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概要

巨大企業オムニ社が開発した治安維持用ロボット。

名称に含まれる「ED」とは「法務執行ドロイド」(Enforcement Droid)を意味する。

どことなく録音用マイクを思わせる形状の頭部と、逆関節状の脚部が特徴。

このロボットを治安維持用として投入し、それによって警官の人員損耗を抑えながら無法地帯と化したデトロイトの治安を劇的に改善、そしてその宣伝効果を以って、国内外の兵器産業市場に売り込む事が、オムニ社の筋書きであった。

映画ではミニチュアをコマ撮りしたアニメーションにより動作を表現している。

性能

両腕にガンポッド、右腕に2連装の小型のロケットランチャーを備え、二足歩行による抜群の不整地踏破性と、AI制御により武器を持った犯罪者を検知する判別能力を持つ。

  • 両腕のガンポッドは、ライフル弾でも貫けないロボコップの装甲を数発の命中弾で大きく変形させる威力がある。
  • ロケット弾は無誘導のものか、距離が近いために誘導機能が働かなかったのか不明。命中せず。
  • 被弾し大きく体勢を崩したロボコップにすかさず接近し、ガンポッドによる殴打で追撃を加えるなど戦闘用としてはそれほど悪くないのでは?と思えるAIロジック搭載。本来は戦闘用であるだけに得意分野といったところだろうか。

劇中での活躍

  • 役員会
    • ジョーンズの指示でオムニ社の社員・キニーが『犯人役』として銃を向けると、ED-209は「武器ヲ捨テナサイ!! 20秒ダケ猶予ヲ与エル」と警告。警告に従ってキニーは銃を捨てるが、なんとED-209は彼が武器を捨てたことを認識できずにカウントダウンを続けてしまう。そしてこれが止められないまま、ルーチン通りにキニーを射殺。
    • キニーを射殺した後に至ってようやく射撃を停止。当然ながらこの失態にオールドマン会長は激怒し、対抗馬として立ち上げたロバート・モートンのロボコップ計画が採用されることとなる。
      • 尚、銃を捨てた事が認識できなかった原因は「会議室のカーペットが柔らかすぎて銃が落ちた音を拾えなかった」ため。
      • 劇場公開時にカットされたシーンでは、キニーが死亡したことすら認識できず、キニーの遺体を蜂の巣にするオーバーキルぶりを見せていた。
  • ジョーンズ執務室
    • ジョーンズ逮捕のためオムニ社に踏み込んだロボコップを排除するために配置されていた一機が起動。プログラム『第四指令(オムニ社役員に敵対行動が取れない)』で動きが鈍っていたロボコップをスクラップ寸前にまで追い込む。しかし、ロボコップが苦し紛れにED-209の腕を強引に捻じ曲げた時に、何故か発砲を止めずに自らの腕を誤射してしまう。
    • 更に室内だというのにロケットランチャーをぶっ放すという、周囲を省みない攻撃を行う。
    • それに加えて、階段を降りられない(踏み面(ふみづら)が小さく足を乗せられなかった)という兵器として致命的な欠陥のために追撃できず、階段に足を踏み出しところ途中で転倒。踊り場に滑落しひっくり返った状態から復帰できず、駄々っ子のようにもがいている間にロボコップを取り逃がしてしまう。

末路と余生

  • 『ロボコップ』
    • 終盤でオムニ社にパトカーで乗り込んだロボコップに対して『駐車違反』であるとして警告を発するが、コブラ・アサルト・キャノンの一射で上半身を吹っ飛ばされ、あえなく破壊されるという末路を辿った。
  • 『ロボコップ2』
    • デトロイト市内の各所で防犯用に配備用されるようにはなったものの、映画の冒頭で、片足がマンホールの穴にはまり動けなくなったED-209がレッカー移動されるというニュースが初っ端で流れ、「使えないマシン」という評判が広まっている。
  • ノベライズ
    • オムニ社はアメリカ中央政府の司法長官と掛け合い、全米五つの都市にED209を配備している。司法長官は「満足の意を示したと」ニュースで流れていたが、欠陥だらけのマシンで最悪の評価を下されている点は映画と同様である。
    • また、本作ではオムニ社の本社に警備用途で配置されており、ロボコップ2号機を作ったファックス博士の元に向かう際、婦人警官のアン・ルイスは、銃を用いずにひっくり返し、無力化していた。
  • 『ロボコップ3』
    • これまでのシリーズでその欠陥ぶりを曝け出し続けてきた本機だが、本作ではあろう事かハッカーの少女・ニコに容易くハッキングされてコントロールされてしまう。

そしてこのED-209の開発時の予算超過と、販売しても採算が取れるほどの売り上げが見込めない事実は、結果的にオムニ社の経営状況を悪化させる原因に繋がった。

性能も高くはなく、AI判断能力も稚拙、運用し辛いという、様々な問題点を有した兵器を売るという自分で自分のブランド価値を損なう行為を続けた結果、最終的に『ロボコップ3』での買収に繋がる遠因となった。

また、既に1作目でお披露目した時点で、陸軍から販売保障を取り、改造計画も用意、向こう25年間分のスペア部品の供給計画も立てていた。ED-209にいかなる問題があろうと、今更販売と運用を止める事はできなくなっていたというまさに見切り発車状態。埋没費用効果的な現象だったのだろうか。

リメイク版

2014年に公開されたリメイク版にもED-209は登場。今回は軍に正式採用され、量産されている。

大きく改変されたのはその大きさ。全高3.35mとオリジナルの倍近い。これは大体平屋の家くらいの高さだといえば見当がつくだろうか。全長もかなり大きくなっている。

火力も段違いに向上しており、対人・対車両用の複合ウェポンシステムを搭載し、オムニ社のPVでは(企業の宣伝用PVなので割り引く必要はあるが)、M1エイブラムス戦車の主砲射撃に耐え、反撃で同戦車を粉々にしている。ちなみにこのウェポンシステムは「コブラシステム」という名である。

それに加え劇中で、大量の爆薬の至近距離炸裂にも耐える堅牢ぶりを披露。

そして何より、脚部の可動域が増えたため鬼門だった階段の昇り降りも克服している。

しかしながらAIの判断能力の甘さは変わらずで、誤射や(丸腰の為に)部外者を通すなどの醜態を晒した(今回は誤射された方は警告しても武器を捨てなかったので、流石にオリジナルのようなポンコツではない)。

ゲーム作品への出演

『ロボコップ』:ファミコン(NES)

ステージ4と最終ステージでボスキャラとして登場。全高がロボコップの2倍近い巨体を誇るが、映画とは違いロボコップは普通に動いて攻撃できる。腕部ガンポッドによる銃撃は射角に制限があり、攻撃範囲も狭いため対処は容易。懐に飛び込むとガンポッドを振り上げて殴打する。ただし、攻撃できる箇所はガンポッドのみで、ラスボスとして登場した時は耐久力が上がっている。

『Robocop』:アーケード

武装が異なる複数機が登場。ステージによっては2体同時に出現する。一面ボスとしてED-209が登場する他、途中ボスとしてコブラキャノンを装備した軍用タイプのED-309、ラスボスとしてホーミングミサイルが追加装備されたED-209mk2が登場する。

『Robocop2』:アーケード

オムニ社のステージで出現。高威力のロケット弾と銃撃を使うが、中ボス相応の性能。また、背景には映画に登場したロボコップ2号の試作機が展示されている。

『Robocop VS Terminator』:メガドライブ/スーパーファミコン(Genesis/SNES)

オムニ社ビル内や市街地などに出現。倒すと高威力の腕部ガンポッドをドロップするが、この武器自体は道中で拾えるという謎の仕様。破壊されても下半身のみで打撃を加えてくる。

『RoboCop: Rogue City』:PC/PS5/Xbox Series X

時系列としては『2』と『3』の間にある作品とのことでED209も稼働状態にあり、ゲーム中でも警察官を犯罪者と誤認して射殺、ロボコップを敵と勘違いするなどそのポンコツぶりを遺憾無く発揮する。(ただし明らかに意図的にそうするようなっていた)戦闘では装甲が硬く効果的にダメージを与えられる部位が小さく中々に手強い。

この作品でも階段は降りることはできず、階段を降りようとして落ちて大破した。

あるステージでは交戦することがない完全な味方として登場する。

アニメ版

日本ではビデオリリースのみだったアニメ版「ロボコップ」では、バリエーションとしてED-260が登場。こちらはED-209と外観は同じものの、飛行能力を有しており、両足裏からジェット噴射する事で飛行が可能である。

余談

  • なぜこのようなテストの場で実弾を装填していたのかは不明。オムニ社は次回作『ロボコップ2』でもその悪癖が抜けておらず、さらなる問題を引き起こすのであった。

関連タグ

ロボコップ ロボコップ2号機

超兵器(まぁ、当時としては)

顧客が本当に必要だったもの UAV 逆関節

モーターヤブ

モータルコンバット:MK11でロボコップ共々ゲスト参戦、FATALITYやFATAL BLOWに共闘してくれる。

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