「宇宙に夢を、星に願いを」
演:天野浩成
概要
赤いスポーツカーを颯爽と乗りこなす、天ノ川学園高校の校長先生。若くて二枚目で人柄もよく、物理学の博士号まで所持している。
疑惑
初登場の際のセリフや立ち振るまいがホロスコープスの1人であるスコーピオン・ゾディアーツとそっくりであり(勘の鋭い友子も警戒していた)、「もしやアイツが」と視聴者に疑惑を持たれたが、同話で別人がスコーピオンのスイッチャーだと判明した為、疑惑は否定された。しかし・・・。
正体(ネタバレ注意、ブラウザバック推奨)
ホロスコープスの一人、天秤座の使徒リブラ・ゾディアーツのスイッチャー。常に組織の中で自分の権威や手柄を上げる事に執着しており、自分より格下と見た者には常に上から目線で接し、役に立たない者は切り捨て、優秀でも自分の立場を脅かす者は排除するという冷酷かつ器の小さい性格。
ぶっちゃけ言えば、表向きの性格とは正反対ともいえる典型的な(悪い意味で)中間管理職な度量の狭い人間である。
ホロスコープス内では絶対的な力を示す我望理事長には忠誠を誓っているが、我望以外のホロスコープスとは基本的に折り合いは悪く(五藤東次郎、杉浦雄太は除く)、特に鬼島夏児や立神吼との関係は最悪。元教え子の園田紗理奈にもあまり好かれてはいなかった。フォーゼに敗れたことで理事長にスイッチを没収されダークネビュラへと送られたスコーピオンに代わって、生徒たちの育成を行う。
その軌跡
采配は全て自分の手の内に収まっていないと気が済まないらしく、学園に不満や恨みを抱く生徒に次々とスイッチを配っていたスコーピオンとは違い、ホロスコープスに覚醒する素質のある生徒たちにスイッチを手渡し、自らの手で教育を施していた。しかし、フォーゼやメテオに阻まれ失敗が続き、徐々に立場が危うくなる。
第21話では、フォーゼとの戦闘でスイッチを紛失するという大失態を犯し、不本意な形で新メンバー鬼島夏児ことキャンサー・ゾディアーツが誕生することになった。
「対等の立場だから命令口調を止めて貰いたい」と不遜な態度を取る鬼島に対し強い憤りを覚え、理事長に一人だけ評価される姿には「軽い、私の扱いが非常に軽い・・・」と嫉妬を隠さなかった。
第28話ではメテオストームに敗れた鬼島を罠にはめ、ダークネビュラへと追放させた。速水自身は当時まだ『超新星』の自力覚醒に至っておらず、鬼島の追放には対抗意識や妬みもあったものと思われる。使命そっちのけの王様気取りで昴星高校を恐怖支配するアリエス・ゾディアーツにも不快感を示していた。
京都ではザ・ホールを消滅させる任務に従事。任務は完遂したものの、フォーゼに敗れ理事長にダークネビュラへと送られかける。しかしその際に『超新星』に覚醒。スイッチャー適性を見抜く魔眼『ラプラスの瞳』を獲得し、処分を免れた。翌話では、さっそく『ラプラスの瞳』を使い、滞っていたホロスコープスの覚醒に成功。慢心した態度もより増していた。
一方、コアスイッチの存在やヴァルゴの素性などの重要機密を、物語開始以前からの幹部たちの中では唯一知らされていなかったことも明らかになった。その件もあり、レオ・ゾディアーツ(立神吼)に理事長への不信を話したところ、彼の強い怒りを買う。変身したにもかかわらず生身の立神に一方的に叩きのめされ、「もうよせ、私が悪かった」と命乞いをしてしまった。
天・秤・散・華
以降、順調に次々とホロスコープスを発見し、ついに残るはピスケス・ゾディアーツのみとなる。しかし理事長が必要としているのはホロスコープスに覚醒したスイッチだけであり、ピスケスを発見すれば自分は用済みになると直感。
そして第45話ではついに離反(サブタイトルもそのままずばり『天・秤・離・反』)。ライダー部に接触し、サジタリウス・ゾディアーツの正体や最終目的など、自身が知る限りの情報を提供。「私は我が身を守るためならなんだってする!」と、かっこいいのか情けないのかよく分からない強い決意で、最後のホロスコープスとなる生徒の保護に奔走する。その際、一度は命乞いまでしてしまったレオ・ゾディアーツに対し生身のまま足止めして生徒を守ろうとするなど、漢を見せた。
…かと思いきや第46話で、全ては最後のホロスコープスを覚醒させるための小芝居であったことが判明。実に2話連続の裏切りである。最終的に、ダークネビュラの出現により一時的に攻撃力がなくなったサジタリウスをライダー超銀河フィニッシュから庇って爆死した→リブラショック。流星から「俺が会ってきた中で、一番最低な男」と酷評されたが、主君への忠誠を貫いて死んだので腐っても忠誠心は貫いた。
魚・座・面・接
『ネット版 仮面ライダーフォーゼ みんなで授業キターッ!』では彼が主人公となるエピソードが6話紹介された。ピスケス・ゾディアーツ適正者を探し出すために生徒(最終話では諸田先生)を一人ずつ呼び出していき、自己アピール(という名のゲスト解説)の後にアイマスクとヘッドフォンの役割を果たすゾディアーツスイッチ型の『リブラヘルメット』で注意を引かせ、その間にラプラスの瞳で適正者か否か判断するが、見当違いな為にレオ・ゾディアーツにボコボコにされるという流れ。
中の人ネタ
彼を演じる天野浩成氏は、仮面ライダー剣においてカリスマ的人気を誇る仮面ライダーギャレンとその変身者である「橘さん(ダディ)」こと、橘朔也を演じていた。そのため、第13話の予告で彼が初登場し、公式サイトで演者が天野浩成と明言された際には多くの平成ライダーシリーズファンが彼の登場を驚き喜んだ。
なお、ネット版では「ギャレン=速水」ネタは鉄板であり、校長が出るたびに毎回登場する。
『スーパーヒーロー大変』では校長がギャレンの変身ポーズをとり(変身はせず)、『みんなで授業キター!』ではフォーゼがギャレンを校長と間違えて大混乱していた。
天野氏は後にスーパー戦隊シリーズで『王様戦隊キングオージャー』でグローディ・ロイコディウムを演じている。敵幹部である点も共通しており、更に初登場回のサブタイトルは「凍てつく天秤」である。
余談
元々はそれほど長生きする予定のキャラではなかったようだが、彼の死を惜しんだ脚本家の三条陸の進言により、30話近くに渡って登場するキャラとなっている。
ちなみに、当の三条氏は天秤座。「自分の星座だったからでは?」とは、塚田英明プロデューサーの言である。
また、彼が超新星で獲得した異能の名前はフランスの物理学者ピエール=シモン・ラプラスと、彼が提唱した学説『ラプラスの悪魔』に由来する。