概要
帝愛グループに借金漬けでロクに返せない多重債務者や、大きな損害を出すなどの失態で帝愛の信用に泥を塗った社員が課せられる肉体労働。ここに送られることを「地下行き」といい、半ば死刑宣告。
元々は万が一核戦争が勃発した時の事を考えて建設している地下シェルターであり、自分達帝愛関係者並びに政治家など、帝愛と懇意にしている富裕層のために設計しているため広大な敷地面積になり、多重債務者を労働力として数十年かけて建設し続けている。
重機フル稼働の作業環境は劣悪で、騒音と悪臭は当たり前、日給3500ペリカ・年312日で働き詰めな上に福利厚生なんてないのでケガや病気に罹ろうがロクな手当てもない(というか外出券や個室券を使わない限り休みなど許されない)。
そのため怪我人や死人が普通に出る始末だが、作業員同士の金銭のやり取りやギャンブルなどはノータッチ、過剰な虐げはされないように配慮するなどかすかに良心的な仕様も。一応物品販売や漫画などの娯楽もあるにはあるが、書籍はバッチリ帝愛が検閲済みなので刺激的と判断された箇所は容赦なく黒塗り(例:みなみけの南夏奈)。物品販売もペリカ制のためかなりのボッタクリ価格。
ちなみにここの作業を行う各班の班長には特権として「労働者のガス抜きや労働意欲の為の娯楽を決める権利」を持っていて、E班の班長・大槻太郎はこれにより本来は御法度である地下チンチロリンの賭場を開き、C班の班長・小田切はタブレットでダウンロードした映画を見せる地下映画館なるものを開いている。
主な行事
- 兵藤会長の誕生日
この日は貧しい食事がカレーになり、労働者に振る舞われる。味は労働者からはうまい味だが大槻曰く甘くて、野菜の切り方が粗悪でまるでなってないらしい。
- 労働者配属希望会議
不定期に行われる。各班長たちが集まり、新たに地下に送られる債務者たちに対し、経歴を説明されたうえで希望労働者を3名まで選び、自分たちの班に要望する会議。だが、実際は上層部が最下層の債務者の意見に耳を傾けているという体が欲しいだけであり、過去10回行われたが要望通りに配属されたことは一度もなく、逆に希望した労働者が配属されなくなるという、帝愛による地下労働者に対する嫌がらせの一つでもある。仮に大槻のように気がついて誰も選ばなそうな不人気の債務者を選んでより良い人材を配属させようとしても、ご褒美(という名の嫌がらせ)で本当に要望通りに配属させることも。
- 大掃除大会
4年に1度開催される地下労働者全員が各班の座敷内を丸一日大掃除するという大会。部屋をきれいにしても特別何かあるわけではない。ちなみに紛失していたペリカや未開封のお菓子などを見つけても、拾ったペリカは労働者同士の争いに発展されるため、規定により帝愛に没収される。
- 土竜杯(どりゅうはい)
年に1度開催される地下の将棋大会。
予選では班別に時間無制限の総当たり戦を行い、勝率の高い者が班の代表として決勝トーナメントに進出。決勝トーナメントでは制限時間ありの勝ち上がり戦を行う。優勝者には土竜王のタイトルを獲得する。大会名の由来はモグラを漢字で書いた「土竜」から。
詳しくはリンク先
- 大晦日
この日だけは労働時間が早く終わり、体を洗う液体石鹸が普段は一押しだが、この日だけ二押しになる(実は普段でも希望すればもう一押しまで許可されているがほとんど知られていない)。普段は班ごとの部屋割りになっているが、この日だけは工事現場ですら全開放されて、自由な場所で飲み食いができるようになっている。さらに、普段はどんな小さい物でも罰則対象である器物破損や、問題行為も余程のこと(重機の上に乗るなど)でなければ見逃して貰えるようになり、食堂ではこの日限定で柳内が作った年越しそば(十割そば)を、関西風・関東風のどちらかのつゆで食べることが選べる上に、石和のように薬味のネギをすべて使用してもセーフとなる。
23時45分になると、黒服によって「ゆく年くる年」が朗読され、共に新年を迎えるカウントダウンをすることになっている。
当然、これは慈善ではなく、地下労働者たちにやる気を失わせないためのガス抜きにすぎない(柳内が作った年越しそばを除いて)。
大晦日の後は班長達が麻雀を持ち出し、一日個室券を使用し、班長麻雀を開催する。
ペリカ
いわゆる炭鉱切符のような帝愛の私製通貨(紙幣)で、レートは日本円の10分の1。つまり日当3500ペリカ=350円相当という泣けるほどの低賃金。
カイジも思わず「牛丼も食えやしねえっ……!」と嘆いたほど。
なお借金返済分が源泉徴収されていること、および諸経費としてピンハネされまくっているためこれっぽっちになっている。その他詳しくはペリカの項目を見る。
余談
連載当初は核戦争という途方もないシナリオについてけない読者もいたが、311の東日本大震災から核と原発事故の脅威が現実的となり、地下王国の必要性が増したため、兵藤の再評価に繋がった。