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概要編集

旧態化して力不足と評価されたロボコップの後継機として、オムニ社により製造された。

制御装置の核として搭載されている脳以外の全てが機械化されているのが最大の特徴。そのフォルムも初代ロボコップとは異なり、人型に近い形状でありながらも人型から逸脱しつつある異形となっている。


武装・装備編集

武装面でも初代ロボコップを大きく圧倒している。

  • 主腕一対:三本指のマニピュレーターで、左腕部には後述の武装を装備。
    • 主左腕に7.9ミリガトリング式機関銃(ミニガン)。主武装であり、弾薬帯が胸部下を通る構造になっている。
    • 主左腕先端部に装備されたパンチングアームは伸縮式で、打突時にロボコップをふっ飛ばすほどの衝撃力を持つ。
  • 副腕一対:副左腕はハサミ状のマニピュレーター、副右腕にはプラズマトーチを装備。トーチは劇中で、ロボコップのヘルメットを焼き切ろうとするシーンで使用された。
    • 右肩部に二連装散弾銃を装備。最初に披露された会場内でロボコップに対し使用したが、銃口に弾丸を撃ちこまれ破壊される。
    • 両肩および両脇に二基ずつ、計四基の投光器を内蔵。暗所で使用。
  • 装甲フレーム。高所からの落下やガス爆発をものともしない堅牢性を備えロボコップはおろか、装甲車すら持ち上げる強力なパワーを有する。
  • 脚部。可動式ダガーナイフ状の爪が内蔵され、地面に突き刺して、転倒しても素早く復帰。壁面をよじ登る事も可能。

劇中で確認できる武装および装備は上記の通りだが、ノベライズでは上記の装備に加え、下記の武装の描写がある。これらは初期稿のシナリオや設定・デザインなどに存在するものらしいが、決定稿および映画の劇中には登場しない。

  • 背中に予備の小型投光器が一基。
  • 左腕部に22フィートのチューブ(敵に巻き付け、引き寄せる事が可能)。
  • 右肩に二連20ミリ機関砲。
  • 背中に収納式の防弾盾を内蔵(普段は折りたたまれ、使用時には広がって防御する。ケインはこれをとても気に入ったらしい)。
  • 胸部には小型ミサイル発射装置を内蔵。

※WIKIなどで、「ミニガンや機関砲・小型ロケット発射器のほか、救助装備や格闘兵器としても利用可能なパンチングアームやエンジンカッター、プラズマトーチやバーナーなどを装備」という、劇中に登場しない装備の記述も見られるが、これは初期案や没案、本来の用途などと混同したためと思われる。

本来は装備されていたとしても、単に使用しなかっただけかもしれないが、劇中ではミニガンおよび右肩二連装砲以外の火器・武装は使用していない。また、パンチングアームとプラズマトーチは使用したが、エンジンカッターとバーナーは登場せず使用もしなかった。


警察用途よりも、ED209と同様に軍事転用を目指しての重装備である可能性が極めて高く、事実、劇中では警察のあらゆる攻撃、果ては装甲車の衝突に対してもびくともしなかった。


なお、頭部のハッチの中はディスプレイが収納されており、素体となった人間の顔の画像を映すことができる。

コミュニケーションを取る目的と思われるが一方で言語は発声できず、また画像自体も当時のCG技術の未熟も相まって「何とかヒトの顔には見える」程度の代物でしかない。後述するアンジーの対応を見る限りは「きちんと当人の顔が映っている」事になってるようだが…

機械のバケモノに取り憑いた悪霊怨霊の類が呻き声を上げている、とでも評するのが精々だろうか。


制御に使われた素体編集

頭脳として使われているのは、デトロイトで「ヌーク」という名称の新型麻薬を流通させ、カルト宗教団体を運営もしていた凶悪犯・ケインの脳髄である。


開発を主導したファックスは

  • 機械の肉体を受け容れるのは警官よりも、むしろ力に憧れる犯罪者
  • 強靭な生存欲求から、肉体を失ってもなお正気を保てる
  • 麻薬中毒者であれば褒賞が麻薬で済み、単純で制御し易く従順である

と考え、ケインの脳を選定。


しかし、

  • 性格は狡猾かつ凶暴。
  • 薬物依存症で己の快楽のためなら後先を考えず、些細なことがきっかけで暴走を起こしてしまう。

という危険要因は何ら取り除かれておらず、実態として凶悪犯に強力な武装と不死身の身体を与えただけという結果となった。

制御のための材料とされていた『ヌーク』でさえ暴走を煽り立てる効果しかなく、情動を抑制する機構も機能していないのかロボコップへの遺恨から激昂し、暴走を開始するのだった。


  • 開発の際、ファックスに生命維持装置を切られ人間として死亡したことから、ケインはファックスを激しく恨んでいたと思われる節も。
  • ファックスはこの『ヌーク』を用いる方針をオムニ社の最高責任者であるオールドマン会長には伏せたまま実行。当のオールドマン自身はヌークおよび犯罪者に対しては撲滅を考えており、それらを利用する事など全く考えていなかった。そのため、もし知られたら反対されるとファックスは考えていたらしい。
  • 余談だがこの麻薬、放射能を含有する設定と「Nuke(=Nuclearの略称)」の名が示す通り、小説版では核廃棄物が原料とされている。


2号の試作機編集

実は以前からオムニ社は、初代と同じく殉職した警官の頭脳を使ったロボコップ2号機の開発を進めていた。が、それら試作機は

  • 発狂して暴れた挙句、自らを破壊(自殺)する
  • 始動直後に自殺

といったケースが相次いで発生していた(詳細すると、一機目は研究者らに発砲し死傷者を出した挙げ句自ら頭脳を撃ち抜いて自殺、二機目は自ら頭蓋骨をさらけ出して自殺。いずれも映像記録に残されている)。


明日のデトロイトの平和を守るぞ!

そもそも改造された当人達に許可を得ていたかどうかさえ疑わしく、望まぬ形で殉職した上に勝手にサイボーグにされて蘇らされたら、改造した人間を恨んだり、死にたくなるのも当然であろう。

実際の所、1作目でマーフィーが改造される際に、

「警察に入った時に、(警官は)誓約書にサインしているはずだ。法的にはこの男(マーフィー)は死んでいる。われわれの思い通りにやる(改造する)ことができる」

と、オムニ社の役員であるジョンソンは言っていた。

このために、警察官が死亡した後には、本人の意思など関係なく、ロボコップ2号試作機の改造素体として用いていた可能性が極めて高い

「マーフィーで成功したのだから、次もうまくいくだろう」と安易に考え、精神面や倫理面を軽視した結果が、ケインを素体に用いた遠因とも言える。


無残な形で死を遂げて改造されたにもかかわらず、正気を保っていられたマーフィー(初代ロボコップ)が、ある種、強靭な精神力の持ち主であったとも言える。加えて、マーフィー自身の人間性や、警官としての使命感が強かった事も、ロボコップとして在り続けられる理由と言えるだろう。


ちなみに、映画の中ではケイン以前の試作機は上記の二機であったが、ノベライズでは三機目が登場していた。三機目もまた、ロールアウト直後にバーナーを自分の頭部に押し付けて自殺している。


作中での活躍編集

デトロイト市の私有化を目論むオムニ社だが、市の借金を肩代わりしようとする者(実はケインの麻薬組織の残党)が現れた。これでは借金返済不可能を理由に、オムニ社が市政の実権を握ることが出来なくなってしまう。こうした背景もあってオムニ社の会長であるオールドマンはファックスの提案に乗り、「目撃者を出すな」という条件で、ロボコップ2号機を市長とその協力者の抹殺に向かわせることとなった。


市の借金を肩代わりする代わりに、ヌークの黙認を迫る残党・ホブは「ケインが殺された今、自分達の時代が来た」と喜んでいたが、ロボコップ2号機によってそれも束の間の夢に終わった。

かつてのケインの愛人・アンジーも頭部のディスプレイに映し出されたケインの映像と差し出された腕を見て彼の帰還を喜んだが、その直後ボブの側に付いた裏切り者として案の定情け容赦なく殺されてしまう。


その後、オールドマンによるデトロイトの再開発に伴うデルタシティ造成と、ロボコップ2号機生産ライン誘致を高らかに宣言したデモンストレーションが始まった。


オールドマンはロボコップ2号機を紹介し、同時に実際のヌークが入ったカプセルを「デトロイトの犯罪の象徴」として、高々と掲げた。が、そのカプセルに脳内のケインが反応し奪い取ろうとする。

中枢部にケインの脳を使用し、更にその脳がヌーク中毒になっている事を全く知らないオールドマンは、カプセルを遠くに放る。それに怒ったロボコップ2号機は、ファックスからリモコンを奪って火器の安全装置を解除し、握り潰してしまった。


実はこの時、上記の麻薬組織の残党狩りの後に武装解除をさせていなかった(つまり、テストの後のまま実弾を入れっぱなし)。その装填されたままであった弾丸を用いて、ロボコップ2号機は周囲の記者や警察官達を無差別に虐殺しはじめる(さらにこの直前、警戒したオールドマンが「(ロボコップ2号機の)スイッチを切れ」とファックスに命じるが、「(スイッチは)ないんです」とファックス自身が答えている。暴走時に緊急停止させる安全装置も搭載しておらず、ここでも安全性の配慮が為されてない事が見て取れる)。


ロボコップとの再戦は熾烈を極めたが、最期は中枢ユニットから引きずり出されたケインの脳髄を路上に叩きつけられ機能を停止する。


当然ながらこの大失態でオムニ社の権威はその株価と共に暴落。

試作機を含めた開発費の損失は勿論の事、関係者遺族へ支払った慰謝料も莫大な金額になった事は想像に難くない。

ファックスに全ての責任を擦り付けても焼け石に水だったようで、最終的に『3』にて日系企業カネミツに身売りするハメになったのであった。

……何でデトロイト牛耳るまでに成長出来たんだ、この会社。


商品化編集

上海のメーカー「ハイヤトイズ」から、アクションフィギュア化された。

ロボコップ2 1/18 アクションフィギュア ロボコップ2号機 ケイン

スケールは1/18、サイズは14cm。日本ではあみあみより、2022年3月に発売予定。


また、「グッドスマイルカンパニー」のプラモデルシリーズ「MODEROID」から、2023年3月にキット化され発売している

ノンスケールだが、サイズは22cm。同社「HAGANE WORKS」のマーフィー=ロボコップおよびED209と同スケールにされている(約1/12)。


関連タグ編集

ロボコップ ED209 超兵器 麻薬

モータードクロ:『ニンジャスレイヤー』に登場するロボット兵器。本機のパロディー。

タイタンフォール2:重装甲タイプのタイタンを使う『ケイン』と言う名のヤク中が登場。本作のオマージュか。

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