「でも、あたしは謝らない」
概要
初出はPS3専用ゲーム版第二弾「デート・ア・ライブ 或守インストール」。
本人曰く或守であり、或守でないものと語る電脳世界に現れた鞠亜と酷似した姿をした謎の少女。
一人称は「あたし」で二人称は「キミ」とギャルを思わせる口調である。
鞠亜より瞳が釣り目であり妖艶な雰囲気を持つが士道によれば姉妹(厳密には同型機)だけあって顔立ちは殆ど同じだそうである。
平時を過ごしている姿は鞠亜とは対照的に黒鉄色の髪に目の色が金色で、逆十字があしらわれた或守の服装がバグを起こしているような修道服によく似た霊装を纏っている(丁度、鞠亜に対するアンチテーゼ的な感じ、彼女の反転態と思わせるような配色となっている)。
また、彼女が戦闘時にとる天使とおぼしきものを纏った姿は金色の目の瞳孔が黒く染まり、髪の一部が金色に染まり、全身にコードが巻かれ、コードで編まれた翼を広げ、服装のみだったバグが肉体にまで進行している姿へと変貌し、より人間や精霊に近い姿となる。(この辺りは戦闘時に機械的な要素が強くなる鞠亜と対照的である)
性格はどこか人形を連想させる生真面目で天然が入った或守鞠亜と全く違い、感情豊かで饒舌である。またいたずら好きであり意図的に人が困っているのを楽しんでるかのような小悪魔的な性質を持ち挑発的な態度で士道たちと接するが自身は煽り耐性が低く免疫もない(後述参照)そのため彼女とは違い、人間的の様に見えるが、彼女と違い電脳世界の住人とはいえ平気で笑いながら消去する行為を平然とやってのける人間的な感情を一切持っていないかのような冷酷にして残忍さを垣間見せる機械的な部分を持っているが本来の彼女自身は非常に繊細な性格であり奥手である(士道に対しても本編では自分の思いを打ち明けれなかった)。
本編をプレイした人なら分かるとは思うが明らかに知能は妹の方が高く意思や強さも備えており、隙もあるため後述の戦闘シーンでは優れた素質と技能を持っているのにもかかわらず士道たちに呆気無く葬られた。メンタルに関しても妹に比べ脆く些細な事でも動揺していた。(また鞠奈は高慢なところがあり自惚れが強いためそれが仇となった。)
何故かよく日が暮れた時間帯に現れ、士道をからかうような言動や何かを知っている様子を見せるなど、なにかしらの物語の重要なカギを握っているらしく、士道に興味を抱き、彼を観察(監視?)していたり、鞠亜と何らかの形で情報を共有しているかのような描写なども見られ、彼女を通じて何らかの目的のために情報収集を行い、そのほか鞠亜の求める『愛』を彼女に教え、彼女の成長を促している素振りも垣間見せる。
なお、ゲームのオープニングで彼女が生まれた場所にはウェストコットとエレンの姿が確認されており、その出生にはDEM社が絡んでいるようだが・・・?
ラタトスクの観測精霊データー
名前 | 或守鞠奈 |
---|---|
識別名 | 不明 |
総合危険度 | AA |
空間震規模 | ? |
霊装 | AA |
天使 | ??? |
STR(力) | 139 |
CON(耐久力) | 98 |
SPI(霊力) | 165 |
AGI(敏捷性) | 187 |
INT(知力) | 135 |
霊装 | 擬似霊装 |
天使 | ※1.Noisy Sphere、※2.不明(凶禍楽園) |
1.※「或守インストール」で登場したものに、アプリ「精霊クライシス」で付けられた名称。
2.※『凜緒リンカーネイション』の展開次第では凜緒から力を引き継ぎ、行使できる様になる
以下ネタバレにつき閲覧注意‼
「世界を全部、消し去ってあげる」
概要2(ネタバレ‼)
その正体はオープニング描写や彼女の行動、そして作者の発言から察するにDEMの首魁・アイザック・ウェストコット主導の元、彼らが幽閉している第2の精霊のデータを元にその姿を模して作られた、あるいは霊力の元にラタトスク壊滅のために制作され派遣された人工精霊。
そのため幼体を持たず誕生時から少女~成人女性?の姿であったとされる。
つまり彼女の方こそが<フラクシナス>のメインコンピューターに侵入したイレギュラーであり、鞠亜と違い最初から感情豊かであったのもそのため。
彼女は鞠亜と同様、膨大なデータの集合体であり電脳世界でのみ実体化して存在できる生きたホログラムのようなもの。今まで他人と触れ合う機会がなかったことから常に孤独感に苛やまれており、また、人工的に作られた存在であるため、自身に対して本物ではないという凄まじいコンプレックスを抱き抱いている。さらに自分を生み出してくれたお父様と慕う“今の世界を全て壊してでも成し遂げたいことがある人物”に直接触れることも敵わないことから彼に対する愛情に飢えており、彼に認めてもらい褒めてもらうことに固着し、彼が下した〈ラタトスク〉壊滅の職務を全うし、彼に認めてもらい自身のアイデンティティを求めて暗躍していた。
しかし、いざ〈フラクシナス〉のメインコンピューターに侵入し、サイバー攻撃を仕掛けようとした矢先に彼女の侵入を感知した〈フラクシナス〉の管理AIにより、最もプロテクトが強固な仮想世界に封じ込められてしまうという事態に陥ってしまう。その為、どうしたものかと考えている最中、たまたま巻き込まれた士道と自身を模して実体化した〈フラクシナス〉の管理AI=或守鞠亜の存在を感知し、AIの記憶がロックされていることを良い事に、鞠亜が『愛』をすることでこの閉塞的な状態に何らかの変化が起こる事を期待し、長い間、士道たちや鞠亜を監視したり、その手助けを行う事で〈フラクシナス〉の制御権を完全に鞠亜から奪う機会を狙っていた。
鞠亜から〈フラクシナス〉の制御権を完全に奪うため、言葉巧みに彼女を丸め込んだりするなど狡猾かつ策略家の一面を持つ一方、戦闘経験が皆無なため、実際の戦闘の際は強大な力を発揮できる割には一度自身の攻撃方法に対処される事態に陥ると劣勢になる傾向が有る。
また、彼女の冷酷かつ狂気的な行動も全てこの自身の生立ちや境遇が影響しているが、素の彼女はトゥルーエンド(鞠亜ルート)で初めて自身に親切にしてくれたり褒めてくれた士道に対してみせた表や表情行動から察するに紛うことなき反抗期真っ盛りのツンデレ娘(少しヤンデレとツンギレ要素が含まれてはいるが…)。
更に上記の出来事や自身をあくまで1人の少女として認め、救おうとしてくれる士道に対し無意識下で心惹かれている節もある。
逆十字があしらわてた修道服のような霊装の名称は不明だが、彼女とは姉妹関係にある鞠亜の霊装から察するにおそらく疑似霊装。
そして天使に相当する能力を顕現させた姿は、上記で開設した通り全身にコードが巻かれ、コードで編まれた翼を広げ、服装のみだったバグが肉体にまで進行したかのような見様によっては嫌悪感を覚える悪魔的な形状で、彼女の正体を彷彿とさせるものとなっている。
天使の具体的な能力は不明であるが、完全に<フラクシナス>の制御件を掌握していない状態でも、電脳空間の世界の出来事をある程度把握できたり、非日常イベントを発生させる。その他、鞠亜から<フラクシナス>の制御権を完全に奪い、完全に支配下置いたときは電脳世界の設定を変更して敵の動きに制約を掛ける、自らの複製体を無尽蔵に生み出す(ただし狂三の分身体と同じく本体よりは多少弱体化している。その代りその強さは本体に依存しているため本体が強化されると複製体も強化される)。さらに複製体を破裂させ、当たった箇所を侵食し自身の支配下に置くなどの攻撃や霊力を使った砲撃、自身の霊装を暴走させて全てのデータを取り込むブラックホールを生み出すことが可能である模様(ただし最後の能力は自身の自我の崩壊に繋がる)。
主な軌跡
鞠亜が愛を知ったことで生まれた一瞬の隙に彼女の権限のほとんどを奪うことに成功すると、自分が慕うお父様に認めてもらうため、彼の言い付け通り〈ラタトスク〉を潰すために行動を開始。その布石として士道達や〈フラクシナス〉のメンバーに宣戦布告として〈フラクシナス〉の主砲を発射し天宮市を攻撃し、壊滅的被害をもたらそうとする(あるいは本来は精霊たちを〈フラクシナス〉の主砲を使い抹殺することで霊晶石を入手することが目的だった可能性もある)。
そしてそれを阻止せんとする士道達と交戦し、一度は鞠亜を唆し、彼女から完全に<フラクシナス>の権限を奪い掌握することに成功し強大な力を発揮できるようになる。〈フラクシナス〉の権限を行使することで霊装を身にまとい、その強大な力で士道や精霊たちを圧倒するが、必死で自分を1人の少女として守ろうとしてくれる士道を助けたい鞠亜の想いが奇跡を起こし、鞠亜も〈フラクシナス〉の権限を取り戻し、霊装を身にまとい力を発揮。鞠亜と力を取り戻した彼女のサポートを受けた士道の猛攻の前に敗北する。
これにより一時は事態が収拾するかに思われたが、士道たちの絆の力に敗北したことにより、自身のアイデンティティが完全に崩壊した彼女は自身の消滅を望み暴走。
<フラクシナス>を天宮市に落下させ自身を含めた全てのものを消し去ろうとするが、決死の覚悟で自身の霊装を暴走させ生み出したブラックホール内に突入して来た士道の顕現させた〈鏖殺公(サンダルフォン)〉により核となる赤い宝石(人工的に制作された霊晶石?)を砕かれた事により消滅した・・・・。
なお、消滅させられる前に鞠亜と記憶を共有しており、その事と少しの間とはいえ初めて自身に直接触れ、親切(お節介)にしてくれたり褒めてくれた士道との触れ合いにより壊れかけた心は既に救われていたらしく、消滅間際に見せた彼女の表情はどこか安らかな満足感に満ち溢れたものであった…。
自分を1人の少女として救おうとしてくれた士道に対しての御礼の気持ちか、あるいは贖罪からか密かに自身と同じく消滅する運命であった鞠亜を密かに彼の持つ携帯電話へとインストールする行動を見せており、もしかすると士道にたいし淡い思いを抱いていたかもしれないが詳細は不明である(後に『凜緒リンカーネイション』において好意を持っていたことが発覚する)。
本編での扱い
上記の通り既に消滅してしまったため彼女が再登場してくれるかは不確定。
ただし鞠亜と情報共有したってことは鞠亜の中に彼女の記憶が保存されているという事になり、もしかすると彼女からその情報のみを取り出して新たな肉体に移し変える事ができれば復活することが出来るかもしれない(登場出来るかどうかは別問題であるが…)。
なお、2015年夏に発売された『凜緒リンカーネイション』において何らかの理由により復活を果たし、〈凶禍楽園(エデン))〉というほぼ何でもありの結界内に実体化して登場する。
公開されたプロモーションムービーによれば凜緒に協力して“一番大事なもの”を見つける為に奔走するらしいが、厳密にいえば、この鞠奈は消滅した鞠奈が復活したという訳ではなく、前回彼女が残した鞠亜のデータにわずかに紛れ込んだ彼女のデータが実体化した存在で本人曰く少し妹と混ざっているらしい。
更に〈凶禍楽園〉の力をもってしても彼女を完全に復活させることは叶わず、鞠亜の体を借りてやっと実体化しているという状況であり、本人の弁によればいつかは完全に鞠亜と完全に同化して消滅する運命が待ちかまえている。
強制されている訳ではないが再降臨した〈凶禍楽園〉の管理者である凜緒の<ガーディアン>という役割りを与えられており、本人の意思で空間を超越していつでも凜緒の元へと駆けつけることが出来る為、当初から〈凶禍楽園〉秘密や凜緒の正体について一番よく知っていた人物でもある。
役目が終われば消滅する、家族というものに憧れている為か似た者同士である凜緒とはとくに仲が良く、本当の家族の様に接している。
また、敵だった自分に対して優しく接し、自身の消滅を良しとしない士道に対して好意を持っているが、それ以上に凜緒の〈凶禍楽園〉の存続を願う彼女の願いを叶えたいと思っているものの、〈凶禍楽園〉の存続という事に関しては否定的という複雑な感情を抱いていた。
なお、キャラクターENDであるIFの世界では凜緒から<ルーラー>としての力を引き継ぎ〈凶禍楽園〉の新たな管理者となった事で、完全に独立した存在となり、世界を見守っている模様。
『アンコール6』にて彼女らしき廃棄プログラムが登場しており、あとがきでもイメージと言っているが彼女を意識していることが言及されている。
※該当エピソードで登場するウィルスプログラムと連動したゲームのヒロインの名前が「或守鞠奈」(あるすまりな)のアナグラムである「丸那ありす」(まるなありす)である上に、二亜は「ちょっと前の自分みたい」とシンパシーを感じていた。
さらに16巻においてウェストが、魔王神蝕篇帙から生み出した<ニベルコル>の姿が瓜二つだったことから、ウェストコットたちが“霊結晶”コクマーの反転を再現しようと試みて誕生したのが、鞠奈だったのかもしれない。
余談
妹の鞠亜共々名前に数字が入っていないように見えるが、実は“或”とは中国で“2”という意味であり、さり気なく2人が二亜を元にして生み出された存在である事が示されていたことが、デート・ア・ライブ マガジンで明かされた。
関連タグ
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