「お前は知らないだけだ、お前達が存在する本当の理由をな」
「人類を滅ぼす為に生まれたお前達が、笑って暮らせると思うなよ」
演:ジェイ・ウエスト
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーゼロワン』のVシネマ作品「ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷」の登場人物。
ZAIAエンタープライズ本社のCEO。
天津垓に日本支社を任せ、彼が通信衛星アークや滅亡迅雷.netを作る様誘導した張本人であり、謂わば『ゼロワン』の物語における全ての元凶の元凶。本編の後日談となる上述の外伝にて、飛電或人の不在の隙に来日し、満を持して行動を起こすことになる。
また、衛星アークは彼の名からとって名付けられた物であり、アズにとっても運命の存在である(あくまでAIとしてのアークを作らせた最高責任者であり、彼自身が「アークの意思」と言う訳では無い)。
その目的は、新兵器の生産、及びその有用性のアピールを通じてZAIAエンタープライズの兵器産業を活性化させ、自社に利益をもたらす事にある。
バックアップで復元出来るヒューマギアが最も活躍できる場所は「兵士」であると考え、意思なきヒューマギアの兵士「ソルド」を大量生産して、世界中に売り捌こうと画策している。
日本支社からザイアサウザンドライバーを没収し、自らが所持するゼツメライズキーと共に使用して仮面ライダーザイアに変身する。
変身時にはサングラスを投げ捨てる。
劇中での活躍
※ここからはVシネマのネタバレです。閲覧注意!
物語冒頭、ZAIA各国支社との会議にて反発の声も多い中、ソルド計画を実行に移すことを宣言。これ以前よりアズと接触しており、会議の直後、例によってコピーされた飛電ゼロワンドライバーを与えられるが、何故かそれを受け取るだけで使わぬまま、来日後に自身の変身用としてサウザー課からサウザンドライバーを没収した。
独善的な性格であり、自ら仕事を任せたはずの天津の顔も覚えていない様で、独断で計画を進めている事を問いただした彼の事を無関係だと一蹴している。また、来日と同時に、反発したと思われる与多垣ウィリアムソンが「長期休暇」により消息不明となっている事が語られている。
滅亡迅雷.netのアジトにて、仮面ライダー滅・仮面ライダー迅を相手に、仮面ライダーザイアに変身し圧倒、迅をZAIAジャパン本社ビルへと拉致。
迅がソルド0として全てのソルドの先駆けとなるべく復元されていた事を明かし、「マスブレインシステム」に強制接続し管理下に置いた。
迅の発信機を辿り滅・雷・亡が奪還に来るが、それも罠であり、意図的に警備を薄くして迎え入れ、3人をもマスブレインシステムに強制接続。
アズに与えられていたゼロワンドライバーを改造した滅亡迅雷ドライバーとマスブレインゼツメライズキーを利用し、4人を利用して仮面ライダー滅亡迅雷を誕生させた。
その真の目的は人類社会が倒すべき敵としての滅亡迅雷.netを確立し、それを倒す為の正義の力として自社の兵器を売り込むと言う物であった。
これは、或人と滅、そしてエスがそれぞれに悪意を克服した事を踏まえ、改心するかもしれない悪意では無く、揺らぐ事の無い正義こそが終わりのない戦いを産む物であり、それこそが自社の利益に繋がると言う結論に至った為。
想定と違う結論とベルト使用者に憤慨するアズに対し、用済みとばかりにソルドに狙撃させアッサリと破壊してしまう(但し、最終的にアズのボディは何所かに消えており、復元出来ないかどうかは不明)。
仮面ライダー滅亡迅雷による本社襲撃を(自作自演である事は伏せて被害者ぶる事で)利用し、世論を誘導。更にA.I.M.S.が亡を雇用していた事をスキャンダルとして政府による圧力に結び付け行動を制限、ソルドのデモンストレーションを画策。
しかし、ソルドも含む全てのヒューマギアを解放しようと言う4人の信念の為に再び仮面ライダー滅亡迅雷となる事を決断した滅亡迅雷.netによってソルドが解放されて計画は綻び、単身滅亡迅雷に挑むも敵わず、必殺技「滅亡迅雷インパクト」の直撃を受けて敗北。尚も立ち上がるが既に致命傷を負っており、最期の言葉と共に倒れ、そのまま死亡した。
「ZAIA…forever(ZAIAよ…永遠なれ)…!!」
自身の創造物であったアークと同様に己の野望の為に利用した相手に足を掬われると言う皮肉な末路であったが、最期の表情にはどう言う訳か笑みすら零れていた。
『ゼロワン』の劇中において、人間の変身した仮面ライダーの敗北によりその変身者が死亡したのは初である。
更に数々の悪事が明らかになった結果、本人の最期の言葉とは裏腹にZAIAエンタープライズは倒産する事となる。
残した影響
結果的にソルドはマスブレインシステムから解放され自我を得た事で、兵士としての冷静さも統率も喪失。ついでにZAIAエンタープライズジャパンのビルまでも破壊され、元々ヒューマギアの国防への導入を断る口実を探していた日本政府の思う壺となった。
一方で、彼が命を落とした事で、その命まで奪った滅亡迅雷に対し不破諫との溝を産む事となり、結果的に彼の「正義」を焚き付けて次の争いの火種となっている。もっとも、焚き付けた所でもはや売る「物」所か売る「者」すら存在しないのだが…。
リオンの死後、ZAIAエンタープライズが倒産した事が『仮面ライダーゲンムズ』で語られており、続編の『ゼロワン_Others_仮面ライダーバルカン&バルキリー』では自我を得たソルドが意見分裂を起こし、A.I.M.S.派と滅亡迅雷派に分かれ争う事態が発生。
最終的には不破と唯阿の奮闘によりこの対立は収まり、ソルド9とソルド20が「世界の悪意を監視する」滅亡迅雷.netの意志を引き継ぐ事になったが、その裏で嘗ての滅亡迅雷.netの4人はバックアップ毎破壊され消滅、不破も生死不明になっており(死亡説が濃厚)、結論だけ言えば現状が変わらないままリオンの野望が原因で仮面ライダーが4人一度に居なくなる事態を引き起こし、最新の時間軸で戦えるであろうライダーがゼロワン/ゼロツー、もう一人のゼロツー、バルキリー、サウザー、ゲンム、滅の5人だけになってしまった為、長期的に見ても最悪の結果に終わってしまった。(後に一人増え6人になったが)
この一連の事件は全て飛電或人が宇宙に居る隙をついての事であり、結果的に或人が地球に帰還するのが間に合わない内に終息する事となった(この行動の結果、図らずして仮面ライダーゼロツーの株を上げている)。
この点から、多大な犠牲と混乱をもたらした意味では「試合に負けて勝負に勝った」と言うべき悪の大勝利となっているが、それでも或人/ゼロツーが不在の隙で無ければこの結果は無かった物であり、或人の生存はリオンにも処理出来なかった希望として残っている事となる(その気になればゼロツーにも、仮面ライダーアークゼロと同じ芸当をするのは可能であろうし)。
また、多くの犠牲とは言え、「滅亡迅雷.netを巡る戦い」には彼らが復活せず消えた事で区切りがついており、ソルド達も9・20を中心に「人命を守る為に戦うと言う正義のシンギュラリティ」に目覚めた為、リオンの想定したソルドとは大きく異なる未来が訪れるであろう。
余談
- 名前の由来は恐らく百万以上の数を表す英単語の接尾辞であるリオン(llion)+アークだと思われる。
- 仮面ライダーシリーズで外国人俳優が変身したのは『仮面ライダー555パラダイスロスト』以来であり、令和では初の外国人仮面ライダーでもある
- 仮にリオン側が勝利した場合、遅かれ早かれ別の身勝手な正義が立ちはだかる可能性が高い。
関連タグ
仮面ライダーゼロワン ゼロワン_Others_仮面ライダー滅亡迅雷 外国人ライダー
レオ、アヅマ:英語を多用する外国人のダークライダー。レオは数字表記の作品に登場し悪徳大企業に属する。アヅマとは変身するライダーのモチーフが複数ある点も共通している。