概要
12月31日(大晦日)に縁起を担いで食べるそば(蕎麦)の事。
日本の年末年始における風物詩の一つであるが、年内に食べ終わらないと縁起が悪いとされ、金運にも恵まれないとされている。
発祥については不確定だが、既に江戸時代中期にはその存在が書面に記録されている。
この頃は江戸で脚気が流行し、蕎麦を食べていた人が脚気にならずに健康に過ごしているという噂から、そばに健康祈願の念を込めて大流行したといわれる。
少なくとも大阪では19世紀初頭に「晦日蕎麦(みそかそば)」という名称で、世間に定着し、年末年始のソバ屋は大いに繁盛したと記録にある。
主に長命富貴(健康運と財運)を願う縁起ものであるほか、他の麺類より切れやすいため“悪縁切り≒良縁招来”の意味も込めているとされる。
近年には年明けうどんも目にする機会が増えているが、これは本来山梨県や栃木県のみの風習だったものを、全く無関係な香川県が広めた経緯があり、状況としては恵方巻きなどに近い。
韓国でもかつては年越しそばと同様の理由で旧正月4日と誕生日に冷麺を食べる風習があった。