概要
タイムボカンシリーズ第6作『逆転イッパツマン』に登場する敵グループの通称で、シリーズお馴染みの三悪である。
本作に於ける三悪は、リース業界での業績第2位の会社『シャレコーベリース社』の「オストアンデル北部支社」に所属する会社員という設定で、シャレコーベリース社会長コン・コルドーから直々の命令でライバル会社の『タイムリース社』への妨害を目的としている。
しかし、彼らの所属するオストアンデル北部支社はグループ会社内で業績が万年最下位で、更にタイムリース社への妨害が失敗した場合は会長が容赦なく給料やボーナスをカットしてくるので三人以外の社員の給料が低いのも当たり前で酷い時は給料が米などの現物支給だった事すらあった。
そんな調子なのでグループ内で業績第1位のオストアンデル西部支社長隠球四郎からは完全に見下されており、彼らもまた球四郎にライバル意識を燃やしていた。
歴代シリーズの三悪の例に漏れず基本的にやられ役ではあるが、一度だけとはいえ何とシリーズで初めて善玉に完全勝利している。
元々逆転イッパツマンという作品自体がこれまでのタイムボカンシリーズの作品に比べてシリアス成分が強い作品であり、彼等が完全勝利した第30話以前にも主人公であるイッパツマンを追い詰める描写が度々存在していたので伏線はあったものの、(球四郎の陰からの活躍が決め手とはいえ)イッパツマンを討ち取った様子は劇中登場人物は勿論、視聴者にも大きな衝撃を与えた。
こういった活躍もあり、本人達もそれを誇りに思っているようで後の「タイムボカン王道復古」に逆転イッパツマンの三悪代表として出演した際にもコスイネンが「俺はタイムボカン史上唯一正義に勝った事がある最高の科学者様だぜ…」と(顔をイケメンにしながら)誇らしげに語った。
また、第40話では社内社員の千波とセーコが社内結婚をすることが決まりコスイネンから仲人を頼まれ祝おうとしていたが2人の結婚式の幹事を頼まれた時「やっぱり信頼がある」と言う名義でライバル会社のタイムリース社に10mクラスのウェディングケーキの搬送を依頼すると言う自社の利益にならない行動を取ることがおきや無得ず目を瞑ろうと思ってきた矢先、コルドーからリース妨害の命令が来るが、この事に怒った3人は『結婚は大切な事!!』と思い史上初のボスへの命令無視を起こしたことがある(結局居合わせたミンミンと結託した球四郎と共に妨害行為を行った)
メンバー
ムンムン
CV:小原乃梨子
シリーズお馴染みの女性リーダー枠。26歳。
本作ではオストアンデル北部支社長という設定で、会社内では常にチャイナドレスを着こなす美女。
物語終盤まで豪速九に密かな恋心を抱いており、名前を知らない頃は『ミスターX』と呼び慕っていた。
コスイネン
CV:八奈見乗児
本作での頭脳担当であり、オストアンデル北部支社の部長。30歳。
頭脳担当キャラとしてはシリーズで初めての既婚者で妻子持ちである(妻の顔はムンムンそっくり)。
歴代頭脳担当キャラ内でもかなり有能なキャラであり、イッパツマンを幾度なく苦しめた。
キョカンチン
CV:たてかべ和也
本作での怪力担当でオストアンデル北部支社の課長。30歳。
シリーズでも珍しい、頭脳担当キャラと明確に身分の差があるキャラであるがツッコミ時等は対等な立場にいる事も。
これまでの怪力担当キャラと異なり、元軍人である為か「~であります」といった軍人口調が基本だが、稀にこれまで同様関西弁も喋る。
前作ヤットデタマンの怪力担当であるアラン・スカドンから一転して従来寄りのキャラデザに戻されたが目と顔が小さくなった。
ミンミン
CV:土井美加
第16話より加わった4人目のメンバーで、コン・コルドーの孫娘。
ムンムンを「御姉様」と呼び慕っており、三悪と組んで行動する事が多かった。
会長の孫娘なだけあって金持ちで、コスイネンとキョカンチンに昼食をご馳走する事もあった。羞恥心が薄いのか、下着姿や裸でいることも多い。
後半からは球四郎と行動する事も増えた。
関係者
コン・コルドー
CV:肝付兼太
シャレコーベリース会長。67歳。
クリーン悪トリオにタイムリース社妨害の命令を下している、本作の黒幕。
容姿と声優からは想像つかないがれっきとした女性。
その真の目的は…
隠球四郎
CV:大滝進矢 ※出演当時は『小滝進』名義
シャレコーベリースオストアンデル西部支社長。26歳。
ムンムン達とは折り合いが悪く、彼等の事を見下しているが情をかけているとはいえ彼等に小切手を差し出したり、キョカンチンの見合いの手引きをしたりと完全に毛嫌いしている訳でもない様子。
イッパツマンにとってはもう一人の強敵。
彼にも、ある秘密が…
今井市郎
CV:千葉繁
第32話から登場。巨大メカ製造をしている『マシンフレンド』の尼崎工場の第三工場長。
「スポーツメカ」の製造を請け負っているが、『イマイチ』な出来な物が多い。
うえだやの親父
CV:千葉繁
後述の「人間やめて、どうすんの!?」で3人が良く行くおでん屋台の店長。3人の悲惨な妄想に励ます本作におけるコルドーや球四郎嫌味キャラと真逆の良心キャラ。
主なコックピットメカ/ワンポイントキャラ
ブタ
CV:富山敬
シリーズお馴染みのブタメカ。
本作ではことわざにちなんだ台詞でクリーン悪トリオを冷やかしてくる。
イケマスイタチ
CV:鈴置洋孝
イタチ型のメカで、主にクリーン悪トリオの勝利を予感させる際に登場。
ムンムンもこのメカの真似した事がある。
「えー願いましては…(ニンマリと笑い)こらいけまっせ!!」
また劣勢時に、冷やかしに出てくることもある。
「こらあきまへんなー!」
ヤカンメカ
CV:郷里大輔 ※出演当時は『長堀芳夫』名義
第13話からイケマスイタチとセットで登場するようになったヤカン。
一度だけミンミンも真似をした。
「アカンヤカン!アカンがな!」
女子高生メカ
主に逆転王と三冠王登場時、たまにイッパツマンが登場した際にも登場するメカ。
放送当時の女子高生の流行語を使う。
「うっそー!」「ほんとー?」「かーわいい!」
コルドー会長の発言に対し、クリーン悪トリオが真似をしたが、最後にミンミンが怪しいと付け加えた。
「えぇ!?」「うっそー!」「ほんとー?」「アーヤシイ!」
オロカブ
CV:横尾まり
前作『ヤットデタマン』から引き続き登場。
主にクリーン悪トリオが敗北した際に登場するが、本作では誰得なお色気シーンを披露する場面が何回かある。
「愚か…ブ」
びっくり主水
CV:千葉繁
主に登場人物が驚いた際に登場する。
ワンポイントキャラでは登場頻度が非常に多い。
第27話では舞台になった世界に合わせて彼もいつもと違うカットが描き起こされた。
使いどころに困らないギャグであるからか、第30話ではコン・コルドーも真似した他、ムンムンやコスイネン、2-3も真似したことがある。
「えぇー、びっくらたまげたもんざえもん!」
くちびるメカ
CV:千葉繁
びっくり主水と同様に登場キャラが驚いたときに登場するキャラクター。大きな口にパッチリ開いた目と短い手足がついた姿をしている。開いた口の中には必ず「あ」もしくは「え」(エッと驚いたとき)の文字が入る。アッと驚いたときに現れる。まれに「い」や「お」の場合もある。他キャラによるヴァージョンもあり、デフォルメされたデザインになっている。
子々竹破多子(ここだけはだし)
CV:秋山るな
第17話より登場した、五本指が家族の顔になっている足のキャラクター。名前とデザインは「はなし → 裸足」にひっかけたダジャレ。物語中で視聴者に説明が必要な場合に登場し、親指(お母さん)が「ここだけの話」と、他の指(家族)や視聴者にだけわかるように解説し、他の指は「うん、うん」と相づちをうつ。
暗いホタル
CV:小原乃梨子
こちらも登場頻度が高く、主に登場人物が落ち込んでいたり暗い雰囲気な際に登場。
「暗い、暗いなぁ」と言いながらズボンを下ろし尻を光らせる。
複数の個体が一度に登場したり、ミンミンが真似をしたり(尻ではなくパンツを光らせた)した。
結ばれないタコ
CV:秋山るな
「結ばれない」と言いつつ、複数の紐を結ぼうとしているタコ。ミスターX(豪)に横恋慕のムンムンが恋愛に対し、つまづくことを暗示する、冷やかしキャラクター。第41話に登場した。
ヤンバルクイナ
CV:土井美加
沖縄固有の飛べない鳥。劇中では「ヤンバルクイナ、ヤンバルクイナ」と鳴く。クリーン悪トリオがなにかと格好をつけたがるが全然決まらない情けなさを表現する、冷やかし系キャラクター。
主にギャグが決まらず、シビビーンに失敗したときに登場し、「飛べない飛べない」などとクリーン悪トリオが自嘲する。「飛べない」にひっかけたダジャレである。
人間やめて おじさん
CV:肝付兼太
後述の「人間やめて、どうすんの!?」コーナー、開始の合図をする。「人間やめて、どうするの!?」と言って、銅鑼を叩く。
使用(巨大)メカ
シャレコーベバギー
第1話~30話まで使用された、クリーン悪トリオ専用メカ。
コックピット部分は分離可能で、ここがレスラーメカと合体する。
トッキュウザウルスを妨害する分にはそれなりに善戦出来るが、イッパツマンにはいつもやられっぱなしだった。
タイムワープ機能は搭載されておらず、タイム落とし穴を通過して移動する必要がある。
後述のシャレコーベダチョウ登場後にどうなったのかは不明だが、OVA『タイムボカン王道復古』にクリーン悪トリオが登場した際にはこちらが搭乗マシンとして使用された。
シャレコーベフォーミュラ
第12話のみ登場するマシン。
その名の通りフォーミュラマシン風のメカだが基本的な機能はシャレコーベバギーと同じ。
レスラーメカ
第1話~31話(第30話は除く)まで登場した、本作の敵巨大メカ。
タイム落とし穴から小包に包装された状態で送られ、シャレコーベバギーのコックピットと合体し起動する。
今までのシリーズとはメカの趣向が異なっている。
第31話のみ、シャレコーベダチョウのコックピットと合体している。
大逆転王
第28話に登場した、コスイネン扮する『サンパツマン』専用機。
見た目は逆転王を模しているが全体的にチープである。
「ドンコウシャレコーベ」と「偽弾丸ヘッド号」が合体する事で完成する。
シャレコーベダチョウ
第31~57話まで登場した、番組後半のクリーン悪トリオ専用マシン。
第30話でイッパツマンを倒した報酬としてコン・コルドーから送られた新兵器。
シャレコーベバギーと違い、タイムワープ機能が搭載され自力で時空移動が可能となり、単体での飛行も可能になった。
コックピットが分離しレスラーメカ/スポーツメカと合体する点は同じ。
トッキュウマンモスにはある程度善戦するもイッパツマンには負ける点も変わらない。
第40話では前述の結婚による命令無視を起こしたため球四郎とミンミンが操縦した。
スポーツメカ
第32~57話まで登場した、番組後半の巨大メカ。
こちらは『マシンフレンド』の今市から転送される。
番組が終盤に進むにつれコスイネンの予算の都合で未完成の状態での出撃が増えた。
球四郎のタイムマシン
1980年代当時のフィクションによくあった、エアカー型のタイムマシン。コスイネンが発注していたスポーツメカとドッキングしたことがあるため、シャレコーベバギー/シャレコ-ベダチョウと共通の外装機器インターフェイスを持っていると思われる。
レイケツナイト
53・54話に登場した球四郎が送り込んだイッパツマンを誘い出すための囮兼用済みとなったクリーン悪トリオの抹殺用騎士型ロボット。器は苦無状の短剣と両肩に装備された連射可能なレーザー砲、そして迎撃してきた戦闘機多数を撃墜する自爆装置(10分動き燃料が切れたら自爆する)のほか、なぜかトイレとキッチンが備わっている。
その正体は巨大オロカブであり、制限時間が近づくにつれて鎧が剥がれ、最後に正体を現して「愚かーブ!!」と叫んで自爆した(3人は運よく脱出)。
瞬間硬化弾
3悪完全勝利回となった30話でコスイネンが開発した秘密兵器。「打倒イッパツマン」を誓い2週間山籠もりしたコスイネンが『動けないと大変』からヒントを得て開発。バギーの中に入っていた球を撃ち本体に当たった直後、すぐに固まる特殊な液体を使い動けなくなったら多少の衝撃ですぐ壊れる事を狙った。コスイネンの予算の都合上、多少動いてきたが、直後球四郎の殺気でイッパツマンは追い込まれた。
ダイヤモンド弾丸
30・32話で登場した前述の瞬間硬化弾と並ぶ重要アイテムで最も硬い物質であるダイヤモンドを先端につけた、球四郎特製の狙撃用弾丸。作中で4発登場しており30話では1発目は球四郎がイッパツマンを倒す確信を得るべく用意した大量のイッパツマンの的を撃ち抜き、2発目は逆転王のメインコントロールを撃ち抜き破壊し、3発目ではコスイネンがバギーで撃ったビームをイッパツマンが受け止めその隙をつきイッパツマンを狙撃しイッパツマンの胸を貫き破壊した。その後32話でイッパツマンが生きていた事を知った球四郎が新たに1発用意して狙撃したが、イッパツマンが新たに用意した超硬質フォームラバーで対策しており貫く事ができず、弾丸はイッパツマンの胸からこぼれ落ちた。その後、イッパツマンから狙撃用のライフルを破壊したため再使用は行われなかった。
主な決め台詞
- 「イエスダー!」
主にムンムンからの指令を受けたコスイネンとキョカンチンが返しとして使用。
ミンミンも使う事がある。
- 「シビビンシビビンシビビンビン!!」
本作を象徴する台詞で、ズッコケた際に頻繁に使われる。
この台詞と共に画面の隅々に飛び回るのがデフォルトで、主にクリーン悪トリオの面々が使うが彼ら以外のオストアンデル北部支社の社員から果ては球四郎まで幅広いキャラがシビビンしている(タイムリース社のヒゲノ部長も飛んでた気がする……)。
後のシリーズでもそのままの形やリスペクトした形で使われる。
元は関根勤の持ちネタであり、彼に許可を貰い使用していた。
なお、後に『怪盗きらめきマン』の花の刑事トリオも、序盤ではタイムボカンシリーズでも特に有名ということで、これを使っていた。ただし、自力で飛び回るシャレコウベリース者連中と異なり、ジュテーム署連中はロケットエンジンを両脇に抱えている。
後に「フララ~ン」という新たなリアクションに置き換えられる。
EDの「フララーン・ランデブー」との関係性はそちらの項目で。
- 「コスっとな!」「コスっと!」
メカのスイッチを押す際にコスイネンが使用。
本作に於ける『ポチっとな』の事。
「人間やめて、どうすんの!?」
第3話から始まったコーナーでヤッターマンにおけるドクロベエのお仕置き、ゼンダマンの裁判マシーン、オタスケマンの東南長官による愛の特訓、ヤットデタマンの大巨神の大激怒と言った本作におけるオチコーナー。妨害失敗後、毎回コルドーによる厳しい査定、球四郎のいびりなど心身と共に憔悴しきった3人が居酒屋やファミレスで愚痴ったり、公園や空き地、街中を彷徨いふと3人が見た生き物や物を見て「もし生まれ変わったら○○になりたい」と思い(生まれ変わったら○○になる)という妄想劇が行われる。毎回最初は楽しい思いをするが、人以上に思いがけない仕打ちを受け(しかも回によっては球四郎や豪達も仕打ちを行ってく)最終的に「やっぱり人間の方がいい」と思い明日を生きようと決める哀愁感漂うナレーターが流れてくる。なお、この下りはイタダキマンや怪盗きらめきマンの反省会やヤッターマン(リメイク版)スペシャル第2弾でに置けたおしおきの代わりに行った行為も継承している。
超絶ホワイト企業「シャレコーベリース社」
業界第2位の企業で、本社はヒネルトジャー市にあり、本社ビルはタイムリース社にも劣らない超高層ビルである。
放映当時、社宅はボロアパート、北部支社の設備も本社や西部支社などと比べてしょっぱいなど、当時としてはギャグ漫画の『かりあげクン』のほんにゃら産業と並んで「劣悪な職場」の典型のように書かれていた。
ところが、バブル崩壊後の価値観になってみてみると、職員は基本的に正社員、一応の福利厚生は整っている、営業成績がどんなに悪くても基本給は支払われる、その職場環境を守るために管理職(クリーン悪トリオ)は率先して体を張る……など、「なにこの超絶ホワイト企業」となってしまった。
もっとも、コルドーにとっては目標達成のための駒に過ぎず(と、言っても転職しようとして失敗したコスイネンの退職をあっさりなかったことにしたりもしているが)、その目的達成のために球四郎やクリーン悪トリオが役に立たないと判断するや、あっさり計画倒産させてしまったりもするのだが。
とはいえ、作中のほとんどの期間においては、明らかな就学年齢の児童を(しかも危険が伴うと解って)就業させているタイムリース社の方が、ブラック企業よりもさらに酷いスウェットショップ企業であるとすら言える。