概要
鬼髪(きはつ)とも呼ばれる鳥山石燕の妖怪画集『百器徒然袋』に記載される妖怪の一種。
人間の女性の怨みの念や嫉妬心が自身の頭髪に宿って妖怪化した存在で、髪の毛が際限なく伸び続けてその名が示すようにあたかも鬼の角の様に逆立ってしまう。
また、質の悪い事に伸びた髪の毛はいくら切り落とそうともどんどんと際限なく伸び続けてしまうという。
ゲゲゲの鬼太郎
CV:江森浩子
第4期第112話「妖怪鬼髪と黒髪切り」で初登場。こちらでは鬼髪の名で登場している。
伝承通り人間の女性の怨念がその人物の頭髪に宿り誕生した妖怪で、物語が始まる300年前に自身を生み出した女性を含めて人間たちを手あたり次第に襲い掛かり自身に取り込んでいたが、他の髪の毛妖怪から危険視された為、黒髪切りによって人形へと封じ困られ髪の毛の大社に奉納されていた。
が、そんな事は露知らず、人形が金儲けの道具になると思い込んだねずみ男が人形を盗み出してしまった事で封印が解け現代に復活。手始めにねずみ男を自身に散り込むと再び手当たり次第に人間を襲い始めてしまった。
髪の毛から誕生した妖怪である為に“髪の毛針”や“霊毛ちゃんちゃんこ”すらも通じない強敵で、唯一対抗できるのは黒髪切りの歯だけである。
最後は黒髪切りによってねずみ男を含む被害者たちを分離させられた後、自分事鬼髪を「清めの炎」で焼き尽くすように願い出た黒髪切りの思いを組んだ鬼太郎によって焼き払われ消滅した。
第5期での髪鬼
第37話「怨念の鬼髪」に登場。こちらの設定では貧しさの為にやむを得ず自身の髪の毛を生活の為に売り払った女性の無念の思いから誕生した妖怪で、それぞれ別々の思いから2種類の髪鬼が登場している。名称は4期と同じく「鬼髪」呼び。
黒鬼髪(くろきはつ)
CV:富沢美智恵
髪の毛を売った女性の“怨念”から誕生した鬼髪。その名の通り長い黒い髪の毛の姿をしており、元々は“黒髪神社”に白鬼髪と共に奉納されていたが、妹・加奈の美しい髪の毛を自慢していた彼女の姉・里奈が、髪美人コンテストにご利益があると思い込んで盗み出した為に活動を開始し、里奈を自身の依代として憑依。
彼女の肉体を使って自身を生み出した憎しみの赴くままに次々に長い黒髪の女性に襲いかかり髪の毛を切り落とすという通り魔事件を引き起こしていた。
取り付いた人間の妄執と一体化している為なのか、その怨念はすさまじく、鬼太郎たちが用意しておいた封じ札すらも通じなかったが、最後は姉を助ける為に姉の抱く妄執を絶つべく自ら髪を切り落とした妹の加奈の姿を見て隙が生じ、その隙に白鬼髪によって里奈から分離されられた上で白鬼髪と一体化する事で封じられた。
白鬼髪(しろきはつ)
CV:金月真美
黒髪鬼と対となる存在で、髪を売った女性の“悲しみ”の思いから誕生した鬼髪。
その名の通り長い白髪が特徴的な妖怪で、黒鬼髪と違って人に憑りついて活動しておらず、(おそらく)自身の妖力でピクチャーハットを被ったスレンダーな白い肌に白いドレスを着た女性の姿に化身して活動している。
ちなみに本体はあくまでも髪の毛である為なのか、目元は髪に覆われていて見えない。
当初は自身と双子の関係ともいえる黒鬼髪の暴挙を止める為に宿主の里奈諸共封じ込めようとしていたが、姉を救うために加奈が自らの髪を切った姿を目撃し、かつて自分たちが生まれる起因となった出来事と照らし合わせて加奈の想いに心動かされ、加奈の行動を見て動揺し隙が出来た黒鬼髪から姉・里奈を分離。
それと同時に自ら黒鬼髪と一体化する事で黒髪鬼を封じ込め、両者は一房の髪の毛の姿へと戻ると、再び“黒髪神社”へと奉納された。