「お前の攻撃は……予測しやすい」
CV:天野浩成
データ
(出典:『仮面ライダー剣 超全集』p.52、東映公式『仮面ライダー図鑑』より。)
概要
『仮面ライダー剣』第35話「危険な変身!?」、第36話「最強フォーム」に登場。
トライアルDが倒された後、広瀬義人によって新たに制作されたトライアル。
アンデッドの細胞と、剣崎一真に心の底で憎悪を抱く者として(眠っている間に無断で)採取した橘朔也のデータを元に作られている。橘の行動パターンを学習し、その通りの戦闘行動を行うという特徴を持つ。作中では攻撃を回避しつつ隙を狙い銃撃するという、橘らしい戦法も見せた。橘曰く「俺のクローン」。
右手に装備したアームガンは『単発(シングル)モード』と『連射(バースト)モード』に切り替えが可能で、その命中精度は百発百中を誇る。
左手には電撃棒『トライアルグリラー』が装備されており、そこから75万ボルトの電撃を放って攻撃対象の動きを封じることか可能とされる。
その正確かつ確実な射撃によりブレイドのジャックフォームを圧倒する・捕獲対象の剣崎を殺害することなく負傷させて任務を着実に遂行するなど、その射撃技術は(調子が良い時の)ギャレン譲りと言えよう。
制作にあたり勝手にデータを使用され、事実上クローンを作られた橘は納得していなかったものの、広瀬は『融合係数の高い人間の遺伝子データがアンデッドとの合成には必要不可欠で、剣崎に対し強い憎悪を持つ者のデータが必要だった』と説明した。
橘は剣崎に対し強い憎悪を持つと言われた際に否定し、剣崎と行動を共にしていた生原羽美を戦いに巻き込んだことにも苦言を呈していたが「君は心の底で剣崎に嫉妬している」「君の心のどこかに、たとえ犠牲が出ても剣崎君を倒す気持ちがあるんだ」と広瀬から指摘されている。
活躍
ギャレンとの模擬戦では♦️4・RAPIDをラウズしたペッカーラピッドにも劣らない射撃技術を見せ、橘からは「こいつは照準を合わせる時、左手をこう上げる癖がある。俺の癖と同じです。更に速射性能も、反応のパターンも似ている」と評された。
アンデッドとの融合計数が極めて高い剣崎一真の生け捕りを使命としており、彼をつけ狙い暗躍。
家出少女の生原羽美に捕まり彼女と行動を共にしていた中で遭遇したジョーカーに対し剣崎が変身したことを広瀬は危険と判断、剣崎の前にトライアルEを向かわせてブレイドと対決。
一度はその高い戦闘能力で仮面ライダーブレイドジャックフォームを敗北に追い込むが、偶々近くにあった消火器を吹き掛けられて失敗してしまったため、剣崎と喧嘩したことでどこかへ去ろうとした羽美の前に姿を現すと彼女を人質に取って剣崎を誘き出そうとし、変身しないよう促す。
生身の剣崎にも容赦なく発砲し、出血した剣崎は羽美から自分を見捨てるよう言われるものの、
「君のいう通りかもな…待ってても…ヒーローなんて来ない…だから…だから俺がみんなを守るって決めたんだ!たとえ今は君1人を守るのがやっとでも…諦めない…運命に負けたくないんだ!」
と返し、傷つきながらも彼女を守ろうとする。
満身創痍の剣崎に射撃しようとしたが、威嚇射撃で倒れた剣崎を回収しに動いた際にうっかり羽美を解放してしまった挙句、剣崎への発砲も邪魔され、剣崎がブレイドに変身する隙を作ってしまう(詰めの甘さも親譲りのようである)。
更にキングフォームに変身すると連続射撃が通用せず、トライアルDとの戦いでも披露した右手のライオンアンデッドのアンデッドクレストが光り輝いて放たれたパンチの一発で吹き飛ばされて劣勢となり、最後はロイヤルストレートフラッシュを喰らい消滅した。
思考も橘に基づくものであり、「剣崎、俺は…!」と断末魔を残した。
トライアル
(きれいな浅倉・草加雅人なら大丈夫♪と並んでカオスと名高い)本作のハイパーバトルビデオにも登場。
『仮面ライダー剣 超バトルビデオ ブレイドVSブレイド』に登場したトライアルシリーズの1体。外見はトライアルEそのままなのだが、『仮面ライダー剣 超全集』p.113などの書籍ではトライアルEとは別個体として、単にトライアルの名称で紹介されている。
カメレオンアンデッドの細胞を元に製作されているのか、(視聴者以外には見えない赤いマフラーを巻いた)剣崎の姿に擬態して白井邸に侵入。虎太郎が執筆資料用に無断で持ち出したブレイバックルのデータをコピーすることで偽仮面ライダーブレイドに変身して本物の剣崎に襲いかかり、♠️3・BEATに対しては(本編では未使用だった)♠️7・METALを使用して防ぐ、(本編では使用しても効き目がない・かわされるなど散々な)♠️4・TACKLEを命中させるなど、ラウズカードを本物以上に上手く使用して優勢に戦う。
途中で橘と睦月が剣崎を援護しようと生身でラウザーを使って攻撃するも、二人とも間違えて本物のブレイドを攻撃してしまい状況は悪化。そこに始が現れ本物のブレイドを見破って二人に教えたことで、投げ渡された「リモート」のカードでローカストアンデッドとディアーアンデッドを解放されてしまい、2体の相手をしている間に「ジェミニ」のカードで分身したブレイドがキングフォームとジャックフォームに強化変身したことで形勢が逆転。「ライトニングスラッシュ」と「ロイヤルストレートフラッシュ」の連続攻撃を受けて爆散、消滅した。
戦いの後、(「俺のリモートのカードのおかげで勝ちましたね」「いや、俺のジェミニだ。俺のジェミニで今分身したじゃないか」というやり取りをしていたアホ師弟は置いといて)剣崎は始に自分が本物だと分かった理由を質問すると「反応がワンテンポ遅れた方がお前だ。トライアルの方が人間より反応が早くて的確だからだ」と返されたものの、事件は解決したのであった(だからマフラーじゃねぇのかよ)。
偽仮面ライダーブレイドの項も参照されたし。
余談
カラーリングの元ネタはシャドームーン。デザイン担当の韮沢靖曰く、Dにヨロイを着せて更に進化したという意味でE=EVOUTIONと解釈している。左腕の武器は宇都宮孝明Pのオーダーで付けられた(『UNDEAD GREEN BLOOD』pp.66-67)。
なお、トライアルEの威嚇射撃を浴びた剣崎の血液の色はこの時点では赤色であったが、物語の終盤では橘が危惧した通りの結果になってしまった。