「檻に戻すなんて、そんな! 今度はちゃんと一緒に外にも出るし、もっと自由に…」
演:武田玲奈
人物像
『仮面ライダーアマゾンズ』のメインヒロインの1人。
野座間製薬アマゾンプロジェクトのトップ責任者にして、特殊研究開発本部長である水澤令華の実の娘で、悠にとっては義妹に当たる人物。年齢は17歳。
厳格な母とは距離を置いた生活を過ごしており、また学校では不良女子グループに疎まれ孤立した学校生活を過ごしていることから、いつも優しく自分に接してくれる悠を唯一の心の拠り所としており、また常に気にかけている。
歪んだヒロイン
美月自身は悠を実の兄妹のように仲が良く互いに名前で呼び合うくらいの深い親愛を築いているが実際は上記のセリフで分かる通り無自覚に悠をどこか見下しており悠を「一人の人間」としてではなく「愛玩動物」として接している。
彼女のこの悠への歪んだ接し方には七羽からも若干呆れている。
そのため本作の彼女の行動を大きく俯瞰してみると
・シーズン1
野生の本能に目覚め脱走したペットを家の檻に連れ戻そうと奔走する
・シーズン2
脱走したペットが周囲に被害が及ばないように責任を持って処理しようとするも情で結局見逃す。等
悠とは表面上は義理の兄妹関係だが実際はペットと飼い主の様な歪な兄妹関係である。
だが物語が進むにつれて駆除班や七羽等様々な人物たちとの交流を通してシーズン2や劇場版では彼女のこの異常性は鳴りを潜めている。
美月のこのような異常性にはイジメや半ばネグレクト状態という荒んだ背景があり、過酷な環境の中における数少ない味方である「悠」への依存と執着が起こした暴走の結果である。
シーズン1
ある日悠が突然家を出たことにショックを受け、彼を探すために足取りを追っている最中に偶然遭遇した蝶アマゾン2(幼虫)の襲撃にあった際に変身した悠=仮面ライダーアマゾンオメガに助け出された事で、彼の正体及び身に起った変貌を悟り、また、街で起きている悍ましい裏社会の暗部を知ることになる。
その後、七羽やノザマペストンサービス駆除班の三崎と交流しつつ、悠を“人間”として元の世界へと連れ戻す(七羽の考え方に従えば檻の中へと連れ戻す) 道を模索する為に独自に行動を開始するが、第一シーズン終盤において偶然令華の用意した“金のアマゾンズレジスター”(現在の所詳細は不明。少なくとも現存のアマゾンズレジスターの新型バージョンの可能性が高い)を見つけると奪い取るように持ち出し、“トラロック作戦”が決行される雨天の街中を悠を探してさ迷い歩き、遂にマモルと一緒にいた彼を発見。
彼に“金のアマゾンズレジスター”を渡そうとするが、最早“人間”としてではなく“アマゾン”としての生き方を受け入れ、自分が守りたい者を守るために戦うことを決意した彼に拒絶されてしまい、感謝と別れの言葉を投げかけマモルと去って行く悠を引き留める事が出来ずに為す術もなく見送ることしかできなかった…。
シーズン2
22歳。
アマゾン狩りを行う新組織「4C」の「青山隊」に所属しており、第2話では他のメンバーと共にウニアマゾンと対峙していた。しかし青山隊が彼女を残して壊滅したため、その後は「黒崎隊」に配属される。劇中では福田と行動を共にする場面が多い。
悠の「戦う選択肢はアリだと思う」という言葉を受け、悠が人食いとなった時のために圧裂弾を取り扱う訓練を集中して受けており、黒崎の指示で福田に代わり圧裂弾の担当となる。しかし現時点では悠はまだ人食いになっていないと判断しており、悠に肩入れしている事を一度は橘と黒崎から非難されるも、悠から情報を引き出す役として一応は容認されている。
最後の審判
シーズン2の物語からさらに2年後。
4Cによって山中に追い詰められた水澤悠を助けるべく4Cを裏切り、彼らが悠を殺そうとするのを妨害する。
「悠は人を食べたりしない!彼にも生きる権利があります!」と主張するが聞いてはもらえず、黒崎たちに容赦なく悠もろとも銃撃されてしまう。
その際に右脚に銃弾を受けて負傷しながらも、命からがら悠とともに湖に転落する。
その後、再度結集された駆除班の面々の迎えを受け安全な場所まで移動しようとするが、その最中に負傷していた脚の傷口が開いてしまう。
美月の傷を手当てできる薬を探して森を歩いているうちに古びた洋館にたどり着いた駆除班の面々だったが…
その洋館には切子聖園から脱走したミナ、サンゴ、ヨージが潜伏していた。
肉に飢えていた彼女らに福田以外の駆除班は拘束され、その後付近に停車していた駆除班のバンがミナに見つかり福田とともに捕らわれかけてしまう。
しかし、ミナに「あなたや施設の子たちに生きていてほしい」「人を食べなくても生きていけているアマゾンもいる」ことを告げると、彼女の心は動き襲われることはなかった。
最後には生き残った施設のアマゾンの子たちとともに切子聖園に残り、
「生きて。自分のために…“生きて”」と告げ、彼らに新しく生きる道を示していくのだった。