概要
アイヌ民族の伝承に登場する“木原の姥”という意味の名を持つ胆振(いぶり)や日高地方に出没すると言われた魔性の者。
“平原の小母”という意味の“ケナシウナラペ” 、“湿地の小母”という意味の“ニタッウナラベ”とも表記される事もあり、天塩地方では“山の魔”という意味の“イワメテイェプ”と呼ばれる事もある。
樹木の空洞や川岸の柳原に棲んでいるとされ、ざんばら髪の老婆の姿をしており、顔は黒く、目も鼻は無く、親指のような鼻だけがあるとされる。
熊を操る力を持っており、自身の住み家に入って来たり、狩りの為に山に入ってきた人間に対して熊を操り襲わせるとされ、アイヌ民族の間では本来善良な存在である熊が人に襲いかかるのはこの妖怪の仕業とされ恐れられたという。
その為、彼女の住み家である川岸の柳原などで野宿する事は戒められていたらしい。
関連項目
倀鬼→ケナシコルウナルペに似たような力を持つ中国の妖怪関連で。