概要
近世の日本(戦国時代・安土桃山時代・江戸時代・幕末)に来航した欧米の外洋船を指す。とくに幕末の黒船来航が最も有名。
南蛮貿易が盛んな頃から船体が黒く、日本人からそう呼ばれるようになった。黒いのは防水のためピッチで船体を黒色に塗っていた為である。
江戸時代になっていわゆる鎖国体制が築かれると、日本で欧米船が来航を許されたのは長崎の出島に限定され、人々の記憶から欧米船の様子は忘れられていた。
嘉永5年(1853年)に浦賀沖にペリー率いる米国艦隊が来航。オランダを通して江戸幕府は把握していたが対応は間に合わず、また江戸とその周辺の人々は見慣れない異様な黒い巨船に驚き、その「黒」が強烈な印象を与えた。
現代でもある種の業界に他業界や海外からやって来て、既存の安定したその種の業界を席巻し多大な影響を及ぼす、強力なインパクトや力を持った人物や企業を「黒船」と揶揄する形で用いられる。
関連タグ
クロフネ:アメリカ生まれの日本の競走馬。芦毛馬だが、外国産馬に解放された日本ダービーを勝ってほしいという願いから黒船にちなんで名付けられた経緯を持つ。