第二次世界大戦中のジョージ・パットン将軍に由来し、系列で2番目という意味のパットンIIと呼称されることもある。
性能不足のM46を原型に、ステレオ式測距儀を備える新型砲塔の搭載、装甲傾斜角度の増大といった改良が施された。
後継となるM48が早期に登場したことでアメリカ陸軍ではすぐに型落ちとなったが、これを主因に積極的な対外輸出の対象となった。
ちなみに、有名なアメリカ在住の俳優アーノルド・シュワルツェネッガーはかつてオーストリア連邦軍でM47の戦車兵を務めたという経歴を有し、現在はその際に搭乗していた331号車を個人所有している。
自衛隊にM47?
M47は日本の陸上自衛隊にも供与される予定があったが、西ドイツなどへの大量供与と重なったことでアメリカ側に在庫がなくなってしまったためお流れとなった。
結果、日本は自力で戦後初の新型戦車を開発することとなり、その際の参考用として1輌だけ日本に供与されている。
キングタイガー()
第二次世界大戦後期、西部戦線で発起した最大級の戦闘「バルジの戦い」。
それを主題とした1965年の大作戦争映画「バルジ大作戦」は、全編にわたって本物の戦車が登場するという鳴り物入りで公開されたのだが...
右がキングタイガー() | 右下がキングタイガー() |
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なんと、ドイツ最強のキングタイガー重戦車役が、ドイツ軍マークを付けただけの無改造M47だったのだ。
戦後、実際に動くドイツ戦車は貴重で、代用の戦車が役を演じることは一般的ではあったが、それでも大抵は外見を似せるための工夫が凝らされている中、突然の無改造M47という暴挙は多くの観客の期待を裏切った。
ただ、この無改造M47は撮影場所となったスペインの国軍で現役状態にあったらしく、改造をしすぎる訳にはいかなかった、というのが実情らしい。
公開から半世紀が経った現在、この逸話は戦車界隈でわりと有名な事実上のネタと化している。
登場作品
World_of_Tanks
アメリカの中戦車として登場。
War Thunder
アメリカの中戦車として登場。
運用国
現役
- イラン - 正確な情報は無いものの現役とみられる。
退役済み
- アメリカ合衆国
- オーストリア
- ベルギー
- クロアチア
- キプロス
- エチオピア
- フランス
- ギリシャ
- イラク
- イタリア
- ヨルダン
- オランダ
- ノルウェー
- パキスタン
- ポルトガル
- サウジアラビア
- ソマリア
- ソマリランド
- 韓国
- スペイン
- 西ドイツ
- トルコ
- ユーゴスラビア