概要
JR東海が名古屋駅から関西本線・伊勢鉄道線・紀勢本線・参宮線を経由し伊勢市・鳥羽を結ぶ名称付きの快速列車。指定席がある。
国鉄時代の名伊間輸送は近鉄が有利な状況だったが、少しでも巻き返しを図るべく分割民営化後に誕生した。
現在は、区間や時間帯を限定すれば近鉄の急行電車より優位に立てる場合があるものの、一般的に名伊間輸送は近鉄が列車本数や所要時間面で優勢の状態であり、回数券利用者や新幹線からの乗り換え客等を除いて近鉄からシェアを完全に奪取するに至っていない。
亀山発着快速の増発後も河原田以北での単線区間が多く残っており、運転停車が大幅に増えている。名古屋-桑名でほぼ全ての通過駅を各駅停車する状態に陥っており、同区間で30分近くかかる列車が大半を占め、10号に至っては各駅停車よりも遅く32分かかっている。過去の停車駅だった蟹江でもほぼ全列車が運転停車する有り様で輸送効率が悪化している。
現在の名古屋-桑名で所要時間20分を切っているのは早朝下りの一部しかない。
運行概略
名古屋駅を午前9時台から午後8時台までの間1時間に1本発車する。なお名古屋行も1時間に1本である。
名古屋-多気間は特急南紀とほぼ同一の停車駅だが、参宮線内では一部の列車で各駅停車となったり、鳥羽-伊勢市間各駅停車となる便もある。
基本停車駅
名古屋-桑名-四日市-鈴鹿-<中瀬古>-津-松阪-多気-(外城田)-(田丸)-(宮川)-(山田上口)-伊勢市-(五十鈴ケ丘)-二見浦-(松下)-鳥羽
()は上下の一部列車が停車、<>は上りの一部列車が停車する。
- 鈴鹿サーキット稲生駅 F1日本グランプリ開催中に停車。
使用車両
名古屋車両区、美濃太田車両区所属のキハ75系が原則として2両で使用される。なお混雑が見込まれる年末年始など初詣輸送、繁忙期には4両で運行される。
運行開始当初より2両編成の場合は鳥羽寄りの1号車の半室を指定席、4両で運行される時は1号車全部を指定席としている。
鈴鹿サーキットでF1グランプリが開催される時は混雑防止の為全車両自由席扱いとなることもあった。
過去の車両
運行開始当初は急行のりくらやかすがに使用されていたキハ58、キハ65を使用していた。
1991年からはエンジンをDMH-17からカミンズ製C-DMF14HZエンジン(350PS/2000rpm)と新潟コンバータ製変速機に換装し、台車をキハ82系の廃車発生品であるDT31C形空気バネ台車に交換、座席をリクライニングシートに交換した5000・5100番台が登場。みえ運用から撤退した後も2001年まで在籍していた。
余談
- 当列車は伊勢鉄道経由で運行されるが、2007年4月に発生した三重県中部地震で伊勢鉄道線が不通になった時、亀山駅を経由して迂回運転を行った事がある。平常時は青春18きっぷやジャパンレールパスが使えない伊勢鉄道を経由するのに対し、迂回運転ではそれらが利用可能な区間のみ走行する事となるが、これに対する扱いは現在のところ不明。
- 運転開始当初は紀勢本線紀伊勝浦駅発着便も存在した。この紀伊勝浦発着列車は熊野市以南が各駅停車、新宮以遠は全車自由席というものだったが、特急南紀に格上げされ紀伊勝浦発着列車は消滅した。
- 2011年から全列車を4両編成とした事もあった。2013年の神宮式年遷宮を当て込んだもので、遷宮需要のピーク時には一部が6両編成で運転され、往年の急行列車を思い起こさせた。また、「みえ」とは別に、臨時急行「いせ」も運行された。が、やはり近鉄電車に勝てず2014年には殆どの列車が2両編成に戻された。
- 快速マリンライナーとは運行形態や走行路線条件で共通・類似点が幾つか見られる。