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T-90

てーでゔゃのーすた

1993年にロシア連邦軍が制式採用した戦車。
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概要

オリジナルよりも性能の劣る輸出型(別名:モンキーモデル)が湾岸戦争で多国籍軍のM1エイブラムスチャレンジャー1に一方的に撃破され、輸出商品としてのT-72のみならずロシア製兵器全般の評価がガタ落ちしたため、それを挽回するために開発された。
T-72をベースに高価なT-80Uレベルに近づけた輸出市場向け戦車であるが、上位に位置するT-80Uが高価格と装備調達の合理化を理由に早々に生産を打ち切られ、次期主力戦車として開発が進められていたT-95も開発中止となったことから、現在はインドでのライセンス生産化やアルジェリアへの輸出と並行して、ロシア連邦軍にも主力戦車として配備が進んでいる。

また、T-72の上位に位置するT-64とT-80はウクライナで生産されていたため、ソ連崩壊により新規車両やメンテナンスパーツの入手が不透明になったことも開発の動機の一つであると考えられている。

攻撃性能

T-90の特徴は従来のロシア製戦車よりも高度に自動化された攻撃システムである。
主砲は『2A46M-1 51口径125mm滑腔砲』で、分離装薬式砲弾型のAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)、HEAT(対戦車榴弾)、HE(榴弾)のほか、T-80で採用された『9M119M レフレクス対戦車ミサイル』を発射できる。
この様に主砲からミサイルを発射できるのは旧東側戦車の特徴で、レフレクスはレーザーを戦車から目標に照射し、その反射を捉えてミサイルを誘導するセミアクティブレーザー方式を採用している。弾頭重量は17.2kg、砲弾より軽く、レーザーは妨害を防ぐようにコード化されている。飛翔速度はマッハ2、射程は約5000m。最大750mmから800mm程度の鉄板を貫通し、爆発反応装甲を装着した戦車や低空を飛行中のヘリコプターに対しても効果を発揮した。
これによって一世代前のレオパルト1M6074式戦車クラスの第二世代主力戦車や、レオパルト2の初期型など第三世代主力戦車も撃破が可能になったが、このミサイル30発でもう1両のT-90を購入可能なほど高価な代物である。それでも輸出商品としてT-90の価値を高めることは間違いないだろう。
また、T-90の1A4GT統合射撃管制システムはレフレクス用の1G46照準・距離測定システムと2E42-4スタビライザー、1V528弾道計算コンピューターやDVE-BS風向測定器などから構成され、走行中の射撃でも高い命中率を誇っている。砲塔には自動装填装置と砲手用の1A43昼間射撃管制装置とTO1-KO1熱線映像装置を装備しているので、夜間でも1.2km~1.5kmの視界を得ることが可能である。

防御性能

装甲などの防御装備も改良されており、5層に重ねられた積層装甲(複合装甲)と新型の爆発反応装甲コンタクト5を採用している。この新型装甲はあまりよくわかっていないが、HEAT弾などの化学エネルギー弾のほかに徹甲弾などの運動エネルギー弾にも効果を発揮する。
さらに、敵戦闘車両や航空機などのFLIR(赤外線監視装置)や赤外線誘導方式の対戦車ミサイルに対するジャミング装置『TShU-1-7シュトーラ-1』を搭載している。従来のロシア戦車にない新機軸として搭載しているこのアクティブ防護システムは、赤外線ジャマー、レーザー警告システム、4つのレーザー検知装置で構成され、ミサイルの発射機に強力な赤外線照射を浴びせ、無力化してしまうシステムであるのだが、夜間だと逆にこちらの存在を相手に知られる可能性が高い。

もっとも、攻撃を受けた時点で発見されていると思うが・・・。

機動性能

搭載しているエンジンは当初、T-72系列のエンジンを改良したV-84MSであったが、出力が840馬力とやや不足気味で、諸外国の主力戦車よりも軽量であるT-90にとっては必ずしも満足できるパワーではなかった。そのため、950馬力のV-92ディーゼルエンジンか1100馬力のV-96ディーゼルエンジンのような強力なエンジンをオプションとして用意している。
その他、標準装備としてNBC防護システム、消火システム、潜水渡渉システム等を装備し、車体前部にはドーザー・ブレイドやKMT-7、KMT-8といった地雷処理機材も装着できる。

売買価格

調達価格は各種オプションによるがT-80U戦車の50~70%(100~140万ドル)で内容の割に低い設定となっており、また既存のT-72戦車シリーズからのアップグレード・サービスも商品化されている。(フフーフ)
2000年10月にインドが310両のT-90S戦車と回収型を購入、190両はインドでノックダウン生産が行われ、2006年にT-90S戦車のライセンス生産権を購入、ビーシュマ(Bhishma)の名称で同年に330両、2007年に347両を発注して、330両がモロッコに輸出される。さらに、ロシア本国のT-90戦車もアルジェリアに180両(T-90SA戦車)輸出されることが決定し、サウジアラビアが150両、トルクメニスタンが10両採用したという情報も流れている。

総合評価

T-90戦車は安価で堅牢確実なT-72戦車のコンポーネントを利用してT-80U戦車並みの新型MBTとして実用化された優秀な第3世代主力戦車の一つであることは間違いない。
攻撃性、防護性、機動性に関しても世界水準でありながら、極めて安価であるT-90は兵器として高い完成度を誇っていると言わざるを得ないだろう。
それでも敢えて批判したい人がいるのなら、同世代のM1エイブラムスよりも小さい車体に押し込まれた多数の機器と低い車高、幅広の履帯などから、車体内部の居住性能は比較的に劣悪なので、隠蔽率と引き換えに乗員に負担を強いているくらいである。
これからもT-90は今まで諸外国に輸出した旧式戦車を運用していた第三世界の国々に輸出が拡大されるだろう。しかし、東欧諸国や旧ソ連の共和国がT-72やT-80をベースに西側技術を導入した独自の戦車を開発しているため、これらの戦車と激しい輸出競争が繰り広げられることが確実に予想される。

諸元性能

<T-90戦車>
全長:9.53m
車体長: 6.86m
全幅:3.46m
全高:2.226m
重量:46.5t
乗員:3名
発動機:V-84-MS 4ストロークV型12気筒液冷スーパーチャージド・ディーゼル
最大出力:840馬力
最大速度:60km/h
航続距離:500km

○武装○
51口径125mm滑腔砲2A46M2×1(43発) 
12.7mm重機関銃NSVT~Kord×1 (300発)
7.62mm機関銃PKT×1(2,000発)
9K119レフレークス対戦車誘導ミサイル・システム

○装甲○
複合装甲 爆発反応装甲

<T-90S戦車>
全長:9.53m
車体長:6.86m
全幅:3.46m
全高:2.226m
重量:46.5t
乗員:3名
エンジン:V-92-S2 4ストロークV型12気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル
最大出力:1000馬力
最大速度:65km/h
航続距離:500km

○武装○
51口径125mm滑腔砲2A46M2×1(43発) 12.7mm重機関銃NSVT~Kord×1(300発)
7.62mm機関銃PKT×1 (2,000発) 9K119レフレークス対戦車誘導ミサイル・システム

○装甲○
複合装甲 爆発反応装甲


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T-72 T-80
M1エイブラムス レオパルト2

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