ロボコップ(キャラクター)
ろぼこっぷ
映画「ロボコップ」に登場する、主人公にして、サイボーグ警官。
改造前の警察官「アレックス・マーフィー」に関しては、当該項目を参照。
オムニ社の法執行システムとして、当初立案された「ED-209計画」の補佐計画として「ロボコップ計画」が立案。
デモンストレーション中に、ED-209が不具合を起こしたため、ロボコップ計画が推進され、その結果完成された。
アレックス・マーフィーの肉体を改造したものとされているが、その身体を構成しているのはほとんどが機械。マーフィーは殉職時に全身に無数の銃弾を受けており、そもそも無事な肉体の方が少なった事もあり、彼の身体は、脳および神経系、顔面部の皮膚、消化器官など、ごくわずかな肉体・有機体しか残っていない。なので、「人体を改造したサイボーグ」という扱いではあるが、「人体(マーフィー)の一部を部品に用いたロボット」とも解釈できる。実は片腕は無傷だったのだが、計画責任者のモートンの命により切断され、四肢は全て完全な機械となっている。
なお、人工心臓も生体部分の維持に必要らしく、3作目で破損し修復を受ける際に、新たな人工心臓を移植された。
装甲
内部骨格は黒いソフトラバー質の素材による、内部メカ保護用スーツで覆われ、防水や防塵対策を施している。その上に、チタン製の外部装甲を装着し、万全の防備を施している。
頭部は、マーフィーの顔面を残し、ヘルメットを(耳部分の)ボルトで固定している。これは、「非人間的なロボットに管理される事の、大衆の本能的な嫌悪・抵抗感」への措置で、人間の顔を残す事でそういった抵抗感と嫌悪感を緩和する事を目的としている。
その動きは、人体及び生物に比べ、若干機械的でやや鈍いが、反応は素早く、場合によっては「弾丸を摘まみ取る」事も可能(3作目にて)。
パワー
全身が機械化されているため、強力なパワーを有している。犯罪者が持つ銃の銃身を簡単に曲げ、さらには身体をひねっただけで、コンビニ強盗犯を吹っ飛ばした。
室内に籠城する籠城犯を、パンチで壁をぶち破って壁越しに掴み、人質から引き離す事も行った。
銃撃する際には、視覚にコンピューターによる表示がなされる。その際、銃撃の照準がなされ、弾丸を目標に命中させる事が可能。
動力・メンテ
動力源は、体内のバッテリー。
一日に一度、充電椅子に座り、充電するとともに体内のメンテナンスを行う。充電椅子およびメンテナンス機器、そのモニターおよび各種装置は、デトロイト市警の一室に設置され、パトロールから戻ったロボコップは、そこで充電とメンテを受けるのだ。
また、メンテ機器の中には、ベビーフード状の食料供給機も存在する。それを摂取する事で、数少ない生体部分の一部である胃や消化器官を刺激し、脳のストレスを緩和する役割も果たしている。
なお、この食料は市販のベビーフードで代用する事も可能(映画劇中では食べるシーンは無かったが、ノベライズでは市販のホウレンソウのベビーフードを食べて、その空き瓶を射撃の的に使っていた)。
ソフトウェア
ロボコップには、体内に電子頭脳を有し、マーフィーの大脳部分も情報処理に用いる事で、柔軟な対応を可能としている。
電子頭脳部分は、犯罪や警察活動における情報のみならず、自身の見たものや聞いたものなどを動画として保存し、それを後に犯罪の証拠として提出する事が可能。ロボコップの前で発言したり行動したりしたら、それらすべてが録画・録音され、保存されるのだ。
視覚は通常の映像のみならず、サーモグラフィーを用いて、壁越しに室内にいる人間の体温を感知。内部にいる人間の位置を即座に確認・把握する事も可能。
また、他のコンピューターとアクセスし、データベースの膨大な情報を自身の体内にダウンロードする事で、犯罪捜査に役立てる事もできる。
アクセスの際には、手の甲に内蔵されたターミナル端子「データスパイク」を用いる。これを各種コンピューターの端子口に挿入する事で、内部データにアクセスし、データをコピーする事ができるのだ。
なお、データスパイクは短剣のように鋭く長いので、一作目のクライマックスではナイフのように相手に突き刺し、止めを刺した。
体内の電子頭脳内には第一から第四までの指令がインプットされている。
第一指令:一般市民の信頼に応える。
第二指令:法を尊守する。
第三指令:罪のない人々を守る。
第四指令:極秘。
第四指令の詳細は、当該項目を参照。
武装・オプション
ガンアーム
3作目で登場。3作目においてロボコップは、左腕部分をアタッチメント化しており、通常の腕とこの武装とを交換できる。
マシンガン、火炎放射器、ロケットランチャーを集めた兵装で、左腕部を交換して装着、ロボコップの攻撃力を大幅に上げた。ロケットランチャーは装甲車を一撃で破壊するほどの威力を有する。
フライトパック
3作目で登場。
ロボコップの飛行用オプション装備。日本版では「ジェットパック」と呼称。
ラザラス博士が開発したもので、背中に装着。搭載されたF-117のジェットエンジンを噴射させて、ロボコップ自身を飛行させる事が可能。
背面を覆い、背中と肩からのジェットで空を飛ぶ。普通に飛行するのみならず、ホバリングも可能。両腕には追加装甲がある。
これにより、通常の移動手段(徒歩および、パトロールカーなど一般警官と同じ交通手段)しか持たなかったロボコップ自身の機動性を、大幅に上昇させた。ロボコップの体内の電子頭脳と直結する事で、制御し操作している。
さらに、予備充電装置も内蔵しており、緊急事態には充電が可能。
※ガンアームおよびフライトパックを装着したロボコップ。
一見無敵のヒーローと見えるようなロボコップではあるが、実は最初はそんなに強くは無かった事は意外に知られていない。だが、作を追うにつれて、異常な程の防御力の強化が行われている。
タイトル | 劇中で受けた攻撃 | その結果 |
---|---|---|
ロボコップ | デトロイト市警察によるアサルトライフルの集中射撃、ED209との戦闘でヘルメットを割られる、大量の鉄骨を頭から直撃させられる | 双方のおかげで装甲にヒビが入ったり照準が狂ったり機能的にもボロボロの大損害だが、鉄骨は何故か頭から直撃してるのに抗靭 |
ロボコップ2 | ヘルメットに50AE拳銃弾が直撃、アサルトライフルなど軽火器の集中砲火、M2重機関銃による腕への射撃、エンジンカッターによる分解、7.62mmミニガンの集中砲火、大型ショットガン直撃にによる損傷 | 流石にM2重機関銃には耐えられず、腕は吹き飛び、分解により大ダメージを負うも復帰、ただその他の銃撃による機能的な支障はなし、後半では数百メートルから落下しても戦闘を継続し、ヘルメットはそこらじゅうに打ちつけられても無傷で、ようやくレーザートーチで焼き傷が出来た程度 |
ロボコップ3 | アサルトライフルの集中砲火、40mmグレネード弾直撃、日本刀による斬撃 | ライフルの集中砲火は全く無傷、だが40mmグレネードの直撃により機能低下、日本刀の斬撃で指と腕のアタッチメントが切断されるも、機能的に支障は無かった模様 |
ロボコップ(TVシリーズ) | 第1話冒頭で乗っていたパトカーの運転席に無反動砲を撃ちこまれる、対戦車ライフルによる胴体貫通、グレネードランチャーの直撃、産廃処理用プレス機に放り込まれて潰されかける、シリーズ中盤における明らかに対人用ではない機関砲の直撃 | バズーカの直撃には無傷だったが対戦車ライフルでは人工心臓がぶち抜かれ、生死の淵を彷徨うも復活、産廃処理用プレス機はロボコップの抵抗の前にモーターが焼き切れて停止、機関砲の直撃には抗靭し、反撃 |
オムニ社の、防御力偏重主義
第1作に比べて如何にロボコップの装甲がアップデートされているかが解る。尚、装甲だけではなくパワーも第1作に比べれば桁違いにアップしているはずで(ED209の腕のモーターよりも強力であろうプレス機を破壊)やはり、リアルな無敵の“ヒーローだった”のではなく“ヒーローになった”という言葉が正しいと思われる。
火力に関する強化策は「ロボコップ3」において、ミサイルやアサルトライフル、火炎放射器を一体にしたガンアーム、機動力の改善は最大速力マッハ1.2の背負い式ジェットパックが開発され、劇中で活躍したが、その後の物語には表れていない。
テレビシリーズでは、リモコン起爆による円形爆弾、追跡弾発射銃など、直接的な火力の強化ではなく、あくまでロボコップの捜査活動を向上させるための装備が増設されたのみで、専用銃のオート9のみで総ての敵と渡り合っている。
因みにテレビシリーズでは、試作品のビーム砲に対し、一度だけであるが防御している。これはロボコップのハード内に装備された、一度だけ発生可能なビームバリアー装置によるものなので、ロボコップ自体への装甲強化策ではない(ただ、どう考えても警察用途の防御力ではない)。
リメイク版
2014年公開のリメイク版では、防御力も低くはないが、それより機動力が強化されており、機敏な運動能力を発揮している。また、パトカーではなくバイクで移動するため、よりヒーローらしくなった。
さらに、オリジナルとリメイク版の主な差異は以下の通り。
:機動力重視のスマートかつスタイリッシュなデザイン。
:黒主体のカラーリング(当初はオリジナル同様、銀色主体だった。更に追加装甲を装着させ、オリジナル版のデザインにする案も劇中で提案されていた)。
:ヘルメットの開閉はマーフィーの任意で瞬時。
:右手首は破損を免れたため、生身のまま。
:栄養は、ベビーフード風のペーストから、定期的な血液交換に変更。
なお、リメイク版のマーフィーは、「殉職」ではなく「重体」の状態からロボコップになった為、社会的には「生存」扱いになっており、オリジナルでは(ストーリーの都合上)無かった「妻子」との絆が描かれていたことも大きな違いである。