概要
漫画『仮面ライダーアマゾンズ外伝_蛍火』の主人公であり、ホタルアマゾンの人間態の青年。普段は持ち前の怪力を活かして土木作業員として働いている。
本作のヒロインである紬曰く、作られた時から優しい性格ゆえに相手に感情移入してしまう人柄であるらしく、アマゾンの本能に目覚めて人を食らうようになった仲間が処分される事に一定の理解を示しつつも、仲間の1人である茂山が駆除班と交戦しているのを見かけた際は思わず助けに入ってしまったり、自分たちを創っておきながら勝手な都合で自分を含めた仲間たちを処分しようとする人間たちに怒りを覚えつつも、その気持ちも理解してしまうという複雑な心情を抱いている。
対アマゾンガスへの強い耐性の持ち主であり、トラロックが決行された日は仲間の他の実験体との情報交換のために外出していた為に諸にガスを浴びてしまうものの、ほぼ無傷の状態で生き残る。
しかし、その影響でまる3日間昏睡状態に陥ってしまっていた。
トラロック作戦の後は普段通りの生活に戻るが、トラロックによる後遺症なのか、鏡に映る自分の顔が別の顔に見えてしまうという違和感がより顕著なものとなり、しまいには鏡の向こう側に自分とは違う謎の人物を認識するようになるばかりか、記憶にない思い出がフラッシュバックする様になってしまう。
実は野座間製薬の死者の記憶の移植実験の一環として、彼の頭には死者の脳から抽出した海馬が移植されており、彼が襲われた感覚も彼の頭に移植された「潔(きよし)」という名の人物の記憶であったことが後に判明する。
トラロック作戦以降、顕著に自分に移植された記憶が鮮明になってしまい、自分自身が持つ記憶の人物はいったい何者かを知る為に仲間に頼んで、記憶の人物である潔の足跡をたどり、遂に彼の双子の兄である武(たけし)という人物の所までたどり着く。
武と出会った後、何かに導かれるように彼の後をつけて行くが、そこで彼が見たものは、武の肉を貪り食う同じくトラロック作戦の生き残りの仲間だった板野であった。
ガスの影響で顔が半分ただれ満足に外すら歩けない状況に陥ってしまい、既にアマゾンズレジスターの効果が切れカニバリズムを抑えられなくなっていた板野は、仲間からの情報でレジスターが位置情報装置であることを知っていた為、腕ごと腕輪を引き千切り、自分の居場所を悟られないようにした上で、自身の食欲と復讐心を満たすために次々に人間を襲ってはその肉を貪り食っていたのだ。
そんな自分を呆然と見る昇と、彼を心配して追いかけて来た紬に意気揚々と自分の行為を誇らしげに語る板野を垣間見た昇は、「実は自分が潔の足跡をたどって武に接触し、彼を追いかけていたのは武を自分自身の手で彼を狩りその肉を食らう事で、自分の中にある潔の記憶を封じ込めて本当の自分を取り戻す事だった」という事を悟り、本来自分の得物だった武を食らう板野に激しく激昂。
本来の姿に戻ると板野と激しい攻防戦を繰り広げ、紬の制止を振り切って自らの手で殺害した板野に喰らうという狂気的な行為に走り出してしまう。
その原因はトラロックの後遺症により移植された人格が表に表出して人格を侵食。本来持っている食人衝動が歪めれて同胞を喰らいたいという欲求に変わったことにある事が後に判明する。
更にその後、飯柴紬と共に鷹山仁と遭遇した彼は遅れて駆けつけた水澤悠によって何とか命だけは助かるものの瀕死の重傷を負い、命の危機に瀕するが、紬の連絡を受けてやって来た櫛原にアマゾン細胞を活性化させる薬を投与され一命を取り留める。
しかし彼のアマゾン細胞はトラロックが原因かどうかは定かではないが、“アマゾン細胞を喰らうアマゾン細胞”へと変異してしまっており、同じ同胞たちを喰らう衝動に駆られるようになった彼は、人間を喰らった同胞たち(特に人間を食したアマゾンを食べれば食べる程にパワーアップを遂げるらしい)を次々にその手に掛けるようになり、ある意味で生き地獄へと叩き落とされる事となるが…………。