概要
虎倀(こちょう)とも呼ばれる中国の伝承に登場する妖怪の一種。
中国語ではチャンクェイ(Changgui)、上古中国語ではタンクル(Thangkul, tʰaŋkulʔ)、広東語ではチョーンクヮイ(Coenggwai)、韓国語ではチャングィ(Changgwi)、ベトナム語ではチャンクイ(Trành Quỷ)と呼ぶ。
その正体は虎に食い殺された人々の亡霊で、虎に食い殺された者の魂魄は、成仏すること無く虎に使役される倀鬼となるとされる。
倀鬼は自らを食った虎の守護者として縛られており、人であったときの知恵を使って猟師に狩られないように罠を外し、虎が人を食いたいと思えば哀れな犠牲者を誘い出すなどの悪事を働く。また人間に化ける事が出来るほか、虎に取り憑いて人を襲わせるなどの悪事の先導を行ったり、虎難の先達をするともいわれてる。
しかしそのような行動は不本意なものであり、自らを縛る虎が死ぬと喜びながら昇天するのだという。
創作での扱い
- 水木しげる作品
『中国妖怪辞典』に虎に襲われた者の魂が、装飾的な翼が生えた虎に変じる様子が点描で描かれている。
余談
虎は古代中国では霊獣と考えられており、一説によれば犬を食って酩酊状態の様にならない限りは酒に酔った人以外の人を襲わないと信じられていた。