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鉄道省が1931年から製造したD軸(動軸が4軸)の直流電気機関車である。


当初は、電化開業されたばかりの中央本線八王子~甲府間(甲府機関区配属。のちに八王子機関区にも配属)と上越線清水トンネル区間【水上〜石打間。水上機関区配属。】で使用されたが、中型機であったため戦時中には大型のF軸機関車に交代され、次第に中央本線系統(八王子機関区または立川機関区)と阪和線(鳳機関区)に集約された。

当初は重連総括機能があったものの、当時の技術では空転を実用レベルで防ぐことができず、耐寒処理技術も未熟で重連電気カプラーの絶縁破壊が多発したため、運用開始から程なくして撤去されている。


以後、南武線青梅線五日市線阪和線で活躍したものの、阪和線ではED60・EF58・EF15が登場したため置き換えられ、立川機関区(旧・八王子機関区西国立支区)に集められた。


晩年は青梅線・五日市線と南武線で石灰石輸送に従事していたが※1、老朽化と青梅線の線路規格向上によるEF64やEF15への置き換えにより1983年に引退運転(客車列車で運行)を経て1984年に全廃となった。青梅線で長らく当機が活躍できた理由は、青梅線の線路規格が低くEF64などの大型機が入線できなかったからである。


現在では、1号機が青梅鉄道公園に保存されている(1980年に引退後、準鉄道記念物指定)。

なお、4号機と10号機がJR東日本大宮総合車両センターに保管されていたが既に解体済み。【4号機は1984年に廃車された当形式最終在籍機※2、10号機はさよなら運転(新宿〜御嶽間)で12系客車を牽くという、当機では珍しい旧型客車以外の客車を牽引する事例となった※3】

山梨県南アルプス市役所若草支所に保存されていた15号機は2022年に解体されてしまい、現存するのは青梅鉄道公園の1号機のみとなってしまった。


2018(平成30)年に青梅鉄道公園保存の1号機が重要文化財に指定された。昭和生まれの鉄道車両では二例目の重要文化財指定となった。【昭和生まれの鉄道車両で初めて重要文化財に指定されたのは地下鉄博物館保存の東京地下鉄道1001号電車で2017年指定】

なお、同時に鉄道博物館保存のED40形10号機も指定された。


余談ではあるが、1982年発行の上越新幹線開業記念切手の図柄に200系新幹線とともに当機が採用されている。(初めて上越国境越えを鉄路で果たした電気機関車であるため)


1945年8月5日に起きた、第二次大戦末期の日本の列車空襲では最悪の被害となった中央本線湯の花(いのはな)トンネル列車銃撃事件の被害機でもある。(湯の花トンネルは中央本線浅川【現・高尾】~与瀬【現・相模湖】間にある。】)

なお、被害機であった7号機は被災後も他機同様現役最後まで活躍し、廃車後はナンバープレートが八王子市郷土資料館に保存されている(通常非公開)。

なお、Nゲージで7号機の再現は難しい。理由としては、KATOもしくはマイクロエースのED16では製造銘板が日立と三菱造船所のような四角い製造銘板しか対応できず、7号機のような芝浦製作所・汽車会社の「◯芝」と「KSK」の丸い銘板には対応していないからである。


※1 まれに拝島駅まで米タン横田基地向け航空燃料専用列車)を牽引していた。

※2 廃車時には既に立川機関区が廃止されたため書類上、八王子機関区に転属という形になった。

※3 さよなら運転の実施前に、某テレビ局が主催のイベント列車「おもしろまじめ号」(新宿〜御嶽間)をED16が牽引する12系客車で運行されたが、当該列車牽引機は3号機だった。なお、御嶽駅到着後、機回しは古里駅で行われた。

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