データ
(出典:『仮面ライダーブレイド超全集』p.26、東映公式『仮面ライダー図鑑』より。)
概要
特撮番組『仮面ライダー剣(ブレイド)』に登場する怪人。アンデッドの1体でハートのカテゴリー2に属する。
人間の祖たる不死生物であり、彼が1万年前のバトルファイトの勝者となったことで人類が地球の支配者となり繁栄したというのが『仮面ライダー剣』の世界における人類史である。
外見
見かけは上半身裸にジーンズを履いた普通の人間と変わらない姿をしている(カリスと対峙している回想シーンは現代なので、どこかから衣類を調達したのだろう)。
その顔は仮面ライダーカリスの変身者である相川始と瓜二つだが、これは相川始の正体が♥2「スピリット」のカードを用いてヒューマンアンデッドの姿に変身したジョーカーであるため。
普通の人間である三上了とも瓜二つだが、特に理由は明かされていない。
他のアンデッドと異なり体に古傷にあたる黒い箇所がなく、古傷らしき部分が無いのは前回のバトルファイトの勝者故なのか、1万年というとても永い年月が経っている為完全に完治してしまったのか、人類の祖先らしく力よりも頭脳を使った戦法で戦い抜いたからなのか、詳細は不明。
人物
タランチュラアンデッドと同様、アンデッドとしては珍しい穏やかな性格の持ち主。
他者には敬語を使っており、対話の際は口を開くことはなくテレパシーのようなもので意思疎通を行う。
本編開始より前、1万年前から生き続け人間社会に潜んでいたヒューマンアンデッドは、現代で封印を解かれたジョーカー(姿はカリス)に遭遇。前回のバトルファイトでジョーカーを封印した存在でありながら、一切抵抗することなく自らジョーカーに封印されることを選んだ。
封印されてもなおスパイダーアンデッドのように意思を残していたようだが、スパイダーアンデッドとは違い持ち主の意識と肉体を乗っ取るような事はせず、内から働きかけることでジョーカーの本能を抑制、これまで戦うことしか知らなかった性格が徐々に和らぎ、人間を愛するようになっていった。
『仮面ライダーブレイド超全集』p.29では「ジョーカーの姿に戻ることを忌まわしく思うようになっていった」と記されている。
物語後半ではカードを奪われたことでジョーカーの本能を抑えきれなくなった始が自己催眠により意識を失った後、彼の体を借りる形でヒューマンアンデッドとしての意思が表出し剣崎一真たちと対面した。
剣崎たちに1万年前のバトルファイトの真実を語る一方、勝者として何を望んだかという質問には答えず、逆に剣崎に対し「君なら何を望みますか?」と問いかけたのを最後に再び眠りにつく。
人間と全く変わらない容姿をしており現在の人類にも敵対しようとはしないが、れっきとしたアンデッドでありバトルファイトの正当な参加者である事も事実である。終盤ではバトルファイトの実態を知った橘朔也が事態の収拾手段として「ヒューマンアンデッドを解放しジョーカーを含む他のアンデッド全てを封印する事で、ヒューマンアンデッドを勝利者とする形でバトルファイトを終了させる」という現実的な案を提唱していた。
結局ヒューマンアンデッドの望みが明かされることはなかったが、『仮面ライダーブレイド超全集』p.87には「あらゆる動植物が幸福に暮らす世界、それこそがヒューマンアンデッドが、剣崎一真が望んだ世界だったのではないだろうか。」と記述されている。(トリロバイトアンデッドの子孫=三葉虫がいないが、三葉虫はおよそ2億5千万年前には絶滅しているため、前回のバトルファイトの時点で存在していない)。
皮肉にもヒューマンアンデッドの子孫たちの手によりバトルファイトはあらぬ形で再開されてしまったのだが……
ラウズカード
封印されたラウズカードはハートのカテゴリー2「スピリット」。絵柄は横を向いた人の胸に大きなハート(心臓)が描かれたデザインをしている。
カリスラウザーにラウズすることで使用者をヒューマンアンデッドの姿に変える。
ラウザーユニットをコネクトしたカリスアローや、ブレイラウザーなどの他のライダーのラウザーにラウズした場合の効果は不明。
他のカテゴリー2のラウズ効果が武器攻撃の強化であることから同系統なのでは?と推測されることもある。
第31話『53番目の存在』のエンドカードに選ばれている。
「スピリット」は他のラウズカードと比較して異色な点が多い。
- カテゴリー2のラウズカードなのに、絵にアンデッドバックルが存在せず、胸に巨大なハートマークが描かれている(アンデッドバックルが描かれていないラウズカードはカテゴリーAとカテゴリーKのみ)。
- カードの名称にアンデッド名(ヒューマン/Human)が含まれていない(放送当時の玩具対応カードでは「スピリットー人間ー」表記)。
- プロパーブランク時の鎖がそのまま残っており、胸のハートと繋がっている。
- カテゴリー2~5に存在するはずのFP(フォースポイント)が設定されていない。
これらがバトルファイトに勝利した者の特徴なのかは不明。
余談
- 彼が身に着けているバックルは「アンデッドバックル」として商品化されている。上半身は裸、下半身を青のデニムジーンズにして装着すればヒューマンアンデッドになりきれる。
- 物語後半から脚本に参加した會川昇 は、相川始の設定を整理するべく、本編に至るまでの経緯として「ヒューマンアンデッドは自身がアンデッドであることを忘れ、相川始という名の人間として生きていた→バトルファイトの開始とともにヒューマンアンデッドとしての記憶を取り戻す→ジョーカーを抑制するためにわざと封印される」という流れを考え、視聴者にこの設定を説明するために「相川始(記憶を取り戻す前のヒューマンアンデッド)と暮らしていた女性」を登場させるという構想があった。
- しかし、これでは1人の人物に4つの要素(相川始(記憶を取り戻す前のヒューマンアンデッド)、ヒューマンアンデッド、ジョーカー、カリス)が集中して複雑になるためこの案は採用されず、3つに絞られた。(『仮面ライダー 平成 VOL.10 仮面ライダーディケイド』p.33より)
- 実際、本編では「ヒューマンアンデッドが相川始を名乗っていた」という描写はなく、その相川始と暮らしていた女性も登場しない。
- 『仮面ライダー図鑑』には「現代で解放されたのち、早い段階であえて無抵抗のままジョーカーに封じられた。」と記載されており、敗北した他のアンデッドと同じく1万年間カードに封印されていたかのようになっているが、『剣』本編では広瀬栞が「スピリット」のカードに対して「あのカードに1万年生き続けたアンデッドが…」と言っており、『仮面ライダーブレイド超全集』でも「ジョーカーは、現代に潜んでいたヒューマンアンデッドを発見。」(p.87)と書かれている。
- そもそもあらすじからして、チベットの洞窟で発見されたのは52枚のカードであるため、封印されていたのはヒューマンアンデッドを除いた51体の生物の祖+ジョーカーということになる。
- なお、人類の祖先である彼が上級アンデッドのようなJ〜Kではなく、カテゴリー2なのはAよりも2が強い「大富豪」のルールからではないかという見方もある。スートがハートなのはラウズ効果の「SPIRIT(=魂・心)」からだろうか。
- 身長・体重は演者である森本亮治氏の当時のものと思われるが、大半のアンデッドが身長2m・体重100kg超えであることを考えるとアンデッドの中では相当小柄である。体格の差では圧倒的に不利であるはずのジョーカーを封印し、一万年前のバトルファイトを勝ち抜いているが現在でも戦闘能力は不明のままである。
- 作中、始は幾度となくマンティスアンデッド(カリス)と間違われていたが、何故か普段姿を借りているヒューマンアンデッドの方と間違われた事は一度も無い。
- ここから察するに「ヒューマンアンデッドも1万年前は違う姿をしていた」もしくは「劇中では描写されていなかっただけでカテゴリーAも人間態に化身可能」のどちらかの可能性が浮上するが、こちらも詳細は不明。
関連タグ
仮面ライダー剣 アンデッド(仮面ライダー剣) 善玉怪人 下級アンデッド カテゴリー2 バトルファイト
関連・類似項目
スパイダーアンデッド:同じく意図的に封印され、使用者に働きかけていたアンデッド。こちらはヒューマンアンデッドとは違い、睦月の心を蝕んでいき我が物とすることを画策していた。しかし、善良な心を持った二人の上級アンデッドの活躍により睦月と分離させられ、今度こそ完全に封印、その計画を阻止される。
魔族(仮面ライダーキバ):13種ある魔族の中に人間族も含まれているため、「仮面ライダーキバ」という作品の人間はファンガイア等の他種族と同様に「怪人」であると見なす事もできる。
インビジブル・ドーパント、ズキュンパイア:同じく元々怪人として登場したもののスーツがなく、俳優が怪人態として演じた怪人。
ジュウオウヒューマン:動物スーパー戦隊に於ける動物モチーフの中で唯一「人間」がモチーフとなった番外戦士。
仮面ライダーエデン/仮面ライダールシファー:後に登場する「人間」をモチーフにした仮面ライダー。
マンティスアンデッド(A) → ヒューマンアンデッド(2) → ハンマーヘッドアンデッド(3)