概要
愛知電気鉄道と名岐鉄道が合併して誕生した名古屋鉄道(名鉄)が1943年に初めて製造した電気機関車。東芝戦時標準設計型と呼ばれる形式で、他の鉄道会社にも同一設計の機関車がいくつか存在する。603、604は元々中国海南島に輸出される予定の機関車だったが、戦局の悪化で輸送できず港に放置されていた。機関車不足に悩まされていた名鉄はこれに目を付け、この2両を譲り受け自社の機関車とした。
デキ600は名鉄の機関車の中でも最強クラスの出力を誇り、貨物輸送の主力として活躍した。また戦時中や戦後しばらくは電装解除され自走できない電車等を牽引し旅客輸送に用いられていたこともあった。
名鉄が貨物輸送を廃止した後もその出力を買われ4両全てが事業用車として生き残り、新車輸送や廃車回送、バラスト散布にレール輸送、更には入れ替え作業など幅広く運用された。塗装も従来の黒色からメイテツブルーに警戒色の出で立ちとなり、標識灯の換装などの特別整備が施された。
しかし登場から70年が経過し老朽化が加速、運転方法も通常の車両と異なり最高速度も時速40キロ程度しか出ないため、新型の電気機関車「EL120」に置き換えられた。2015年7月に601〜604の4重連を組み東名古屋港まで自走して廃車回送、解体された。