概要
野座間製薬が遂行した街中に潜伏する4000匹ものアマゾンを一網打尽にする為の駆除作戦。作戦名はアステカ神話の雨の神に由来。
アリアマゾンの群れに乗っ取られたマンションの事件の際に使用された対アマゾンガスを人体に無害なように改良した物を、大量のドローンに搭載して散布する。ただし、このガスの元となる薬品は液体であり、水と混ぜて気化する事で初めて効力を発揮するという特性があるために、街を覆い尽くせる程のガスを発生させられる分の水を用意する事は出来ないので、決行には十分な量の水が自然発生する豪雨の日が条件となる。
更に、ガスを人体に無害なものに改良したのと引き換えに駆除率は8~9割程度に落ちている事が明言されている。野座間製薬の会長の天条隆顕も「生命に絶対はない」「100%駆除する事など不可能」「そこから生き残る者は必ず出る」と予想しており、天条にとっては単なる駆除作戦と言うよりは『生き残った強いアマゾンを選別する』という意味合いが強いようである。
以下ネタバレ注意
経過
野座間製薬の特殊研究開発本部長である水澤令華が起動端末を操作することで作戦が開始される事となっていたが、街に息子でありアマゾンでもある水澤悠が残っていた為に決行を渋っていた。
これに業を煮やした鷹山仁は以前に野座間製薬に勤めていた事を利用して「アマゾンのデータを始めとする社の不祥事をネット上に暴露する」と脅迫。加えて、天条から作戦の開始を急かされた事で、急遽決行される運びとなった。
その頃、街では土砂降りの雨の中で146体もの兵隊アリアマゾンがハチアマゾンの覚醒を切っ掛けに一気に集団覚醒した事によりパニックが生じていたが、降り注いだガスにより覚醒・未覚醒問わず多くのアマゾンが死に絶えていった。
仁はアマゾンアルファに変身しこれまで見せなかった狂乱と共に覚醒したアマゾンの群れへと向かっていく。
マモルは空腹の末に同じ駆除班のチームメイトの三崎の片腕を貪り喰らってしまった事実に発狂しガスが降り注ぐ街へと駆け出していってしまった。
悠はアマゾンオメガとして多くのアマゾンと戦っていく内に「勝手で済まないけど、僕はこれでいい! 僕は、僕の声に従う!」と自分の戦う線引きが定まった事で自らを追ってきた水澤美月に別れを告げ、マモルを含めた生き残ったアマゾンを探す為に豪雨の中へと消えていく…。
かくして、様々な思惑が絡んだ一大作戦は、同時に多くの人物の転換点となりながら終了した。
結果
3週間後に回収された腕輪の数を数えた所、過去に駆除したものと合わせて3000弱、つまり1000匹ものアマゾンの生存が判明した。ただしガスによる無差別攻撃というトラロックの性質上、未回収の腕輪が相当数ある可能性が指摘されており、実際の生き残りはもっと少ないようだ。
トラロックから生還したアマゾンたちはそれぞれの道を歩むことになる(本編のスピンオフ『外伝_蛍火』でも生き残ったアマゾンが登場している)。
駆除班は一旦解散したものの、ある海岸で調査班が襲撃されたことをきっかけに再結成される。
仁はトラロックのガスの影響で顔の半分以上が溶け爛れながらも(メイン画参照)生存し、アマゾン狩りを続けていた。
悠もまた生き残り、マモルや他の(未覚醒の)アマゾン達と共に生きていく事を決意。駆除班の面々の前から姿を消すのだった。
ただ、トラロックのガスには生き残ったアマゾンを突然変異させる性質もあったようで、実際トラロックが引き金となって共食いをするようになってしまったアマゾンがいる。
また、仁はトラロックの影響で一時精神が狂ってしまい、図らずも後の悲劇の元凶を生み出してしまう事になる。