曖昧さ回避
- 『仮面ライダーアマゾンズ』の登場人物。本稿で説明。
- 『絶狼<ZERO>-BLACK BLOOD-』の登場人物。
概要
『仮面ライダーアマゾンズ』season2の登場人物。
アマゾンと化した父親に殺害された後、死体から生物兵器を作る技術の応用を用いてシグマタイプと呼ばれる生体兵器となって蘇った少女。16歳。
そして、season2の主人公千翼/仮面ライダーアマゾンネオが食人衝動に駆られる事なく、純粋に護りたいと思う事の出来る唯一の“人間”でもある。
父親の名前から、フルネームは星埜イユだと思われる。
左腕に装着されたネオアマゾンズレジスターを操作する事でカラスアマゾンに変身可能で、特定有害生物対策センター(通称:4C)の一員としてアマゾンを狩っている。
黒崎武率いる黒崎隊の一員として活動することが多いが、休息を必要としないシグマタイプ故に他の部隊でも酷使されており、その扱いは兵器・備品に等しいものだった。
人間の姿のままでも身体能力はかなり高い上に、センサーが仕込まれている左目の義眼で視認する事で相手の正体が人間かアマゾンか見破る事が出来る。ただ、ある程度距離があってもアマゾンの居場所を感覚で突き止められる千翼など、他のアマゾンに比べると感知能力は劣っている。
感知しているのは「アマゾンの人肉への食欲」のようであり、覚醒したアマゾンが複数体一箇所にまとまっていれば離れていても感知できる模様。
なお、左目が義眼である為に左右で瞳の色が異なっている。
肉体の維持や栄養補給は全て「アマゾンズインジェクター」(season2でライダーの変身に用いられる注射器)にて薬品や高濃度タンパク質を体内に注入することで行う。
通常の食事ではアマゾンとなった体を維持することができず、実質4Cに生殺与奪を握られている。
生前は明るく快活な少女であったが、シグマタイプとして蘇った為、痛覚等の感覚や殆どの感情を失っており、口数も極端に少なく終始無表情である。その為、彼女の生前の人間性を窺い知れるのは、父親が好きだった歌を時折口ずさむ時のみ。
しかし千翼の熱心な働きかけにより、少しずつ感情を取り戻していく。
一方で千翼以外からは完全に「死体」扱いを受けており、黒崎からは「父親を怪物に変えたアマゾンをブッ殺すためにこき使ってやる」と宣言されたほか、他のシグマタイプを知る水澤悠や元駆除班員、水澤美月からは「早く楽にしてあげたい」という同情的な理由で死を願われていた。特に生前のイユを知る悠はその想いが強かったため、遭遇するたびに殺害(機能停止)を試みている。
当初、千翼のことは戦闘で連携が取れないどころか邪魔者扱いしたり、食人衝動に駆られた彼をターゲット認定して瀕死の重傷を負わせたりと、味方とすら認識していなかった。更にイユは悠に対して特別な視線を向けており(恐らく生前のイユが悠に好意を抱いていた為と思われる)、彼女を救おうとする千翼の想いは全く届かず前途多難に思われていた。
後に黒崎に「千翼はアマゾンだが駆除しちゃいけない奴」と命令されたことでターゲット認定はしなくなり、何度も共闘するうちに連携もこなせるようになっていった。
そのため千翼が暴走した時も全く対処しなかったが、黒崎に「千翼を狩れ」と命令を再更新された事で再びターゲットと認識、強大な敵として千翼を追い詰めた。
しかし、Episode11でアマゾンネオと激闘を繰り広げて変身が解けた後、千翼を殺すべく現れたアマゾンアルファが千翼にトドメを刺そうとしたのを見て、これまでの千翼との触れ合いを思い出し、アマゾンアルファを攻撃して彼を救った。更に黒崎の命令に背いて4Cを離反し、千翼と共に逃亡生活を送り始める。
しかし、彼女が装着しているネオアマゾンズレジスターには廃棄システムが仕込まれており、橘の命令で札森一郎がそれを起動。廃棄システムは徐々に彼女の肉体を蝕み始める。
しかも感情と人間性を取り戻したことで、父親が母親と姉と自分を惨殺して貪り食ったという凄惨な過去を実感してしまい(通常シグマタイプは生前の記憶はあるが、感情と人間性が無いためにそれに対して何も感じることはない)、発狂。
暴走して黒崎隊と赤松隊の隊員を襲撃、殺害してしまう。
関連項目
長田結花⇒経緯は違うが、似たような過去を持つライダーヒロインの1人。
和泉葵⇒同じく昭和ライダーのリブート作品に登場した次回作のヒロイン。ただし、役回りがどちらと言えばこちらに近い。
最終回ネタバレ注意
千翼が廃棄システムを止めるべく4C本部ビルへの突入を図るが、4C隊員による防衛網と仮面ライダーアマゾンニューオメガの妨害により失敗に終わる。
イユ自身も千翼と共に銃撃を浴びるが、その悲痛な光景を見た4C隊員たちは戦意を喪失。更に元クラスメイトだった長瀬裕樹の行動により、その場からの撤退に成功する。
瀕死の二人は「ふれあい動物パーク」跡地へと逃亡。
ようやく命令から解放されたイユは小石や泥でケーキを作りながら、千翼に初めて笑顔を見せ、思い出の歌を口ずさむ彼の背中に父親の姿を重ね合わせた。
最期は千翼に背負われながら「千翼……私、楽しい」と言い遺して絶命。
微笑んでいるかのような安らかな表情で永遠の眠りについた。