オリハルコンエレメント
おりはるこんえれめんと
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本作に登場する仮面ライダーのうち、BOARD製のライダーシステム(およびその派生システム)の使用者が変身の際に用いる物質の一つ。媒体によっては中黒を含む「オリハルコン・エレメント」と表記される場合もある。
メタ的に言えば変身エフェクトの類であり、その特性上単に変身という目的だけにとどまらず、後述の通り様々な形で活用される場合もある。
BOARD製のライダーシステムは、通常は変身時に装着される特殊強化服を原子分解した状態で、システムの要たるバックルに収めている。
これを変身時にバックル外へと放出する際、変身に使用するカードと同じ絵柄の、長方形の光の壁という形で具現化した状態がエネルギースクリーン「オリハルコンエレメント」であり、変身者はこれをくぐり抜けることで自身の身体に特殊強化服を装着、わずか1/500秒で仮面ライダーへの変身を完了するのである。
オリハルコンエレメントは変身時だけでなく、バックルからカードを抜き取り変身を解除する際にも現れるようになっており、その場合はオリハルコンエレメントが自動的に変身者へと接近・通過する形で特殊強化服の装着を解除する。また戦闘で過大なダメージを受け、強制的に変身解除に追い込まれた際もやはり同様であり、転倒・落下など如何なる体勢であってもそれに追従するようになっている。
基本的な仕様としては以上の通りだが、システムによってはそれぞれ細かな部分で差異が見られるため、以下にそれらを詳述するものとする。
ブレイド・ギャレン
ブレイドとギャレンのライダーシステムは最初期に開発された都合上、投射されたエレメントもその場に停滞するため、基本的には変身者がそれ目掛けて突入しくぐり抜ける必要がある。発光色はどちらも水色で統一されている。
ただし、TVシリーズ終盤になると他のライダーシステムのように投射されたエレメントが自動で接近するパターンも見られるようになり、『仮面ライダーディケイド』を始めとする後年のシリーズ作品では『剣』のライダー達が登場する場合にもやはりこちらのパターンが採用されている。
また、『ディケイド』に剣崎一真が客演した際には通常とは異なり、ブレイバックルを操作することで直接キングフォームへと変身しており、バックルから投射されたエレメントも金色かつエボリューションコーカサスの絵柄が浮かび上がったものとなっている。
レンゲル
アンデッドの手が加わる形で開発されたレンゲルの場合、アーマーに使用されている素材が他のシステムのような「オリハルコンプラチナ」ではなく「スピリチアエメラルド」であることから、エレメントの名称もそれに合わせて「スピリチア・エレメント」とされている。発光色は紫。
また投射されるエレメントが、自動的に変身者に接近・通過する形へと改良されているのも特徴の一つである。
光の壁とは言え、それを構成するオリハルコンプラチナやスピリチアエメラルドが特殊な鉱石・金属であることから、その物理的な強度は非常に高く、作中でもこれを真っ向から破ったのは、カテゴリーKに属するギラファアンデッドただ一人である。
それに加えて、「くぐり抜けられるのは適合者のみ」という性質を持つ(※)点、それに変身時に勢いよく投射される点も相俟って、しばしばアンデッドを弾き飛ばすほどの威力を発揮する。
状況によってはこれを攻撃や防御、さらには拘束状態からの脱出に用いるという形で利用する場面も度々見られた。
(※ 物語開始以前には、その点が災いしてギャレンの適合者候補であった桐生豪が、変身に失敗し右腕を失うアクシデントに見舞われている)
- 「光の壁を展開してそれをくぐり抜ける」という独特の演出は、メカニカルな装備に魔法的なイメージを付加することを意図したものであることが、放送当時の『宇宙船』(朝日ソノラマ)にて言及されている。
- オリハルコン(スピリチア)エレメントという名称は設定上のみでしか登場せず、またその形状やサイズの近似もあってか、ファンからはもっぱら「畳」と呼ばれることが殆どである。ファンだけに留まらず、時には演者からも「畳」呼ばわりされることさえあるほどである。
- 2019年から2020年にかけて、ブレイバックルとギャレンバックルが「COMPLETE SELECTION MODIFICATION」として商品化された際には、付属品の一つとしてバックル本体の操作と連動し、オリハルコンエレメントの画像が映し出される専用のプロジェクターが開発されている。当初はバックル本体に投影ギミックを搭載することも検討されたが、本体のサイズとの兼ね合いで投影される画像のサイズが十分なものとならないことから、プロジェクターを外部化することで性能の向上が図られる格好となった。