概要
機械仕掛けの神の名を冠する世界規模で事業展開を行っている大企業。Deus Ex Machina Industryの頭文字を取り、通称DEM社と呼ばれる。
様々な分野の事業を手掛けており、その中でも顕現装置(リアライザ)と呼ばれる“科学技術を以て「魔法」を再現する技術”においてはシェアの大半をDEM社製が占めており、自衛隊を初めとした各国の軍部にも提供している。
本社はイギリスに置かれ、現社長はアイザック・ウェストコット(アイザック・レイ・ペラム・ウェストコット)。
……とここまでは普通の軍事産業などで世界規模にその名を轟かせた世界屈指の大企業の1つでしかないような説明だが…?
実態
その実態はとある目的(現時点でのその詳細は不明)のもとに結成された、1つの小国家とも捉えることが可能な程の強大な権力を持った一大組織。その従業員数は9万を超える。
表向きは上記の説明通りに顕現装置などを幅広く世界に流通させている大手企業ではあるが、その裏ではその技術の開発の為に人格を無視した非合法の実験や人命を犠牲にする行為を厭わないなど、倫理に欠けた行為を平然と行うブラック企業。
有能な専属魔導師や顕現装置を内蔵した兵器など、一国の軍隊並みの強大な軍事力を独自に保有していることや世界で流通する顕現装置のシェアの大半をDEM社製が占めている現状のため、DEMを敵に回すことは自国の破滅へと繋がる可能性が有ることから各国の上層部にも顔が利き、自社に関する不祥事などの大部分を隠蔽していると思われる。
専属魔術師たちは才能ある者を優先して集めているためか、各国の部隊で不祥事を起こした問題児などが多い。そういった経緯でウェストコットに集められたためか、専属魔術師たちは実態を知らない者を除いて総じて倫理観に欠け、彼の強烈なシンパが多い。
その強大な権力を手にしたいが為に、一部の幹部は社長の座を虎視眈々と狙っているが、現代表取締役であるアイザック・ウェストコットの得体の知れない力と恐怖による支配により辛うじて反アイザック派が抑え込まれている状態であり、組織として決して一枚岩という訳ではない。
なお、アイザックにとってはこの会社は所詮、目的達成のために必要な技術・資金源の確保や措置を取るための手段の一つでしかなく、目的達成後は会社など、そういった連中(反アイザック派)にくれてやるつもりのとの事。だが、ある人物が語ることによれば、いずれ世界を滅ぼしてでも悲願を成すためにそもそもどうでもいいのだと考えている節さえある。
主なメンバー
社業務執行取締役
アイザック・ウェストコット(アイザック・レイ・ペラム・ウェストコット)
DEM社のトップにして、創設者でもある。
人を傷つけたり殺すことを何とも思わず、倫理観を全く欠いた思考の持ち主でもあり、初めて彼と会った十香や折紙が恐怖感を覚え、嫌悪感を抱くなど本当に人間であるかすら疑わしい年齢不詳の男性。少なくとも数十年前から外見年齢は変わっていない。
会社の強大な権力を欲している者たちや、普段からの彼の行動を快く思わない者たちなど、彼の追い落としを謀る者も数多くいるが、化け物と称されるほどの彼から滲み出る独特の威圧(恐怖)感から、殆どの者が彼に(表面上は)従っている。
詳しくはリンク先を参照されたし。
秘書
ノルディックブロンドの長髪が特徴の年齢不詳の少女。アイザックの秘書官を務めているがそれは表の顔であり、その正体はDEM社の裏稼業などを手掛けるDEM第二執行部部長にして、自他共に認める世界最強の魔術師。DEM社の事実上のナンバー2。
アイザックに酔心している節があり、また、彼女もまたDEM社の古参メンバーであるらしく、彼をアイクという愛称で呼ぶなど昔からの知り合いのような関係を窺い知ることが出来る。
慇懃無礼な口調で話し、アイザックと同様に倫理観を欠いた性格の持ち主であり、彼に危険が及ぶ可能性が少しでも考えられる時は、その命に背くことになろうとも独自の考えで動くことも少なくない。
詳しくはリンク先を参照されたし。
取締役
エドガー・F・キャロル
デート・ア・ライブのスピンオフ作品『デート・ア・ストライク』に登場したDEM社専務取締役の1人の禿頭の男性で、ストライクで起きた事件の元凶。
DEM社の上層部の人間だけあって目的のためには手段を選ばない冷酷な性格の持ち主であり、人間を素体にした対魔術師専用の顕現装置“アシュクロフト”の構想を思いつき、その開発に着手。
その成果を手土産にDEM社業務執行取締役であるアイザックを追い落し、自身が社長の座を得ようと目論んでいたが計画は失敗。事はアイザックに露見し、再起を掛け必死に命乞いをするが、その無様な姿勢を良しとしない彼の命を受けたエレンにより文字通り首を切り落とされ絶命。粛清された。
ラッセル議長
DEM社の上層部の1人の老人。
ロジャー・マードック
DEM社の取締役にして反アイザック派の1人。DEM社上層部の例に漏れず、彼もまた目的達成のためなら手段を選ばない冷酷な性格の持ち主である。
DEM社の莫大な権力を手に入れるため虎視眈々とアイザックを社長の座から引きずり落とすことを狙っており、日本での一連の動きを察知し、会社に甚大な損害を与えた事実を突き止め、そのスキャンダルを盾にアイザックを解任しようと画策するも腕を切り落とされるという物理的暴力で封じられてしまう。
そのため、次の手段としてアイザックが滞在する天宮市に爆破術式付きを施した人工衛星を落とし、事故に見せ掛け彼を殺害するするという計画を実行するが、士道たちの活躍により未然に防がれてしまい失敗。
その後計画に加担した他の取締役員と共々、本国で拘束されたようだが、エドガーとは違い命乞いをしなかったためなのか今現在の所、処罰は下されていない模様。
社員及び専属魔術師
ジェームズ・A・パディントン(CV:中西としはる)
エレン配下にして空中艦〈アルバテル〉の艦長を任されるDEM第二執行部の大佐相当官。元イギリス海軍大佐。
ただし、本人は表には出さないが(外見と一致してない年とは知らないのか)親子ほどの年齢差があるエレンに従う事を不服に感じている。
或美島における十香の調査とその捕縛の任を受けたエレンのサポートをしている最中、偶然<フラクシナス>を目撃したことによりラタトスク機関の関与を知り、手柄欲しさに独断で攻撃を仕掛けるものの、人が変わったかのような神無月の神業的指揮と随意領域操作の前にコテンパンにされ返り討ちにされてしまう。
自身の独断専行とバンダースナッチ部隊の一部を失うという大失態からの焦りから、偶然発見した八舞姉妹とその場に居合わせた十香を捕縛しようと襲い掛かるが、せっかく和解しかけていた良い雰囲気を台無しにされた耶倶矢と夕弦の逆鱗に触れてしまい彼女たちの放った“天を駆ける者(エル・カナフ)”により空中戦艦〈アルバテル〉諸共木端微塵に爆死した…。
かと思われたが間一髪助かっていたようで、ラタトスクに捕縛され、尋問されていた。
しかし、アイザックによりそのような状況に陥ったときは記憶がすべて消去されるように生体改造を施されていたようであり、記憶の一切合体を失っていたため情報を漏らすことはなかった。
さらに、恐ろしい事に記憶の処理以外にも生きた会話中継役という改造をも施されており、それを知っている(彼のやり口を知り尽くしている)ウッドマン卿との会話中継の後、用無しになった為、大量に吐血し絶命したと思われる。
DEM社の出向社員として部下9人(アデプタス4〜12)と共に天宮駐屯地の補充要因として配属されて来たDEMの第三戦闘分隊の隊長にしてアデプタスのナンバー3である赤髪の20代半ばの外国人女性。
詳しくはリンク先を参照されたし。
デート・ア・ライブのスピンオフ作品デート・ア・ストライクに登場した褐色の女性。元イギリスのASTに当たる部隊SSSのナンバー2であり、現在はDEM社の第一執行部に所属しており、コールサイン「セオリカス12」の名も持つ。
詳しくはリンク先を参照されたし。
アンドリュー某(フルネームが長すぎるので割愛)(CV:子安武人)
エレンより十香が捕えられているDEM日本支社第一ビルの精霊隔離施設の入り口を護る事を任された魔術師。
明らかに他のDEM所属の魔術師たちと違った武装を施された肉体派のいかつい男性だが、長ったらしい名乗り口上を喋っている途中、喧嘩中の士道と美九のとばっちりを受け一瞬にして撃沈。そのいかつい武装や実力を全く発揮できないまま退場と相成った。
アニメ版ではフルネームが長すぎたためか名前がアンドリュー・カーシーに変更されている。
シャーロット・マイヤー
アルテミシアが植物状態になる以前にSSSで不祥事を起こした魔術師。不祥事を起こしたが才能はそれなりにあったのか、処分の寸前で他二名と共にウェストコットにスカウトされる。
ロンドンの銀行で他二名と共に強盗を起こしたが、たまたま銀行に来ていた真那によって御用となった。
ノックス
バートン
12巻にて登場。DEMの操縦士で、人体実験などが行われている秘密研究所が設置されている地図に無い島“ネリル島”より「第2の精霊」(資材A)を日本の関連施設へと護送の任務を請け負っていた。
しかしその途中で暴走状態に陥った士道の放った霊力の波動の直撃を受け、輸送機諸共撃墜されてしまい2人揃って行方不明に…。
その後、13巻において生存か確認され、前回の事態のにおける呼び出しを受け、責任を取らされる=処刑を覚悟でウェストコットに面談するが、何のお咎めも無いであったため驚愕するも、それ以上の深入りは自身の命に関わると悟りそれ以上の追及はしなかった。
なお、ウェストコットが醸し出す同じ人間とは到底思えないただならる雰囲気を間地かで感じ取ったことで転職を密かに考えている模様。
デート・ア・ストライクのキーパーソンにしてエレンと並ぶ世界最強の魔術師の称号を持つ18歳のお姉さん。
その実力の高さ故に前々から第2執行部へと引き抜こうとされていたが、とある理由からリハビリ生活を送っていた為に実現はされてこなかった。
しかし、現在の所は明言はされていないが(あるいは歴史改変の影響?)ようやく復帰したようで、12巻にて組織から抜けた真那の代わりとして引き抜かれ、アデプタス2の地位を与えられ
本編に登場し、13巻より反転体へと変質した精霊狩りの為の活動を本格的に始動する。
なお、何らかの理由で性格がストライクに登場した時よりも冷たい印象へと変わっているような印象がある。
詳しくはリンク先を参照されたし。
人工精霊
DEM社が幽閉している二番目の精霊から作り出したかと思われる人工精霊。
詳しくはリンク先を参照されたし。
丸奈ありす
初出は士道と精霊たちとの日常を描いた短編シリーズの1つ『二亜ギャルゲー』に登場。
二亜がパソコンに送られてきた不審なスパムメールから開いたURLから手に入れた恋愛シミュレーションゲームに登場するヒロインの1人。
一つの選択肢に対して膨大な量の選択肢や明らかにギャルゲーとは別ジャンルのゲーム(例として格闘ゲームやレースゲーム、挙句の果てには脱衣麻雀など、しかも難易度が激ハードを通り越して最凶状態)をプレイさせるなどいろんな意味で規格外のプレイヤーをクリアさせる気が全く無いに等しいムリゲーのヒロインで、頑なに他人に心を開こうとしないという設定の人物であった為、歴戦連覇のゲーマーである二亜や、彼女から協力を求められた士道でさえ唖然と思ったほどの最凶高難易度のツンデレキャラ。
その正体はDEM社が人工精霊である鞠奈を作り出す過程で製作された彼女のプロトタイプともいえるAI(簡単に言えば、劣化版フラクシナスのAI、模造品のような存在で鞠奈と鞠亜の姉に当たる存在)。
明言はないが、おそらくフラクシナスのAIを模してそれと同じものを制作しようとして生み出された存在だと推測され、(これも推測に過ぎないが)その過程でただのプログラムではフラクシナスにサイバー攻撃ができないことが発覚した事で破棄されてしまうが、密かにネットワーク内に残留していた彼女(?)は今度は簡単には削除されないまで密かに自己増殖を繰り返し悪性のコンピューターウイルスして生まれ変わったようだ。
そして生まれ変った彼女は、自身の情報をパスメールとしてネットにばら撒くと、生みの親ともいえるDEM社に捨てられた事や、元々士道をサポートする役割りを持っていたフラクシナスのAIのコピーであったことも手伝って“愛”というも知る為に暴走。
次々に日本のあらゆる機器をハッキングして大混乱を引き起こしていた。
なお、鞠奈と違ってプログラムの存在だが、高度な人工知能であるフラクシナスのAIを再現しようとして誕生した存在が故に明確な自我のようなものを持っており、外部に散り付けられたカメラやマイクをハッキングする事で、現実世界の状況を把握する事ができるようだ。
天宮市だけではなく日本全体がまりあによって危機的な状況に陥っているとは露知らずに士道達がありすの攻略に四苦八苦している間に事態は深刻化して行き、フラクシナスのコンピューター内に侵入しようとして失敗した際に自身の存在を感知されことを切っ掛けに自身のワクチンソフトを組まれていることを察した彼女は以前のトラウマから今度は亡国の軍事衛星へと介入。
二度も自身を捨てようとする何者かを排除するために天宮市に攻撃を仕掛けようとするが、その直前に士道がマイクに向かって「俺は、お前を、愛している」、二亜の「うん、あたしも…。生まれてきてくれたありがとう……」という心からの言葉を受け“愛”というものを知り、「ありがとう。あたしも――愛してる」というテキストデータを残して自壊し、消滅していった…。
ちなみに押し絵が無い為どのような容姿をしているのかは不明だが、あとがきの作者コメント曰く、やはりというか黒に近い灰色の髪を持つツンデレな少女で、CVはイメージとしては三森すずこ氏とのこと。
<ニベルコル>
初出は16巻。
魔王<神蝕篇帙(ベルセバブ)>の能力の1つなのだが、便宜上、ここで解説する。
ウェストコットが魔王<神蝕篇帙>から生み出した精霊の贋作。
詳しくはリンク先を参照されたし。
主な保有兵器
戦艦
〈アルバテル〉
〈セプタメロン〉
〈ゲーティア〉
エレン・メイザース単独で使用する彼女専用の空中戦艦。
CR-ユニット
〈ペンドラゴン〉
エレン専用の白銀色のCR-ユニット。現在のところ、確認できる武装は背部にある近接武装である巨大レイザーブレイド〈カレドヴルフ〉と中遠距離武装である巨大な魔力槍を放つ〈ロンゴミアント〉の2種。エレン専用に徹底的に調整されているためにエレン以外が装備したとしても従来の装備以下の力しか引き出せない。
〈メドラウト〉
折紙に与えられた〈ペンドラゴン〉の姉妹機である鈍色のCR-ユニット。剣と砲を兼ねた複合兵装〈クラレント〉が最大の特徴。だが、全力を取り戻した十香に破れ、使い手だった折紙が精霊と化したために実質的に破棄も同然となった。
〈スカーレット・リコリス〉
DW-029・討滅兵装〈ホワイト・リコリス〉の実験用に作られた赤い装甲の姉妹機。〈ホワイト・リコリス〉同様の機能を兼ね備えているが、姉妹機同様、性能を重視するあまり使用者の脳にかかる負担を全く考慮せず開発されているため、常人には使いこなすことはほぼ不可能であるが、日本支社に強襲を掛けてきた士道達を迎撃するために実戦に投入される事となる。〈ホワイト・リコリス〉との違いは塗料の違い程度で、それだけに重量に僅かながら差が出ている。
その他
〈バンダースナッチ〉
顕現装置(リアライザ)で駆動する自動機械人形。主に目標の捕縛や警備などに配備されており、腕などに球状のマイクロミサイルと魔力砲が装備されている。そのコアには〈アシュクロフト-β〉が使われており、先の事件から接収した成果を考慮して完成したのはつい最近である。無人島の一つを買い取って、そこに地下施設を作り無人稼働の生産工場にしていたがたまたまやってきた士道たち、そしてそこで反転してしまった十香の手によって壊滅した。
関連タグ
似たもの組織・企業
19巻以降のDEM
ウェストコットの死とエレン・メイザーズがウェストコットの記憶とDEMに関する記憶を失った事でウッドマン計らいでラタトスク機関に移籍し、同じくアルテミシアも折紙達との戦いで記憶を無くして退職した事によって、絶対的な創設者と最強の魔術師2人の主戦力を失った事と先の士道と精霊達、更にはラタトスク機関との戦いで多くの戦力を失った事により、影響力と求心力を一気に失い、マードック達が率いる反ウェストコット派が反乱を起こしたにより、内紛状態と(日下遼子からして言えばお家騒動)なってしまい、本編21巻と本編終了後の舞台である短編『十香プレジデント』においても続いている事から大幅な弱体化は免れないであると琴里は推測している。しかし、日本の『AST』を始め、各国の顕現装置(リアライザ)の装備はDEM製が主流である事と顕現装置(リアライザ)は仮想敵国やテロリストへの抑止力にもなりうる事実から、潰れると困ると考える人々が多くいる為、今後は顕現装置(リアライザ)関係の技術者が引き抜かれる可能性がある。