「<プリンセス>がどれ程のものなのか、少し確かめさせていただきます」
プロフィール
概要
5巻から登場したDEM第二執行部部長で、アイザック・ウェストコットの秘書官を務めるノルディックブロンドの長髪が特徴の美少女。
しかしそれは表向きの姿であり、その正体はDEM社の事実上のトップ、ウェストコットの片腕にして世界最強とされる魔術師で、CR-ユニット〈ペンドラゴン〉を纏い、とある目的のため反転体へと変質した精霊たちを狩る任務、または彼女たちの体内にある霊結晶を入手する任務を帯びている。
口調や物腰は丁寧だが、自身の力に酔っているのかの如く、絶対の自信を持っており、それを相手に自負するかのごとく、慇懃無礼に話しながら平気で相手を殺害しようとしたり拷問を行う冷酷かつ目的のためには手段を択ばないウェストコット同様、倫理観が極めて低い性格の外道で、そのため9巻にて七罪(の体内にある霊結晶目当てで)の居場所を聞き出すため拷問されそうになった士道は、彼女に対し、精霊とは全く別の意味での異物感を感じている。
ウェストコットに対しては崇拝の念にも似た忠誠心を持っており、何よりも彼の身の安全を第一に考えている。
そのため、彼に命の危険が迫った際、精霊の捕縛よりも真っ先に救出するため彼の元に向かっている(その際、ウェストコットに対し「あなたはこんなところで命を失ってよい人物ではない」と発言している)ほか、彼の前では無様な自分の姿を曝さないように努めている。
世界最強の魔術師だとされているだけのことはあり、〈フラクシナス〉の主砲を受け止めるは、美九の洗脳を受け付けなかったり、七罪に幼い姿にされてもその戦闘力が全く落ちることが無いなど他の魔術師たちとは一戦を画すほどの力を持っており、反転した十香とも互角以上の戦いを繰り広げたほか、彼女個人の魔力で動かす専用戦艦〈ゲーティア〉が与えられている程。
それほどの規格外の彼女に傷をつけることができた人物はたった二名のみで、〈フラクシナス〉の介入によって隙ができそこを突いた折紙ともう一名のみ。そのもう一名は未だ不明。
当初、士道たちと初めて会い見えた時は、士道に対して歯牙にもかけなかった(ただのお邪魔キャラ程度の認識)が、十香を助けたい一心で<天使>サンダルフォンを顕現させた彼の姿を見て驚愕し、彼に興味を持ち、彼も精霊と同じく捕縛対象として認識した。
しかし、ウェストコットほど彼の事を重要視していないらしくウェストコットに無断で、また折紙を自身の部下として引き抜く際、士道に手を出さないと約束しておきながら、それを反抗して拷問にかけ、上記の通り、七罪の居場所を聞き出そうとしていた。
なお、士道のことについてはウェストコットと違い彼女は全く知らなかったようだが、ウェストコットが推し進める何だかの計画についてはその詳細をよく知っているらしくまた、DEM社と対極をなす組織である<ラタトスク>の創立者であるウッドマン卿とは顔馴染のようだが、自分たちを裏切った挙句、敵対する組織まで立ち上げた彼には激しい増悪を抱いている。
また、30年前に出現した始原の精霊の情報を二亜から聞き出した狂三にウッドマン卿やウェスコット同様に殺害対象にされている事から始原の精霊の誕生に関与している可能性がある。
さらに、外伝小説において、彼女の目の色が宝石のような表現になっていることや、上記の事が事実の場合は30年間(またはそれ以上)は姿が変わっていない(29年前に精霊になった二亜がほとんど老けていない事から)可能性もあることから、彼女は精霊の内の1人ではないかと一部では囁かれている。
そのほか、同組織には袂を別っている実妹のカレン・N・メイザースがいる(精霊に対する考え方の違いという事だけはハッキリしており、14巻でエリオットとの恋がらみであった事が判明した)。
実は結構おバカさん?
実際問題、本当にそうなのかどうか疑いたくなる部分が多々ある。
例えば、6巻では女装した士道に全く気づいていない(機械では士道の反応が出ているが何故か女性だと認識している)。
さらに9巻では、一瞬の隙に士道に突き飛ばされた際、不可効力で胸を触られた時などは(気持ちも分からんでもないが)憤慨し、本気で怒り狂うなどの数々の冷酷な性格からは想像も付かない姿を披露する。
12巻では霊力暴走のせいでおかしくなっていた士道に口説かれたことに怒り、本気で首を取りに行こうとした。それを阻止しようとした真那が話したDEM内での陰口(ウソ)「もやしっこー部長」にあっさり乗せられる。
番外編で書かれた休日編では最強を自負しているため、庶民を見下しているばかりか、普段の行動が一々大げさ。
- 好物がイチゴのショートケーキで、それを馬鹿にする者には、恐るべき制裁(犠牲者:ジェシカ・ベイリー。特別レッスンで一週間、泣いたり笑ったり出来なくしたらしい…)を加える子供っぽい一面を持つこと。
- 日常生活を殆ど顕現装置(リアライザ)に頼り切っているため、運動不足に陥り、軽い運動(枕投げ)をした後、筋肉痛に悩まされる。ハッキリ言って、素の体力は凡夫と見下している一般市民と同レベル、あるいはそれ以下、というか、基礎体力は明らかに折紙の方が遥かに上。
- そんな状態を打破するため、スポーツジムに通い水泳をやっているのだが、プールを25m泳いだぐらいで(しかもビート板を使用し、下を向くことは敗者に繋がるということから、最強たる自分に相応しくないという理由で顔を水に漬けない状態で‼)疲れ果ててしまい、その挙句、史上最強の自分が25m泳ぐと体が悲鳴を上げるので、普通の人が泳げる限界はを25mだと明後日の方向に思い込むというお世辞にも本当に人類最強の魔術師なのか?と疑いたくなるような思考を披露。さらにビート板に『プリドゥエン』という名前を付けて愛用しているという、今どきの子供ですら殆ど行わないような、中二病ップリを披露。
- 挙句に果てには、ビート板と手放すと焦って足が届く事も忘れる程に狼狽し、プールで溺れかける等々、どう考えてもその理屈はおかしいだろうという思考の持ち主かつ、乙女チックな少女(年齢詐称してるが…)である事の方が目立っていた(どうしてこうなった!?)。
- ちなみに小学生にも負ける位に体力がないことが、短編で判明(もやしっ子というあだ名がつくのもうなずける)。
しかし、こんなことはほんの序の口である。何故ならば…。
史上最大の敵(天敵)!?
実は彼女、自分のペースを乱されると途端に脆くも崩れ去ってしまうという本人も無自覚な最大の弱点を抱えており、そのため、強引かつ猪突猛進な性格の持ち主である亜衣、麻衣、美衣の仲良し3トリオとはモノすんごく相性が悪く、彼女たちと係るとろくな目に合わない為、ただの素人学生相手に本気で天敵と恐れ慄き、疑心暗鬼に陥ってしまっている。
具体的には
- 初出の5巻において修学旅行先で精霊<プリンセス>に酷似した十香をカメラマンに扮して調査および監視している任務の最中、士道のクラスメイトである亜衣、麻衣、美衣の仲良し3トリオの強引かつ積極的な性格と自身の不運のため散々妨害されてしまった(本人は3人が自身の正体に感付いた精霊が彼女らを洗脳し、妨害工作をさせていると明後日の方向に勘違いした事もある。また、あるシーンでは落ち込んで体育座りで夕日を物憂げに眺めるシーンまで存在する)。
- 〈バンダースナッチ〉部隊を率いて十香の拉致に訪れた際、その場所が仲良しトリオが「高速穴掘りの術」を練習した場所だという事を失念していたため、その練習した後の窪みに足を取られた挙句に、倒れてきた〈バンダースナッチ〉に押しつぶされ、「ムギュッ」と珍妙なうめき声を上げ気絶する。
そしてそれ以来、この出来事が切っ掛けで、エレンはただの素人学生相手に本気で天敵と恐れ慄くようになった。
そして普段の日常を描いた外伝作品においては…
天宮市で過ごす休日中、偶然彼女たちに遭遇してしまい、車に引かれそうになるは、午後のアフターヌーンティーのため立ち寄った喫茶店で、裏メニューのくさやパフェや納豆プリンを喰わされ、危うくイナゴチョコまで食べさせられそうになり、泣いて命乞い(?) をして何とかイナゴチョコだけは食べずに済んだが、その後吐き気を催し(本人は演技だと言い張っている)、トイレに駆け込む羽目になるは、スポーツジムでは溺れさせられるはと散々な目にあった挙句、その後、自身の引き起こした自動車事故のせいで士道と十香に鉢合わせになり掛け、身を隠したのは良いが、それを観た三人トリオに何故か、修学旅行中、士道を好きになり日本まで追いかけて来たと思い込まれて、強引に次の日の朝まで女子会につき合わされて休日を台無しにされるなど、散々な目に会わされてしまった…。
ここまで来ると何だか運命の赤い糸で結ばれているのではないのか?と疑いたくなる。
結論
以上のような様々なギャップ萌え描写のために、全くそんな風にみえないおバカキャラっぽいイメージを読者の皆様方に印象付けてしまったある意味不運のボスキャラであった…。
※作者が言うには当初はパッと出のモブキャラ予定がキャラクターの絵を見て一目で気に入ったかららしい。主にいじられ役、もといイジメやすいという理由で…。
関連タグ
魔術師 アイザック・ウェストコット デウス・エクス・マキナ・インダストリー エリオット・ボールドウィン・ウッドマン カレン・N・メイザース
表記揺れ
以下、17巻で判明したネタバレのため、閲覧注意‼
彼女もまた、魔術師の末裔であり、彼女が幼い頃に故郷が魔術師狩りで滅ぼされた過去を持つ。
その際にウェストコットが提唱した世界を書き換えるという理念に賛同し、その為に必要な莫大な量の神秘のエネルギー“マナ”を一か所に集め、始原の精霊である崇宮澪を生み出した事。そしてその余波でユーラシア大空災が起こった事が語られる。
なお、当時魔術師としての腕前は妹のカレンよりも劣っており、こっそりと村はずれの草原で練習に励んでいた模様(その際にウッドマンに良くからかわれていたようだ)。
さらに実は世界最強の魔術師という肩書は、ウッドマンが本来の力が発揮できないためであって、実際には世界じゃ二番目であった模様。
更に18巻にて実はウッドマンのことを好きだったようで、勝手に妹のカレンを連れて消えたことで色々を拗らせただけだったようである。
さらなるネタバレとポンコツぶり(21巻)
19巻での決戦後、ウェストコットを喪った時のショックで気絶して以降、DEMやウェストコットに関する全ての記憶、敵意や悪意を失い、ウッドマンの一存で送信装置の機能を停止するようプログラムしたうえでラタトスクの機関員として令音の後釜となり、士道達のクラスの副担任となった。
顕現装置の無いエレンは、亜衣、麻衣、美衣のトリオになすすべなくいじられて買い物に一緒に行かされる、ニ亜のアシスタントとして働かされるが、ベタも塗れず、トーンも貼れない、機械オンチ、ゴム掛けしても消しゴムの線が残りまくってニ亜にハリセンでしばかれて、「予想以上に何も出来なさすぎて逆に心折れそう」と言われる、士道の作ったサンドイッチを泣きながら食べるなど、最早最強だった頃の面影は跡形もなく消えてしまっている。