概要
のっぺらぼうとは、顔には目も鼻も口もない日本の妖怪のことである。漢字表記は野箆坊。小泉八雲の『怪談』の中の『むじな』や、東京七不思議の『置いてけ堀』の話が有名。
目も鼻も口も無いものが基本だが、場合によっては口だけ存在する水木しげるタイプものもある。
「ずんべらぼう」という似た妖怪もおり、2期や6期の鬼太郎ではこちらも登場する。
妖怪というわけではないが、モブキャラクターものっぺらぼうに描かれがちである。
創作作品におけるのっぺらぼう
水木しげる作品の「のっぺらぼう」
CV:富田耕吉(1期)、安西正弘(3期)、山口勝平(4期)、くまいもとこ(6期)
ゲゲゲの鬼太郎。原作、およびアニメ1期、3期、4期、6期に登場。
墓地で人魂を捕えて天麩羅にし、それを食べさせた相手から顔を奪い取る能力を持つ。
1期では墓場で手に入れた人魂を天ぷらにして顔を得ていたが、生きた人間の顔を狙い、人魂ポップコーンを配っていた。一方、第3期では対象に抱きついて体の中に取り込む事で奪い、犯罪者に売りさばくという悪さを行っており(3期ではぬらりひょんに好物の人魂がたくさん取れる場所を紹介してくれた恩義で悪事に加担していた)、顔を奪うという悪さは他のシリーズと共通しているが、手口が他のどれとも異なるという点で異彩を放っている。
4期アニメなど作品によっては口を大きく広げて直接食べることもある。
『ほう、「のっぺらぼう」を見たと申しますか…。それはこ~んな顔…』
4期の7話では蕎麦屋を経営し、代金の代わりに訪れる客の顔を奪う悪さをしていた。
鬼太郎のちゃんちゃんこを菜箸で絡めとって湯だった鍋に入れて封じる、改装中のホテルの調理場の環境を利用し、猫娘、一反木綿、ぬりかべの顔を難なく盗む等かなり戦闘力が高く描写されている(その他工事現場の作業員らの顔も盗んでいた)。また、グルメでもある。
鬼太郎を団子の粉に混ぜて顔を奪って食べるが、実際に食べたのはちゃんちゃんこであり、腹の中でちゃんちゃんこが膨れて苦しくなったのっぺらぼうは降参した。
『いい色でしょ~?このトマトはですねぇ、有機農法と言って無農薬で作ってるんです、いや~苦労しましたァ』
その後21話で再登場。7話で鬼太郎にやられてからは改心し、自身の料理用の農作物を有機農法で作りながら生活していた。グルメもここまで来れば相当な筋金入りである。
鬼太郎から「顔を食べられた人がいる」という事件を聞き、「仲間の仕業なら私がやめさせなければ」と鬼太郎の捜査に協力する。そして顔をとられた娘を見て「表面がざらざらしていてやり方が荒っぽい、ああいうのは許せない」と職人気質なコメントをしている。かなり味のあるキャラクターになった。
そして犯人の白粉婆と対峙した際にも持ち前の戦闘力の高さを発揮。鬼太郎とのコンビネーションで最終的に捕らえて、白粉婆の顔を食べる。白粉婆の顔の味はしょっぱいらしい。
事件解決後は「人間を助けてみるのも気持ちがいいもんですねぇ」と爽やかなコメントをした。
40話では墓場の運動会に参加しており、顔がないので飴玉探しで粉を気にせず、いの一番にクリアした。
64話では妖怪ラリーの参加者となり、トラクターに乗っていた(改造したのか、本来なら最大で時速30km前後しか走れないのに他の自動車と互角に走っている)。ぬらりひょんの策略で手紙に仕掛けられた「妖怪を凶暴化させる粉」によって乱暴者になっていた。食いしん坊が祟って食べ物の幻覚に引っかかって溶岩に落ちてしまった(馬鹿にしたねずみ男は、お金の幻覚に引っかかって脱落した)が、鬼太郎の活躍で生還した。
6期ではOPで綱引きをしており、やっぱり料理人風の姿をしている。
44話にて登場し、初めから鬼太郎の仲間である事が判明。お馴染みの人魂の天ぷらを持参し、うっかり子泣き爺をのっぺらぼうにしてしまう。
人気アイドルコンビ・パラダイスの北島アツシとは子供の頃に『ののくん』として一緒に遊んだ仲であり、アツシがその事を忘れた現在も『ゴーゴー万次郎』としてSNSで交流していた。
自分が妖怪とバレた事で一度アツシに拒絶されるが、白粉婆に襲われたアツシを助けたことでアツシに『ののくん』だと思い出してもらえて和解。
アツシはのっぺらぼうの『自分を偽る必要はない』という言葉にヒーローオタクのアイドルに転身し、その後も変わらずSNSで交流を続ける仲となった。
後に49話にて、アツシと共に人々の避難誘導を行っている様子が描かれていた。
妖怪千物語第18話では4期を思わせるラーメン屋を経営しているという設定で登場。
こちらでも人魂の天ぷらを食べた人間は顔を取られるという設定だが、口は残り、のっぺらぼうの配下となってしまう。また、顔を盗んだ相手の能力を行使する力を持っており、体内電気を使用して鬼太郎を苦しめるが、鬼太郎に奪った顔の筋肉を操られて降参した。
気になる人魂の天ぷらの作り方
先述の「千物語」によれば、1時間水に浸した魂を130度の油で揚げる事で人魂の天ぷらが出来上がるとされているが、「ボンボンスペシャル ゲゲゲの鬼太郎遊BOOK」では何をトチ狂ったのか、リアルに再現したレシピが掲載されており、そちらでは「魂は生臭いもの」だというイメージから白身魚のタタキ、山芋のすり身を混ぜ合わせたものが生地として使われた。これをレンジで加熱した後に衣を付けて揚げるというシンプルな行程を経て完成するとの事である。
地獄先生ぬ~べ~でののっぺらぼう
地獄先生ぬ~べ~では、5年3組のクラスの一人である木下あゆみに対していじめっ子の金田勝が水をぶっかけた所、顔が溶けてなくなってしまったために発覚したことがある。だが、実際は気を練って分身を作る「陽神の術」が不完全だったために起こった出来事であり、あゆみ本人は病院で療養していた。金田も実情を知ってからはあゆみにエールを送る等、二人が交友するきっかけにもなった。
忍者戦隊カクレンジャーでのノッペラボウ
妖怪軍団のノッペラボウとして登場。
原典での「何度も同じ人をしつこく驚かす」所から発展した「不死身の身体を持つどこまでも狙った相手を追いかける殺し屋」へとなっている。バラバラになっても何度でも復活し、更には各部に妖怪大魔王から与えられたマシンガンやミサイルなどを内蔵している。
なお別名であるというヌッペフホフは、別な回に登場する異なった妖怪であるという設定。
侍戦隊シンケンジャーでのノッペラボウ
のっぺらぼうの伝承の元となったという設定の、変身能力のあるアヤカシ・ナリスマシが登場。
関連タグ
ピクト星人 ノッペラボーマ パウチ星人ボラペーノ ラグナドール
ギャルゲー主人公、エロゲーの主人公、ソシャゲ主人公:作品やイベントCGによっては主人公の顔がのっぺらぼうになっているものもある。