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概要

“ずんべら坊”とも表記され、ずべら坊とも呼ばれるのっぺらぼうの別名。或いはのっぺらぼうの亜種の様な存在の妖怪

のっぺらぼうと同じく、目も鼻も口も無い卵の様な顔をしているが、口だけ存在しているタイプもいるかどうかは不明。

名前自体は良く知られて得ているが、文献上ではあまり登場する事は無く、巌谷小波による『大語園』などで見られる程度であるらしい。

のっぺらぼうがただ人を脅かして気絶させるだけなのに対して、こちらは朱の盆と同じく凶悪な妖怪らしく、津軽弘前(青森県)の伝承に登場するずんべらぼうは、のど自慢の男を散々脅かして最終的にショック死に追いやっている

※画像は6期に登場した美女タイプのもの

CV:青木笑児第2期ゲゲゲの鬼太郎)、久川綾6期ゲゲゲの鬼太郎

ゲゲゲの鬼太郎では“ずんべら”という名称で登場。本来は水木大御所の短編『霊形手術』に登場する妖怪なのだが、アニメが好調過ぎて原作のストックが尽きたため、鬼太郎の登場するエピソードとして組み込まれた。

伝承と同じく、のっぺらぼうの亜種の様な妖怪。アニメ第2期、第6期共に、やっている事や魂を食べさせて相手の顔を奪う妖術も、ゲゲゲの鬼太郎に登場するのっぺらぼうと同じ。異なるのは、当初は生きた人間からではなく、死人の顔をコレクションしていた事、そして飽くまでも趣味の一環である事。基本的には人間にあまり関わりを持たずに、ひっそりと暮らしていた。

ちなみにやろうと思えば、生きた人間からも同じ方法で顔を奪い取る事も可能。

第2期での設定

第41話『霊形手術』に登場。紳士的な所作と性格、そしてダンディな声が素敵な男性の姿をした妖怪で、目も鼻も口も無い卵の様な顔をしているが、髪の毛はある。

人里離れた辺境にある自身の住み家で、自身の趣味である気に入った死者の顔を盗み取り、コレクションに勤しんでいる。真夜中にコレクションに必要不可欠な道具である、人間の魂=人魂採取に墓場に赴く以外はあまり人間とも関わる事なく、ひっそりと暮らしていた。

なおコレクションした顔は、自分のいう事しか聞かない特殊な金庫に保管しており、その日の気分で盗み取った顔を自分の顔に張り付けて楽しんでいた。

  • ちなみに顔を奪われた人物の顔は手書きで顔を描く事が出来るが、布で顔を吹いたり涙を流すと消えてしまう仕様となっている(ドラえもんひみつ道具の取り消しゴムと目鼻ペンみたいな効果である)。

彼が何故そんな趣味を持っているのかというと、目玉おやじが言うには「顔をコレクションする事こそ、奴の因果な宿命、存在理由」という事らしい。

そんな彼の能力に目を付けたねずみ男は、金儲けに使えると踏み、彼をうまく言い包めて協力を取り付け、とある喫茶店でねずみ男と知り合った三吉の顔を剥ぎ取らせた。

その後、やたらと美形顔に拘り整形を繰り返していた、三吉の婚約者の月子(かなり性悪で高飛車な上に強欲)にその存在を知られ、彼女に唆されるままに結婚を決意。挙句、彼女に嗾けられるままに「人魂を養殖して顔を集めよう」と考える様になってしまう。

ドーナツやケーキなどに魂を練り込んだものを相手に食させて霊形手術を繰り返すが、一連の事件を偶然知った鬼太郎達が、このままでは街中に顔盗り事件が氾濫してしまうと危惧し、乗り込んでくる。

鬼太郎たちはずんべらと月子の結婚を阻むべく、コレクションの入った金庫を深い山奥へと隠す。ずんべらは抵抗するが、月子が肥大化し過ぎた欲望から石と化して絶命し、彼女の因果応報的な最期を見た事で自身の過ちに気付く。

ずんべらは「三吉くんに顔を返してやってくれ、やっぱり自分の顔の方が良い」といい、金庫と引き換えに三吉の顔を返還。生きている人間から顔を集めるのは金輪際止めて、今まで通り死人の顔だけを集める事を心に誓い、ねずみ男とも縁を切ると、元の静かな暮らしへと戻っていった。

第6期での設定

第15話『ずんべら霊形手術』に登場。こちらでは2期と違って、妖艶な美女となっている。

「美を追求するあまりに当時不老不死や美容に効果があると信じられてきた水銀を飲んで(恐らく錬丹術を試したものと思われる)中毒死した女性」(解説・目玉おやじ)が妖怪と化した存在で、姑獲鳥/産女百々目鬼ビアンニーペナンガランルサルカ産鬼と同じく“元”人間という設定となっている。

また、その出自からは第5期に登場した白鬼髪と黒鬼髪に近い存在ともいえる。

顔を変えたいと望む人間に“人魂の天ぷら”を食べさせて霊形手術を施し、剥ぎ取った顔はつづらの中の木箱に保管してコレクションしていた。

普段は死人から顔を収集しているが、その出自故に求めてるなら誰でも持っている“美への欲求という業”を何よりも愛していると語る。

そのため、美への執着が強い女性を察知すると老婆に扮して近付き、無償で霊形手術を施して顔を剥ぎ取り、死人の顔を張り付けていた。

  • このシーンは無茶苦茶怖いので、トラウマになった人もいるかもしれない。

手術を施された人間は、望み通りの美しい顔を手に入れて有頂天になる。

しかしその効果は一時的なもの。所詮まがい物の死人の顔は長くは持たず、時間が経つと目も鼻も口も無い、のっぺらぼうとなってしまう。顔を維持し続ける為には、定期的に死人の顔を張り続けるという、それこそ妖怪じみた行為を繰り返さなくてはならない。

劇中では犬山まなの同級生で、自分の顔に強いコンプレックスを抱く房野きららに接近、霊形手術を持ちかけてきららの顔を美少女の顔に取り換えた。

偶然その一部始終を目撃したねずみ男は金儲けに利用しようと考え、きららが憧れていたアイドル俳優、ユウスケの“ファン代表”の少女を釣り上げるが、ずんべらはその少女(性格は性悪とは言えないまでも、あんまりよろしくない)にも、無償で霊形手術を施した。

だが故意なのか、後遺症の事までは説明していなかった為に、のっぺらぼうになった2人は狂乱。偶然事態を知ったまなから相談を受け、やってきた鬼太郎達に問い詰められる。しかしずんべらは、美を願う彼女達の求めに応じただけであると答え、あっさりと本来の顔の返却に応じた。ファン代表の少女は、こうしてその場で元の顔に戻っている(きららのその後については、リンク先を参照)。

その後、鬼太郎が人間から顔を取らない様に言うと、ずんべらは含み笑いと共に「私は何もしないさ、女が私を必要としない限り」と答えたらしく、それを聞いたねこ娘は「食えない感じぃ」とぼやいていた。

自分と同じ様な境遇とも言える房野きららに対しては、何か思う事があるらしい様子を見せていたが、鬼太郎に対しあくまでも自分から手を出す事は無いと告げ、元の生活へと戻っていった。

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