概要
北野映画としては珍しく、ファミリー向けのヒューマンドラマとなっている(ただし、たけし流の毒は満載)。
『コマネチ!!』に、『HANA-BI』に出演した実娘・北野井子による、「母をたずねて三千里みたいなのを撮って欲しい」というコメントが載っているので、もしかしたら娘のために撮ったのかもしれない。
キャストには北野映画常連の岸本加世子、たけし軍団のグレート義太夫、井手らっきょ、たけしが支持するTHE CONVOYの今村ねずみ、さらには相方のビートきよしらが名を連ねている。
劇中に登場する「天使の鈴」は、同じ形のものが実際に映画館で売られた。
久石譲が作曲したテーマ曲「Summer」は、後にカローラのCMにも使用され、現在でも知名度の高い名曲である。
ちなみに題名の「菊次郎」とは、北野の実父の名前でもある。(北野曰く、「タイトルが思いつかなかったから親父の名前にしちゃった」)
あらすじ
浅草で祖母に育てられた小学三年生の正男は、離れて暮らしているという母親に会いたくなり、お小遣いを握り締めて家を飛び出した。
しかし、出発直後に不良に絡まれてしまう。それを見咎めた近所のおばさんは、無職でぶらぶらしていた旦那の菊次郎を保護者につけ、正男を母親に会わせるよう言いつけるのだった。
キャスト
菊次郎 - ビートたけし
菊次郎の女房 - 岸本加世子
正男 - 関口雄介
正男の母 - 大家由祐子
正男のおばあちゃん - 吉行和子
バイクの男(デブのおじちゃん) - グレート義太夫
バイクの男の友人(ハゲのおじちゃん) - 井手らっきょ
あんちゃん(やさしいおじちゃん) - 今村ねずみ(THE CONVOY)
ヤクザの幹部 - 関根大学
ヤクザ - 田中要次 / 稲宮誠 / 村澤寿彦
バス停の男 - ビートキヨシ
テキ屋 - 諏訪太朗 / 江端英久
ホステス - 小島可奈子 / 永田杏子 / 小林恵美 / 大葉ふゆ / つかもと友希 / 安井祐子
スタッフ
プロデューサー - 森昌行 / 吉田多喜男
撮影 - 柳島克己
美術 - 磯田典宏
照明 - 高屋齋
録音 - 堀内戦治
編集 - 北野武 / 太田義則
音響効果 - 帆苅幸雄
衣装 - 岩崎文男
スクリプター - 中田秀子
スチール - 熊谷貫