JR九州815系電車
1999年の豊肥本線(熊本~肥後大津)の電化開業に合わせて登場した近郊形交流電車。2両編成で組成されており、全車両ワンマン運転対応である。また、JR九州の近郊形電車で初の無塗装アルミ車両(日立製作所のA-Trainシステム。JRグループおよび日本国内で初採用)である。運転台やトイレをブロックとして外部で製造して車内に設置する工法が採用されており、それらが車内に箱のように直接置かれているようなインテリアが特徴的になっている。
デザインは他のJR九州の車両同様、水戸岡鋭治率いるドーンデザイン研究所が担当している。
車内は、813系まで採用されていた転換クロスシートではなくオールロングシートであるのが特徴。
主制御器(主変換器)はVVVF制御であるが、JR九州で初めてIGBTインバータが採用された。
またその他機器面でもJR九州で初めてシングルアーム式パンタグラフとワンハンドルマスコンが採用された。
運用区間
熊本車両センター所属車
鹿児島本線(博多~八代)
豊肥本線(熊本~肥後大津)
同車両センター所属の817系とは当初運用が分けられていたが、2022年9月のダイヤ改正で817系のほとんどが鹿児島地区へと転出した事やそれを補うための821系の転入等、紆余曲折を経て現在は運用が共通化されている。そのため翌2023年からは運用区間が博多駅まで延びる事となった。
大分車両センター所属車
日豊本線(宇島~佐伯)
運用のほとんどが中津駅止まりであり、2009年のダイヤ改正でワンマン運転が開始された際に宇島行きが追加された。この結果、大分地区での車両数が不足してしまうため、小倉方面から811系が毎日乗り入れるようになった。
2017年の台風で日豊本線 臼杵~佐伯が不通になった時佐伯に取り越された1編成が 鹿児島迄南下し 整備を受け 佐伯~延岡間の臨時快速に宛がわれた 宮崎県で初の営業運転である
余談
熊本運輸センター所属編成15本のうち4本は、第三セクターの豊肥本線高速鉄道保有株式会社が保有している(該当編成は車体の所有銘板も同社の名義になっている)。同社は豊肥本線の電化および路線改良を行ってJR九州に施設および車両を貸し付けている会社である(同社はJR九州と熊本~肥後大津間の沿線自治体の出資で構成されている)
車体製造技術の都合上、当形式は日立製作所製がほとんどであるが、1編成のみJR九州小倉工場製である。