概要
凶悪な犯罪者集団クラレンス一味のリーダー。冷酷かつ残忍な性格で、自身を追っていたアレックス・マーフィーを殺害し、彼がロボコップとなる原因を作った。
劇中での行動
デトロイト市警では「警官殺し」として恐れられており、劇中でも序盤で警官を何人も殺害していた(本編ではカットされたが、ノベライズにはそのシーンがある)。
デトロイト市警に配属されて間もないマーフィーも彼の殺害対象となり、その際には彼を床に押さえつけ、ショットガンで右手首を吹き飛ばした後に、仲間たちに一斉射撃させた後、頭部に拳銃で止めを刺すという、「殺す行為を楽しむ」ようなやり方で殺害していた。
マーフィーがロボコップとして復活した後、一味の仲間であるエミールと再会。そこから警察のデータバンクより、自身の存在を知られる。
オムニ社の重役リチャード・ジョーンズとは裏で繋がっており、度重なる警官殺しはジョーンズからの指示でもあった。これは治安悪化と警官の死亡率を高めることで自身が推進するED-209の必要性を高めるためである。この他にもジョーンズは自身の障害となるボブ・モートンの殺害もクラレンスに依頼。モートンの自宅に乗り込んだクラレンスは女二人と共にドラッグパーティに興じている彼を痛めつけた末に時限式の手榴弾で爆殺している。
その後、コカイン工場を経営しているサル・ルチオーネと麻薬売買の取引をしている際、ロボコップに殴り込まれ、逮捕。この時にジョーンズが黒幕である事を喋ってしまい、ロボコップにその事を記録された(この直後、ロボコップはジョーンズを逮捕しようとするも、第四指令によりジョーンズは難を逃れる)。
デトロイト市警に拘留されたクラレンスはジョーンズの計らいにより釈放され、これを機に彼と手を切るつもりでいたクラレンスはロボコップ破壊の依頼を一度は拒絶するが、デルタ・シティ建設の際の労働者たちへの麻薬売買、売春宿、賭博場の経営と利益の権利を条件にこれを承諾。新型兵器のコブラ砲を与えられ、仲間たちと共にロボコップ打倒に挑む。
廃工場で手下が一人また一人と排除されていく中、ルイスとのカーチェイスの末に彼女に重傷を負わせ、工場内のクレーンを使ったレオンの不意打ちにより鉄骨や資材の下敷きになり身動きが取れない状態となったマーフィーに「サヨナラ、ロボコップ!」と叫び胸部に鉄棒を突き刺すも、その直後にアクセス用ニードルプラグを喉に突き刺され、絶命した。
ギャング団の手下
下記の手下どもを率いて、警官殺しのみならず、ありとあらゆる犯罪を行っていた。
- エミール
ノベライズでは「エミール・デ=ローリアン」、WIKIなどでは「エミール・アントノウスキー」と記載。
殺人未遂、強盗、放火、凶器を用いた暴行、強姦、私有財産の破壊、自動車による大規模窃盗の前科を持つ。劇中でも第一の手下のように暴れまわっていた。主にバンの運転を担当。それほど頭は良くなく、クラレンスも「こいつは類人猿以上の知恵を持ってる事は断じてない」と言い切っている。マリファナを常用しており、使用すると精神的に不安になるパラノイア。
劇中でガソリンスタンド強盗を行っていたが、その際にロボコップと遭遇。彼がマーフィーだと気づき、「お前なのか」と言った事から、ロボコップの中のマーフィーの記憶が蘇る原因となった。
ラストバトルで、クラレンスとともにコブラ砲でロボコップを破壊せんとするも、産業廃棄物の廃液タンクに突っ込み、身体が酷く溶解。助けを求めながら工場内をさ迷い歩く中、ルイスのパトカーとのカーチェイスを繰り広げるクラレンスのSUX6000に轢かれ、肉体が飛び散る最期を迎えた。
後に『2』と『3』の間のストーリーを描いた2023年発売のビデオゲーム『ロボコップ ローグシティ』にて、彼の兄弟を名乗る『ウェンデル・アントノウスキー』と言う人物が登場するが、本当に兄弟であるかは不明。
- ジョー
ノベライズでは「ジョー・ネルソン」、映画では「ジョー・コックス」。
態度に問題のある、若い黒人。アジトに逃げ込んだ時、立小便をしているところルイスに追い詰められるも、隙を突いて彼女をエレベーターシャフト内に突き落とす。
映画版では、陽気にうざったく騒ぐ男で、ラストバトルにてロボコップに宣戦布告した直後に撃たれ、あえなく死亡した。
ノベライズでは、工場内で暮らす大型犬の野良犬二匹のうち一匹を遊び半分で射殺した後にロボコップとのバトルに突入。
しかし、その最中クラレンスが投げた手榴弾をロボコップが投げ返し、運悪く自分の足下にて爆発。片足を吹っ飛ばされ、もう片足は壁の釘に引っかかり宙づり状態に。釘を外し床に落ちた直後、先刻甚振ったの野良犬の生き残りに襲い掛かられ、そのまま噛み殺されるという因果応報の末路を迎えた。
- ドゥギー・ハリス
ハンサムな顔つきをしている手下の一人。マーフィーにアジトまで追い詰められた末に射殺された。
- ボビー
手下の一人。冒頭で、バンに乗っている最中にマーフィーに脚を撃たれた。役立たずと判断されたクラレンスに「お前空を飛べるか?」と聞かれた後、マーフィーとアン・ルイスの乗るパトカーに投げつけられ、そのまま死亡した。
- スティーブ・ミン
クラレンス一味で唯一のアジア系。頭部にバンダナを巻いている。
サル・ルチオーネの麻薬工場にて、ロボコップと撃ち合い射殺された。
- チャン・オーランド
ノベライズにおけるスティーブ・ミンの役割を有するアジア系ギャング。「香港生まれ」との事。写真とともに聞き込みをしていたロボコップが少年ギャング団の一人から名前を聞いており、ギャングとしてそれなりに有名らしい事を匂わせている。
サル・ルチオーネの麻薬工場にてロボコップと銃撃戦になり、映画と同様に射殺された。
- レオン
ノベライズでは「レオン・クリンゲンスミス」、映画では「レオン・ナッシュ」
副リーダー的存在。ナイトクラブで遊んでいたところを、ロボコップに逮捕される。
ノベライズでは「足を引きずって歩く」という描写があった。
終盤の廃工場でのバトルではクレーンを操ってロボコップに廃材を落として下敷きにするも、その直後に操縦室にアン・ルイスのコブラ砲の直撃を受け、爆死した。
趣味・嗜好
- モートンを殺害した時、彼の両脚を撃ち抜き歩けないようにしてジョーンズからのビデオメッセージを見せた後に、時限式の手榴弾を用いて爆殺した。その際、二人いた娼婦は逃がしているが、モートンが吸っていたコカインを自分も吸っている。ノベライズではこの時に、モートンが飼っていたシャム猫に気に入られ、すり寄られるシーンがあった。クラレンスも気に入ったのか、このシャム猫を抱き上げ、「いいニャンコだよ、おまえは」「さ、おまえとおれは何かうまいものを食いにいこう」と言って、どこかに連れて行った。
- サル・ルチオーネと麻薬売買の取引を行った際、支払額の件で折り合いがつかず、挑発し相手に銃を抜かせた。しかし動じることなくクラレンス側も銃を抜き、一触即発の状況に。その際には「今夜はタイガースの試合があるんだぜ。おれはタイガースの試合は絶対見逃さねえ主義でよ、ここらへんで手を打ってくれよ。そうだな、あと五分のうちにだ」と、こちらの条件を飲まさせた。
- 仲間が釈放され集まった際、仲間の一人ジョーが自分と同じSUX6000に乗っているのを知る(しかも自分のはポンコツなのに、ジョーのそれはピカピカの新車)。それが気に入らないため、ジョーンズから与えられたコブラ砲を取り出し、発砲して車を破壊した。